Project/Area Number |
21910023
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
特別支援教育
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
山田 毅 University of Tsukuba, 附属視覚特別支援学校, 教諭
|
Project Period (FY) |
2009
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
|
Budget Amount *help |
¥540,000 (Direct Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2009: ¥540,000 (Direct Cost: ¥540,000)
|
Keywords | 教室の光環境 / 照度の向上 / 弱視児用タスクライト |
Research Abstract |
1研究の具体的内容 本研究は、視覚特別支援学校及び視覚特別支援学校が支援している学校に在籍している弱視児童を対象に実施した。文部科学省から通知されている学校環境衛生の基準に従い,児童が実際に使用している机の周辺で照度と輝度を測定し入射した光等の輝度が照度に及ぼす影響を考察した。また、通常のスタンドと弱視児用タスクライトを用いた場合の作業能率の違いを確認した。 2研究の成果 成果の一つ目は、教室の光環境に関する誤解を払拭したことである。これまで、教室の光環境は担当者の感覚によって明るさや眩しさを調整してきた。例えば教室の明るさは、天井照明やカーテンの開閉によって変更していた。カーテンを開けると窓方向の輝度は上昇し教室空間全体の明るさは向上するが、手元の読書対象の照度の向上には有効に働かないこともある。むしろ児童にとって不快な光が増す場合も多く、学習環境全体のパフォーマンスが低下することになる。また、カーテンを閉める場合も窓方向の輝度を測定してみると遮光が不十分な場合も多い事がわかった。これらは教室のカーテンの光透過率に起因しており、透過率にも配慮が必要であることがわかった。 成果の二つ目は、スタンドを用いた弱視児童の学習環境の調整方法がわかったことである。高い照度を必要とする児童の照明は、通常のスタンドで照度の向上を図ってきた。しかし、この場合、視対象の照度向上とともに散光した光が目に入り学習への集中力の低下を招いていた。そこで弱視児に配慮した弱視児用タスクライトを用いた場合と通常のスタンドの場合とで、学習効率を比較した。結果は弱視児用タスクライトを使用した方が良い結果だった。また、数値的な結果だけではなく、学習状況の観察からも、意欲や持続力に良い影響があることもわかった。今回の研究で、光環境の調整を科学的に行うことができた。
|