Project/Area Number |
21H00959
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今水 寛 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (30395123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
弘光 健太郎 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 研究員 (00849193)
浅井 智久 株式会社国際電気通信基礎技術研究所, 脳情報通信総合研究所, 主任研究員 (50712014)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
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Keywords | 運動主体感 / 側頭ー頭頂接合部 / 下前頭溝 / 交流刺激 / 機能的結合 / 高精度脳刺激 / 側頭-頭頂接合部 / 予測誤差 / 機能的磁気共鳴画像法 / 機能的磁気共鳴画像(fMRI)法 / 階層プロセス / 脳刺激-脳活動同時計測 |
Outline of Research at the Start |
人間が身体を動かすとき「体を動かしているのは自分である」という運動主体感を得ことができる.運動主体感が形成される過程には,運動中に得られた感覚・運動情報を蓄積する低次プロセスと,最終的な主体感の認知的な判断を行う高次プロセスが存在することが指摘されている.また,脳活動計測では,運動主体感に関わる脳の領域が,頭頂部や前頭部などで報告されている.本研究は,頭頂下部(側頭-頭頂接合部)が低次プロセス,前頭部(下前頭溝付近)が,高次プロセスを担うという仮説を設定する.高精度で非侵襲な脳刺激法を用い,それぞれの脳部位に介入し,運動主体感のどちらのプロセスに影響を与えるかを調べて,仮説を検証する.
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Outline of Annual Research Achievements |
人間が身体を動かすとき「体を動かしているのは自分である」という感覚を得る.これは運動主体感と呼ばれる.運動主体感が形成される過程には,運動中に得られた感覚・運動情報を蓄積する低次プロセスと,最終的な主体感の認知的な判断を行う高次プロセスが存在することが,理論的な研究で指摘されている.また,脳活動計測では,運動主体感に関わる脳の領域が,頭頂部や前頭部などで報告されている.しかし,どの領域がどのプロセスを担っているのか,統一的な見解は得られていない.本研究では,自分たちの先行研究に基づき,頭頂下部(側頭-頭頂接合部)において,運動主体感に関連する感覚・運動情報の統合が行われ,前頭部(下前頭溝付近)で,運動主体感に関する最終的な判断がなされるという仮説を設定した.最新の高精度で非侵襲な脳刺激法を用い,それぞれの脳部位に介入し,運動主体感のどちらのプロセスに影響を与えるかを調べ,上記の仮説を検証する.これにより,運動主体感の形成過程の概要を明らかにする.本年度は,刺激が脳活動に与える影響を調べるため,被験者が安静にしているときに脳刺激を行い,同時に脳活動を機能的磁気共鳴画像法で計測した.脳刺激としては,昨年度までの成果に基づき,tACS(transcranial Alternating Current Stimulation)を用いた.前頭部のみ刺激,頭頂部のみ刺激,2つの領域を同時に刺激,など,さまざまな刺激条件を組み合わせることで,脳刺激が頭頂下部と前頭部の脳活動にどのような影響を与えるかを調査した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実施した刺激条件は以下の5条件であった:1)刺激なし,2)前頭部のみ刺激,3)頭頂部のみ刺激,4)前頭部と頭頂部に同期刺激,5)前頭部と頭頂部に反同期刺激.このうち,5)の反同期刺激において,前頭部と頭頂部の活動ピークのタイミングが大きくずれる現象が観察された.また,脳活動の振幅は,反同期刺激で最大になることが解った.このことから,前頭部と頭頂部が重要な役割を果たす主体感の生成プロセスに介入するためには,反同期刺激が有効であるとの結論に至った.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の結果に基づき,今後は反同期刺激を用いて,主体感の生成プロセスに介入,そのメカニズムを解明する方針を固めた.一方,前年度までの結果から,局所的な脳刺激であっても,広範な範囲で脳活動に影響が出ることが解っている.脳刺激が主体感に与える影響を行動実験で調べるだけでなく,脳刺激の効果が全脳にどのように広がるかを,今後は詳細に調べることも必要であるとの結論に至った.
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