Research Abstract |
内閣府の調査において,家庭へのパソコン普及率は80%を超え,ネット検索や,ワープロ,表計算及びプレゼンテーションソフトの利用は,実社会において「読み・書き・そろばん」レベルとなってきている。本校における情報リテラシー教育においても,既製品のアプリケーションソフトの使い方を教えるだけでは,学生が授業に対して技術的な新鮮味を得られない場合が見受けられた。一方で,プログラミング言語を用いたコンピュータプログラミングは,非常に自由度が高い演習課題を設定できるため,学習者の個性を引き出しやすく,レベルに合わせた魅力的な教材づくりが可能である.しかし,プログラミングは専門的で且つ難解だと思われており,プログラミングの学習に積極的でない学生が高い割合で存在するのも事実である。これらの問題を解決するために,授業手法と教材を再検討し,情報系を専門としない学生にも対応可能な,初心者向けプログラミング導入教育用教材について検討した。 本課題では,学ぶ目的(自分が作りたい作品)を先にイメージさせた後,Java言語による作品づくりを通じて,作品の完成に必要な道具(プログラムに必要な文法やアルゴリズム)を能動的に手に入れながら学習していくプログラミング教材の開発を目指した。作品づくりに必要な文法が,自習できるようなテキストの開発と,導入と補足説明の為のプレゼン教材を開発した。制作する作品の表現の中で,「条件分岐」や「繰り返し」,「配列」などの考え方を明確な目的意識の中で使うことにより,結果的にプログラミングに必要な知識と経験が得られることを期待した。学生も自分の作品についてプレゼンを行い,メンバー同士の技術の相互補完が可能となった。結果として,全くの初心者から始まったプログラミング教育において,1クール終了後の学生のアンケートからは,充分な満足度を得ることができた。
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