Project/Area Number |
21931041
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
臨床医学
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
若林 早紀 Shinshu University, 医学部附属病院, 臨床検査技師
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Project Period (FY) |
2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥560,000 (Direct Cost: ¥560,000)
Fiscal Year 2009: ¥560,000 (Direct Cost: ¥560,000)
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Keywords | atypical HUS / Factor H / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
【研究目的】溶血性尿毒症症候群(HUS)はほとんどが下痢を伴うが、下痢を伴わず予後不良となるHUSはatypical HUS(aHUS)と呼ばれており、その発症には補体制御因子の遺伝子変異や抗Factor H抗体が関与すると言われている。本研究は現在ほとんどデータがない日本人におけるaHUSの補体調節因子の解析を行うことを目的とし、aHUS患者およびその親族を対象としてaHUSでの遺伝子変異の頻度の高いFactor Hの遺伝子変異、遺伝子多型について解析を行った。【研究方法】家族性aHUSが疑われる2家系(家系A:患者1、両親、父方叔父、および父方祖母;家系B:患者2、患者3、患者2母、患者3母および母方伯母)についてFactor H遺伝子解析を行った。【研究成果】家系Aでは、患者1と父に変異[G3717A(Arg1215Gln)]が認められ、患者1と母にHUS関連多型[C-257T(promoter)、A2089T(Gln672Gln)、G2881T(Glu936Asp)]が認められた。父方叔父と父方祖母の遺伝子解析の結果から死亡した父方祖父の遺伝子配列が推定でき、患者1の変異は父方祖父から遺伝していることが明らかとなった。家系Bは患者2と患者3が母方のいとこ同士であり、母方祖父が若年発症腎不全により死亡している。患者2は変異[G3717A(Arg1215Gln)]およびHUS関連多型が認められ、患者3は患者2と同じ変異が認められた。両者の変異はそれぞれ患者2母、患者3母から遺伝していた。また腎不全の既往のある母方伯母は、HUS関連多型をホモ接合体で有していた。今回解析した2家系中で変異は10例中6例認められ、その内変異とHUS関連多型を併せ持った2症例は重症例であった。これにより、Factor Hの遺伝子変異がaHUSの発症に強く関与していることが示唆された。
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