クライオ電顕画像から蛋白質の動的構造を描写するための新規計算科学手法の確立と応用
Project/Area Number |
21H01050
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 13040:Biophysics, chemical physics and soft matter physics-related
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
中迫 雅由 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (30227764)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,940,000 (Direct Cost: ¥13,800,000、Indirect Cost: ¥4,140,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2021: ¥12,870,000 (Direct Cost: ¥9,900,000、Indirect Cost: ¥2,970,000)
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Keywords | クライオ電子顕微鏡 / 蛋白質水和構造 / 機械学習 / ニューラルネットワーク / X線回折イメージング / 画像分類 / 像回復 / 蛋白質の動的構造 / 計算科学 / 蛋白質運動の自由エネルギー地形 / X線構造解析 / X線回折・散乱 / 自由エネルギー地形 / 分子動力学計算 / 光受容蛋白質フィトクロムB / 光受容蛋白質フォトトロピン2 / X線構造解析 |
Outline of Research at the Start |
現在のクライオ電子顕微鏡による構造解析では、得られる静電ポテンシャル図から蛋白質ダイナミクスに関する情報を十分に引き出せているわけではない。また、蛋白質の機能や運動に深くかかわる水和構造を可視化することも困難である。本申請では、クライオ電子顕微鏡構造解析に基づいた、蛋白質の立体構造と機能の物理化学的理解に資するべく、独自に考案した計算科学的手法により、生のTEM像に基づいた立体構造変化経路と自由エネルギーなどを描くための解析基盤や、機械学習水和構造予測法を構築・実用化し、酵素蛋白質や光受容蛋白質の運動解析に適用して、その有効性を示す。
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Outline of Annual Research Achievements |
[グルタミン酸脱水素酵素(GDH)-補酵素]複合体の構造解析論文を複数回の査読を経て学術誌に掲載し、表紙に採用された。 [GDH-補酵素-基質]複合体のクライオ電子顕微鏡画像について構造解析を進めた。その結果、反応初期段階で四つ、定常状態で七つの準安定構造を同定し、酵素に結合した補酵素や基質・生成物の立体構造モデルも構築した。これらから、反応サイクルを立体構造に基づいて描き出した。また、準安定構造を得る画像分類では、試行回数を増やし、試行毎あるいは試行間で得られる画像間相関係数を検討し、高雑音かつ低コントラスト画像の分類を検定する新手法を考案した。これら結果は、X線小角散乱実験結果も含め、Sci. Rep.誌に投稿し、査読コメントに対する改訂後に再投稿した。 [GDH点変異体-補酵素-基質複合体]のクライオ電顕観察、X線結晶構造およびX線小角散乱について解析を進めた。定常状態で、四つの準安定構造を同定したが、野生型と異なり、反応に不可欠な機能ドメイン最接近構造が過少であった。立体構造の比較から、点変異導入残基近傍での残基間相互作用に変調が生じ、点変異体での最接近構造形成を抑制していることを見出した。これについては、5月投稿予定である。 構築してきた三次元コンボリューション・フィルターを用いる水和構造予測ニューラルネットワーク(NN)について、水和水分子位置の予測精度を向上するべく、極性原子の電子状態で水和構造を分割した学習法を考案するとともに、ネガティブデータ学習対象を再検討した。さらに、このNNと経験的水和分布関数による二つの予測法を融合し、これまで困難であった膜蛋白質の水和構造予測法が完成した。二つの成果は、7月投稿予定である。 電顕画像解析における画像分類に関連し、X線回折イメージングで開発した構造解析達成指標の原理的重要性と応用に関し、三報の論文を学術誌に掲載した。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(35 results)