宇宙大規模構造からひも解くCDMパラダイムを超えたダークマター
Project/Area Number |
21H01079
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 15010:Theoretical studies related to particle-, nuclear-, cosmic ray and astro-physics
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉川 耕司 筑波大学, 計算科学研究センター, 准教授 (70451672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 直紀 東京大学, カブリ数物連携宇宙研究機構, 特任教授 (90377961)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥14,950,000 (Direct Cost: ¥11,500,000、Indirect Cost: ¥3,450,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2021: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | ダークマター / 宇宙大規模構造 / Vlasovシミュレーション |
Outline of Research at the Start |
宇宙大規模構造形成において長く標準的なダークマターとされていたコールドダークマター(CDM)モデルに代わるダークマターモデルの必要性が様々な観測結果によって示唆されている。本研究ではそのようなダークマターモデルのうち、ウォームダークマターモデルとself-interacting ダークマターモデルについて、従来のN体シミュレーションではなくショットノイズの影響を受けないブラソフシミュレーションやボルツマンシミュレーションを用いて宇宙大規模構造形成の数値シミュレーションを行うことによって、ダークマターモデルに対する制限を精度よく行うことを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度には、ダークマター同士の衝突・散乱過程を分布関数レベルで求める衝突項の数値計算をGPUを用いて高速化するためのコードの開発・実装をNVIDIA社製のGPUを対象にして行った。近年開発された衝突項の計算手法に含まれる高い計算並列性をうまく利用することで、これまでに行われていたGPUによる実装よりも100倍以上の高速化を達成することに成功した。また、NVIDIA社の開発環境で提供されている高速な離散フーリエ変換の計算パッケージ、NVIDIA社製のGPUでサポートされている16ビット浮動小数点演算、更には衝突・散乱過程における力学的な対称性を利用して演算量を減らすことで更なる高速化を達成することが出来た。 これによって、これまで実現できていなかったダークマター同士の衝突・散乱過程を考慮したダークマターハローや宇宙大規模構造形成の数値シミュレーションを、従来のN体シミュレーションではなくショットノイズの無い分布関数レベルで行うBoltzmannシミュレーションの手法を用いて実施するための目途をつけることが出来た。 また、warm dark matter モデルを仮定したダークマターハローと宇宙大規模構造形成のVlasovシミュレーションに関しては、warm dark matter の質量や空間分解能を変えた複数のモデルをスーパーコンピュータ富岳を用いたプロダクションランを順調に実施中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ダークマターの衝突・散乱の効果を取り入れたダークマターハローと宇宙大規模構造形成のBoltzmannシミュレーションに関しては衝突項計算のGPUを用いた大幅な高速化を達成したことで、2023年度中に世界で初めて衝突項の影響を取り入れたダークマターのBoltzmannシミュレーションを実現できることがほぼ確実であるためほぼ予定通りに研究が進捗していると言える。 また、warm dark matter のVlasovシミュレーションについても富岳を用いた数値シミュレーションを行っている最中であり、こちらも予定通りの進捗状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
衝突・散乱効果を取り入れたダークマターの数値シミュレーションに関しては2023年度中にGPUを備えたスーパーコンピュータである筑波大学計算科学研究センターのCygnus及びPegasusシステムにおいて、世界で初めてのBoltzmannシミュレーションを実施する。その後、より大規模なスーパーコンピュータシステムを用いて宇宙大規模構造形成の数値シミュレーションを実施する予定である。 また、warm dark matter のVlasovシミュレーションについては、2023年度と2024年度に亘って数値シミュレーションで得られたシミュレーションデータの解析作業を行い、現在得られる観測結果もしくは近い将来の観測計画において、ダークマターハローや宇宙大規模構造にcold dark matterモデルを仮定した場合とどのような観測可能な違いが現れるかを調査する。
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Report
(2 results)
Research Products
(10 results)