Development of efficient photocatalytic CO2 reduction by metal complexes bearing PNNP ligands
Project/Area Number |
21F21338
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Review Section |
Basic Section 34010:Inorganic/coordination chemistry-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
斎藤 進 名古屋大学, 学際統合物質科学研究機構, 教授 (90273268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAE SEONGHEE 名古屋大学, 物質科学国際研究センター, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2021-11-18 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2021: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Keywords | CO2 / 触媒的光還元 / ギ酸 / 金属錯体光物性 / 光還元 / イリジウム錯体 / PNNP配位子 / フェロセン / HCO2H / 電子移動 / 光励起 |
Outline of Research at the Start |
二酸化炭素(CO2)を光エネルギーを用いて効率的に還元するための新規な金属錯体触媒(分子触媒)の開発を行う。金属錯体は金属中心(M)と、その機能を大きく変える有機配位子からなる。有機配位子としてビピリジン(bpy)と二つのリン原子からなるPNNP配位子を種々改変して用いる。その結果、様々な金属錯体(PNNP)Mの分子デザインが可能となり、高性能なCO2光還元反応が可能となる。
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Outline of Annual Research Achievements |
光照射下での CO2 還元過程において (PNNP)Ir 錯体の嵩高さが、その構造的安定性や構造変化に与える影響について詳細な検討を行なった。最も優れた CO2 光還元能を示した4種類のIr錯体を比較するため、サブナノ秒過渡吸収スペクトル測定で得られた実験値を Marcus 方程式に代入して得られた計算値の結果をまとめた。(PNNP)Ir 錯体の光励起状態(Ir*)を消光するための還元剤(消光剤)としては、酸化電位が大きく異なる BIH と TEOA をそれぞれ用いて、これら還元剤によらず4種類のIr錯体が同様の光物性を示すかどうかを評価した。これらの結果から推論できることは、(1) 消光剤 の濃度を徐々に変化させて行う Ir* の消光実験から求まった ket の大小の比較により、 (PNNP)Ir 錯体の嵩高さが小さくなるにつれて、消光速度が増大することがわかった。このことから、Ir 錯体が小さければ小さいほど、消光剤が Ir 錯体のより近くに接近することができ、その結果、1 電子移動の速度が上がる。(2) 実験から得られた ket と Eox を Marcus 方程式に代入して得られた再配向エネルギー λから、R2P の置換基 R が OERS 形成後の錯体構造の変化に重要であることが判明した。すなわち、P 上により小さい R = i-Pr 基が置換した場合、より大きな構造変化が起こりやすいが、R = Cy 基ではそれが起きにくいことが示唆され、構造的な頑健さの向上に、2つの Cy2P 基が及ぼす影響の一部が証明された。(3) R2P = (i-Pr)2P と比較して R = Cy の場合 bpy 上の置換基よりも P 上の置換基の嵩高さが Ir 錯体の分子軌道と電子構造および錯体の動的構造の安定化に大きな影響を与えていることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで明らかではなかった(PNNP)Ir錯体のCO2光還元における様々な光物性を詳細な過渡吸収測定によって明らかにできた。Chem. Commun. 2022にも招待論文として受理された。今後、還元系反応を促進する新しい錯体光触媒の発展に有用な知見をたくさん得た。
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Strategy for Future Research Activity |
光触媒作用に重要な金属錯体の光物性や物理化学的物性を量子化学計算によって明らかにし、ビッグデータを作成する。そのデータをもとに機械学習法を利用して、新しい触媒開発に役立てる。また道半ばで終了した(PNNP)Re錯体を用いるCO2還元に関してもそれらデータのAI解析などを元にしてより発展した触媒デザインへと展開する。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)