DNA多型を用いた現場遺留物からの遺留者の出身地域推定
Project/Area Number |
21933010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Scientists
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
境界医学・社会医学・看護学等
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Research Institution | 山形県警察本部 |
Principal Investigator |
渡辺 剛太郎 山形県警察本部, 科学捜査研究所, 専門研究官
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Project Period (FY) |
2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥580,000 (Direct Cost: ¥580,000)
Fiscal Year 2009: ¥580,000 (Direct Cost: ¥580,000)
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Keywords | 出身地域推定 / DNA型検査 / 一塩基多型 |
Research Abstract |
研究目的 現在、日本国内には数多く外国人が居住しており、犯罪に巻き込まれる外国人の数も増加している。しかし、犯罪捜査におけるDNA型鑑定では、前科があり且つDNA型がデータベースに登録された犯罪者しか検索の対象にならないため、DNA型検査結果から容疑者を絞り込むことができない。一方、犯罪現場遺留物から、遺留者の出身地域を推定することができれば犯罪捜査上非常に有用である。そこで、蛍光標識産物鎖長多型(FLPLP)法を用いて、出身地域を推定する検査システムを開発することを目的とした。 研究方法 出身地域ごとに出現頻度の異なる一塩基多型(SNP)部位を、インターネット上のDNAデータベースから選び出し、特異プライマーを用いた型判定について検討を行った。様々な検討を行った結果、最終的に、FLPLP法を用いて、12ヶ所のSNP部位を3色の蛍光色素を用いて検査する検査システムを構築し、被採取者情報付きで市販されているDNAを用いて型判定を行った。 研究成果 今回選択した12ヶ所のSNP部位は、各蛍光色素ごとに同一チューブ内で同時に増幅させることが可能であったが、全てのSNP部位を同一チューブ内で同時に増幅させることは困難であった。本検査システムを用いて出身地域の推定を行ったところ、今回検査した全ての試料において、被採取者の出身地域情報と矛盾する試料は認められなかった。本検査システムは、ヨーロッパ人、アジア人、アフリカ人を高い精度で識別することができた。また、FLPLP法は、蛍光標識プライマーの鎖長を短くできるため、短いDNA断片の分析を行うことができた。FLPLP法を用いたマルチプレックスSNP型判定システムは、多くのSNP部位を同時に検査できるため、さらにきめ細かい出身地域の特定が可能な検査法を開発できるものと期待される。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)