Neural mechanisms underlying inequity aversion in non-human primates
Project/Area Number |
21H00966
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 10040:Experimental psychology-related
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
則武 厚 生理学研究所, システム脳科学研究領域, 助教 (80407684)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,890,000 (Direct Cost: ¥5,300,000、Indirect Cost: ¥1,590,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,060,000 (Direct Cost: ¥6,200,000、Indirect Cost: ¥1,860,000)
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Keywords | 不公平嫌悪 / サル / 島皮質 / 内側前頭前野 / 社会的情動 / 霊長類 |
Outline of Research at the Start |
我々は不公平を嫌う。この不公平嫌悪は、社会性の高い霊長類でみられる情動で、集団の維持に重要である。本研究では、申請者らが開発してきたサル2個体を同時に用いる実験体系を用い、不公平嫌悪に重要と考えられる内側前頭前野および島皮質から成る神経回路網をターゲットとして、複数脳部位の多点同時神経活動記録や化学遺伝学的手法による神経回路操作を行い、不公平嫌悪生成の脳内制御機構の解明を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、不公平課題遂行下における1)行動実験条件を新たに設け、行動結果の解析をおこなった。さらに、2)内側前頭前野と島皮質を同定し、これら領域の神経活動をサル2頭のうち1頭から記録開始した。また、3)並行して脈波の計測を開始した。実験課題は、2頭のサルが参加する報酬分配課題の一種で、内1頭 (提案者) がまず自己と他者の報酬配分が異なる選択肢の内一つを選び、その後、もう1頭 (応答者) がその選択に対して受諾か拒否の選択をおこなう。応答者が受諾すれば、提案者が選択した報酬が各サルに配分されたが、応答者が拒否すれば、どちらのサルも報酬は貰えなかった。提案者と応答者の役割は数試行で交代し、不公平な報酬分配の選択肢の回避をおこないあうという互恵性戦略が一つの適した戦略になるよう設定された。1)に関し、他者がいない単独条件を加えたところ、どちらのサルも自分の報酬取り分がほぼ最大になるような選択肢をとった。興味深いことに、単独条件で不公平課題をおこなった後、2頭で課題をおこなうと、自己の報酬がより多い選択肢を取る傾向となった。しかし、これは不公平な報酬分配として、応答者の拒否率が増加した。その後数回のセッションで、提案者は応答者にも報酬を分配する選択肢をとる傾向を取り戻した。このように、マカクザルにおいても2者の関係はダイナミックに変化し、自己中心的な報酬分配を抑制する手段を提供した場合には、それを有効活用し、自己中心的な報酬分配行動の頻度が減少し、平衡状態に陥ることが初めて示された。2)および3)に関しては、今後ターゲット領域からの同時記録セッション数を増やし、各領域の自己・他者の報酬情報処理機構や行動選択処理機構、提案の承諾・拒否時における情報処理機構、を同定する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
神経活動の多点同時記録システムを稼働し、サル2頭の内、1頭の内側前頭前野および島皮質の同定を終え、脈波等の生理学的指標も測定が可能となった。しかし、現在実験動物の健康上の理由から、神経活動データの収集およびその解析について当初の予定から、やや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在実験動物の健康上の理由から神経活動記録が多くは為されていないため、次年度中に内側前頭前野および島皮質からの同時記録セッション数を増やし、各領域の自己・他者の報酬情報処理や行動選択処理や提案に対する応答者の承諾・拒否時に関わる情報処理、およびその神経情報の流れを同定する。また、2頭目の内側前頭前野および島皮質から複数領域神経活動の同時記録を開始する。可能であれば、2頭同時に、これらの複数領域神経活動記録に挑戦する。加えて、選択行動やビデオ解析による行動指標の定量化だけではなく、できる限り顔温度や不公平嫌悪表情、脈波以外の生理指標の測定を進める。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)