熱ふく射発電を目指した波長選択型エネルギー変換の研究
Project/Area Number |
21F21370
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Review Section |
Basic Section 28050:Nano/micro-systems-related
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
長尾 忠昭 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, MANA主任研究者 (40267456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HERNANDEZ PINILL DAVID 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 外国人特別研究員
HERNANDEZ PINILLA DAVID 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 外国人特別研究員
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Project Period (FY) |
2021-11-18 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥2,300,000 (Direct Cost: ¥2,300,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2021: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 熱放射 / シリコン / 酸化シリコン / 金属ホウ化物 / 赤外線 |
Outline of Research at the Start |
酸化タンタルや窒化アルミ、アルミナなどの交互積層構造による分布反射器構造や金属ミラーを用いたGires-Tournois構造による完全吸収構造を製作し、高温で動作する赤外線エミッターデバイスを製作する。また、金属ミラーと共振構造との組み合わせを系統的に探索し、中赤外帯域での波長分解能が20nmを切る波長選択型受光素子や発電デバイスを製作する。なお、年度初頭に使用するスパッタ装置を改造し、未経験材料の成膜実験を行う予定であるため、現在雇用中の研究補助員を一名、このプロジェクト用に部分的にエフォート20%程度で参画させサポートする。このための人件費が必要であるため計上している。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では積層型波長選択型熱放射吸収体や2次元ナノ構造の配列を用いて、高温物体からの熱放射スペクトルを制御し、吸収や放熱作用の高効率化と、それを用いた高効率なエネルギー変換デバイスの開発を行う。このための成膜技術の開拓と成膜条件やエッチング条件の最適化を進め、耐熱性のある熱放射デバイスを設計し製作して行く。 初年度はシリコンとシリカを組み合わせた積層型の狭帯域波長選択素子を製作し、熱吸収と放射の狭帯域化を検討した。成膜条件による物性値の変化を利用して、共鳴波長の精度を高める方法論を検討し、製作を行った。近赤外位置で良好な光学応答と低めの損失を持つ耐熱セラミクスであるLaB6のエピタクシャル膜を用い、放射波長の精度3nm程度の赤外エミッター素子を製作した。また、波長幅20以下を目指した材料探索と波長選択ナノ構造の検討を進め、TaO2とシリカやアルミナによる積層構造が適していることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
低損失な耐熱金属と誘電体積層構造から構成される狭帯域赤外線エミッターの開発に成功した。研究室オリジナルな材料探索の性能を高めるべく成膜速度と成長温度などの条件最適化も進め、材料と設計の両者の組み合わせの中から波長幅20nmを切る素子を試作することができた。さらに成長させる基板を選び、成膜条件を最適化することで、放射率が0.9程度半値幅10nm程度の高効率狭帯域なエミッター素子が期待できる。 また、本プロジェクトのフォトニック構造の派生的な応用として、JSPSフェロー間の自由な発想による共同研究として、蛍光体材料用の共振器としての応用のアイデアを思いつき、試験的な実験を行った。例を挙げると、一種類の蛍光体みからなる白色発光蛍デバイスやレーザー発振などを見出しており、特許申請を行い、論文も投稿した。
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Strategy for Future Research Activity |
ホウ物系の高耐熱かつ低損失な材料の探索を進め、さらに高い性能を持つ赤外線エミッターを目指す。この光源はセンサーや加熱ヒータとしての応用が期待できる。一方、発電応用を目指すてめに、帯域の広めな赤外光源の制作に着手する予定である。これには損失の高めの遷移金属シリサイドなどをあえて用い、試験的な製作を行う予定である。一方で、発電素子の開発も開始し、まずは、近赤外線センサーを開発し、動作を兼用する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)