Project/Area Number |
21H00522
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 02060:Linguistics-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
生越 直樹 東京大学, 大学院総合文化研究科, 名誉教授 (90152454)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尹 盛熙 関西学院大学, 国際学部, 教授 (70454717)
金 智賢 宮崎大学, 国際連携機構, 准教授 (40612388)
新井 保裕 学校法人文京学院 文京学院大学, 外国語学部, 准教授 (10718422)
河崎 啓剛 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (80827436)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥12,610,000 (Direct Cost: ¥9,700,000、Indirect Cost: ¥2,910,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 対照研究 / 韓国語 / 省略 / 言語構造的特徴 / 歴史的観点 |
Outline of Research at the Start |
「不完全な文」,つまり,通常必要とする要素が欠けた文はどの言語にも存在し,その出現パターンも場面や文脈で自明な要素が欠けるなど共通する点が多い。ところが,類似する構造を持つ日本語と韓国語でも,「不完全な文」の構文上の特徴や出現する状況に違いが見られる。このことは,言語ごとに「自明な要素」が違う可能性や,何を言語化するかという言語化の仕組みが異なる可能性を示す。 本研究課題では,日韓両言語の言語データを,構文,談話,文体,ジャンル・メディア,さらに歴史的観点から対照分析することにより,「不完全な文」について総合的かつ体系的な説明を与え,両言語の言語化の仕組みを解明することを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
1.テーマごとの分析 名詞止め文と関連する倒置文のデータを収集し,日韓両語の異同を分析した。談話データから名詞止め文を収集・分析し,学会発表の準備をした[生越]。データの文字起こしおよび韓国現地での資料収集と従来のデータの分析を行った。「動名詞止め文」と「連体修飾名詞句の単独使用」の統語的性質及び談話機能をジャンル特性と関連付けた分析結果を学会発表と論文で報告した[尹]。構文の観点から日韓名詞的表現の様相を対照的に把握するための分析,具体的には,発話文が名詞のような形で文に組み込まれる現象を分析し発表した。多様な名詞修飾表現から両言語の異同を明らかにするためのデータ収集・分析を開始した[金]。日韓各メディア言語に現れる「不完全な文」について日韓の異同を明らかにしたほか,そうした日韓両語の特徴が各メディアに共通して現れるのか,メディアによって異なりがあるのかも分析考察し,その結果を論文投稿や講座発表として報告した[新井]。中世韓国語の活用語尾のうち「不完全な文」から発達したと思しき形式を抽出し検討を進めた結果,従来意味機能が不明確であった「-ye」という要素がまさに「省略」のマーカーであるという新たな着想を得るに至り,それが有力な新説となり得る事を検証した[河崎]。 2.データの収集 ドラマやアニメの吹替の台詞[尹],ドラマ・小説での台詞,談話データ[生越],現代語コーパス一般[金],SNSやWebを扱ったコーパス[新井],歴史コーパス等[河崎]から「不完全な文」のデータを収集した。 3.研究会開催および学会での成果発表 分担者による研究会を4回,外部の研究者を招いた研究会を1回開催し,テーマについて意見交換を行うとともに各自の進捗状況と研究方法について情報交換を行った。得られた研究成果は日本や韓国等の関連学会での研究発,学会誌等への論文投稿を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度である2021年度,2年目の2022年度ともにコロナ禍の影響で,現地調査がほとんどできなかった。そのため,データ収集が十分でなく,それに伴う分析も遅れている。現地調査がほとんどできなかったため,旅費を中心に予算の一部を繰り越した。一方,書籍や映像,コーパスを使ったデータ収集は計画通り進んでおり,そのデータを使った研究発表や論文投稿を行っている。研究者間の交流がオンラインに限定され,十分な意見交換ができなかったが,2023年3月に対面での研究会を初めて実施することができ,今後はより活発な意見交換ができると見込まれる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き,各自のテーマについての作業を行うとともに,これまでの研究成果をワークショップの形で日本と韓国の学会で発表し,他の研究者と意見交換を行う予定である。 1.テーマごとの分析 入手可能な会話データから「名詞止め文」を収集し,ドラマの台詞などから得られた分析結果と比較するとともに,使用される機能にも注目しつつ日韓で相違が生じる背景について考察を行う[生越]。日韓の様々なデータの収集を続けながら,「不完全な文」に該当する各表現が多様な環境で示す談話上の機能を従来の統語的観点からの知見に関連付けて考察する[尹] 。「不完全な文」の違いを生み出す構文的な特徴を探るべく,日韓の名詞止め文や名詞修飾などにおけるズレをコピュラ構造などによって説明することを試みる [金] 。韓国でSNSデータを追加収集し日韓対照する。これまでのメディアデータとも比較する中で,文字・表記にも焦点を当てた「不完全な文」の分析を行う[新井]。現代韓国語の文法要素の通時的形成過程についても「不完全な文」という切り口から接近し,いくつかの文法要素について新たな理解を深める事を試みる[河崎]。 2.データの収集 前年度と同様,各自が分担して,Netflixなどのコンテンツ,地上波の番組[尹],談話データ[生越],現代語コーパス一般[金],SNS [新井],歴史コーパス等[河崎]から,「不完全な文」のデータを収集する。 3.研究会開催および学会での成果発表 前年度と同様,年4回程度の分担者による研究会を行う。秋に韓国の学会で,さらに翌年春に日本の学会でそれぞれこのテーマに関するワークショップを行い,日韓の研究者達と意見交換を行う予定である。
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