ML based asset pricing model using alternative data
Project/Area Number |
21H00755
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 07080:Business administration-related
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
岡田 克彦 関西学院大学, 経営戦略研究科, 教授 (90411793)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 克樹 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 教授 (40303854)
月岡 靖智 関西学院大学, 商学部, 准教授 (50736709)
羽室 行信 関西学院大学, 経営戦略研究科, 准教授 (90268235)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
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Keywords | 行動ファイナンス / 機械学習 / CNN / 非財務情報 / 資産価格評価 / チャート分析 / 深層学習 / 畳込みニューラルネットワーク / 株価の予測可能性 / 効率的市場仮説 / 画像判断 / 説明可能AI |
Outline of Research at the Start |
理論的には、企業価値は当該企業が生み出す将来期待キャッシュ・フローをその不確実性を考慮して現在価値に引き直したものとして考えられている。しかし現実には、将来キャッシュ・フローの推定や、リスクの推定は、ヒトの予測が市場に反映されているため、様々な非財務情報や行動ファイナンス的要因(Behavioral Factors)に左右されることがわかっている。本研究では、非財務情報と既知のリスク要因を同時に学習させ、予測能力の高い説明可能な機械学習モデルを開発することで、既知のリスク要因と行動ファイナンス的要因がどのように時系列にからみあって株式市場を形成しているのかをあきらかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
資産価格評価モデルの研究においては、効率的市場仮説を背景に、企業価値(資本市場における株式価値)はファンダメンタル情報を反映しているとされてきた。しかし、現実の市場では、投資家が視覚情報に基づいて何らかのパターンを認識し、短期的な株価の上昇や下落を判断している可能性が指摘されている。それを実証するために、従来の研究では、テクニカル分析のシグナルに株価の予測可能性があるかを検証する取り組みが行われている。しかし、こうしたパターン認識に関する研究は、どのようにチャート形状の定義するかという問題がある。そこで本研究は、深層学習を用いることで、視覚情報を定量的に表現することを試みている。 具体的には、チャート画像を白黒のグレースケールで行列表記し、そのピクセル値が説明変数になるという深層学習モデルを構築した。この方法論については、Jiang et al.(Journal of Finance, 近刊予定)を踏襲した。深層学習の方法は、画像判断において優れた実績をあげている畳込みニューラルネットワーク(Covolution Neural Network)を用いた。この手法を導入することで、画像の特徴量をより正確に抽出することができることが一般に知られている。 日本の流動性の高い500銘柄について30年以上のデータで検証した結果から、画像情報には株価の将来的な予測可能性に関する情報が存在することが示された。本研究は、効率的市場仮説に基づく従来の理解を再評価する契機となり、視覚情報が投資家の意思決定に与える影響に関する新たな研究分野が開拓される可能性を示唆している。また、畳み込みニューラルネットワークを用いた深層学習手法がチャート形状の定義の難しさを克服し、従来のテクニカル分析に対する新たな評価方法として提案されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
進捗状況については、概ね計画通りに進んでいる。具体的には以下のような成果が得られている。 ①研究目的と背景の明確化が完了し、効率的市場仮説と従来のテクニカル分析に対する新たな視点を提案することができた。②畳み込みニューラルネットワークを用いた深層学習手法の適用と日本の株式市場での検証が無事に行われ、有望な結果が得られた。③これまでの研究成果について、学会報告したところ、学術的な意義が認められるとの評価を得ている。今後の研究展開に向けて前向きな状況にある。 今後の予定は以下の通りである。 ①研究過程で得られた知見をもとに、投資家の行動や心理的要因が株価に与える影響についてより深く理解することを目指す。この理解が進むことで、投資家が適切な意思決定を行う際の支援や、金融市場の安定に寄与することが期待される。②研究チームは、畳み込みニューラルネットワークの技術的進歩に注目しており、最新の研究動向や技術を取り入れることで、予測精度の向上や新たなアプリケーションの開発が可能となると考える。③深層学習の諸技術の進歩はめざましく、近年では生成型AIが依拠している大規模言語モデル(LLM)のファイナンスへの応用が可能な段階にきている。画像から得られた非財務情報の有効性が確認されたため、今後は言語から得られた非財務情報の有効性を検証する準備ができている状況だと判断する。 現在、国際会議や学術誌への投稿を検討しており、研究成果を国際的に発信することで、本研究の知見がさらなる研究や実践に役立つことを期待している。総合的に見て、研究は概ね計画通りに進んでおり、今後も適切な調整を行いながら、引き続き研究の進捗を重視し、さらなる成果を目指す。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度であるため、学会報告やこれまで明らかになった事柄に関する論文投稿の準備をしつつ、以下の作業をすすめる。 ①大規模言語モデル(LLM)の活用による、会社のテキスト情報からセンチメント情報を抽出する。これまでチャート画像の中に含まれている情報が株価の予測可能性を持つことを明らかにすることができた。今年度はテキスト情報に含まれているセンチメント情報が株価の予測可能性を持つかを検証する。 ②この目的のため、ChatGPTーAPIをつかって、会社四季報の「企業概況」欄と「業績概況」欄の文章のセンチメント分析を実施する。従来のセンチメント辞書をもちいた分析と異なり、大規模言語モデルの圧倒的学習量を背景に、正確なセンチメント分析の実現が期待できる。 ③センチメントの良し悪しとその後の当該企業のリターン推移から、センチメントの株価予測可能性を検証する。 ④四季報によるセンチメント解析は四半期毎に実施し、チャート画像は1週間毎に判断される。大規模言語モデルによるセンチメント解析とCNNによるチャート画像判断の組み合わせにおいて、より正確な将来情報が取り出せるかどうかを実験する。
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Report
(2 results)
Research Products
(40 results)
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[Book] ファイナンスデータ分析2022
Author(s)
岡田 克彦、羽室行信、高橋秀徳、村宮克彦
Total Pages
196
Publisher
朝倉書店
ISBN
9784254129144
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