Comprehensive evaluation of germinabilities of seeds of herbarium specimens based on multi storage facilities and exhaustive taxon sampling.
Project/Area Number |
21H00620
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 03070:Museology-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
志賀 隆 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (60435881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 拓朗 東北大学, 学術資源研究公開センター, 助教 (10827132)
首藤 光太郎 北海道大学, 総合博物館, 助教 (60803723)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
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Keywords | 博物館 / 植物標本 / 標本種子 / 発芽 / 遺伝的多様性 / 博物館標本 / 種子 / 発芽試験 / テトラゾリウム / テトラゾリウム染色 / スゲ属 |
Outline of Research at the Start |
博物館の標本庫には、膨大な数の植物標本が収蔵されている。この中には、失われてしまった種や集団の標本も残されており、標本から種子を収集し、発芽させることができれば、失われた種や集団を復元することが出来る可能性がある。本研究では、5以上の収蔵施設、150種以上の様々な分類群より標本種子を得て、発芽能力がある種、発芽可能な採集からの経過年数、最適な標本管理方法を明らかにする。また、標本種子の発芽集団に含まれる遺伝的多様性を明らかにする。更に、発芽した絶滅危惧種について系統保存、展示による普及教育活動を行うとともに、野生復帰を検討し、博物館標本を基にした新たな生物保全のフレームワークを構築する。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまで標本種子の発芽試験が行われてこなかった科について、発芽可能性を評価することを目的に、大阪市立自然史博物館の植物標本庫より、21科(アワブキ科、キンコウカ科、ケシ科、ツヅラフジ科、メギ科、ヤマグルマ科等)22種、合計100標本(2~6標本/種)の標本種子を得た。そして、これらの標本種子に対して、段階温度法(Washitani 1987)による発芽試験と、テトラゾリウム(TTC)染色試験による生存評価を行った。試験の結果、全ての標本種子において発芽およびに胚の呈色は確認されなかった。 また、系統的な影響を排除して種特性が標本種子の生存に与える影響を検討するために、生態的に多様化したスゲ属(カヤツリグサ科)を対象に発芽試験およびTTC染色試験を行った。まず、研究対象として異なる環境に生育する17種を選抜し(海浜2種、草地4種、林床7種、湿地5種;重複含む)、岡山理科大学と大阪市立自然史博物館の植物標本庫より133標本の標本種子を得た。得られた全ての標本種子に対してTTC染色試験による胚の生存評価を行った。また、これらのうち6種(マスクサ、アオスゲ、ジュズスゲ、アズマナルコ、タガネソウ、アゼスゲ)61標本については、段階温度法による発芽試験を行った。発芽・染色試験の結果、発芽は確認されなかったものの、16標本の標本種子において胚の呈色が確認された。しかし、胚の呈色率と生育環境、種子重量等の種特性の間に関係は認められなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
おおよそ目標として設定した数の分類群から標本種子を得て実験を行うことができたが、コロナウイルスの感染拡大のため、2021年度内に実施する予定であった調査が2022年4月以降にずれ込むこととなった。そのため、「やや遅れている」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究課題は、どの種が標本の種子から発芽させることが可能なのか(目的①)、どのような状態の標本ならば利用可能なのか(目的②)を明らかにし、復元された集団に含まれる遺伝的多様性を評価(目的③)、これらの結果を基に博物館標本から植物保全を行うフレームワークを構築すること(目的④)を目的としている。 2022年度以降、目的①については、これまで標本種子の発芽試験が行われてこなかった10~20科ついて、各種5標本について標本種子の発芽試験テトラゾリウム染色試験を行う。 次に目的②については、上記「目的①」で分類群横断的に発芽試験を進めると共に、大阪市立自然史博物館、北海道大学総合博物館、東北大学植物園の各標本庫から10~20種について複数の採集年代の標本種子を得て、詳細な発芽実験・染色試験を実施する。更に、最適な標本作製・管理方法を明らかにするために、上記の収蔵施設横断的な調査を行った種について、様々な標本作製処理を種子に施し、生存率を調査する。これらの候補種のうち13種(コガマ、イヌハギ等)については、申請者が2012~2013年にかけて8通りの標本作製処理(乾燥温度3条件×保存温度2条件×酸素2条件)を施して保存している。これらの種子に対して発芽・染色試験を優先的に行う。 目的③については、標本種子からの発芽実験に成功した中から1~2種(イヌハギ、ミクリ類を予定)を選抜し、標本が採集された野生集団と比較することにより、復元される集団の遺伝的多様性を評価する。 そして目的④については、選定した種について、標本種子から発芽した植物の栽培・系統保存作業を進めるとともに、関係する地域の植物園等に寄贈し、同様に系統保存作業を進める。また、研究代表者・分担者・協力者が所属する博物館や植物園において企画展等を開催することにより、研究成果を社会にフィードバックする。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)