Project/Area Number |
21H01147
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 17010:Space and planetary sciences-related
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Research Institution | Nagoya City University (2023) Nagoya University (2021-2022) |
Principal Investigator |
能勢 正仁 名古屋市立大学, データサイエンス学部, 教授 (90333559)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松岡 彩子 京都大学, 理学研究科, 教授 (80270437)
熊本 篤志 東北大学, 理学研究科, 准教授 (00302076)
淺村 和史 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (50321568)
寺本 万里子 九州工業大学, 大学院工学研究院, 准教授 (10614331)
山本 和弘 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 特別研究員 (30888730)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥10,530,000 (Direct Cost: ¥8,100,000、Indirect Cost: ¥2,430,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
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Keywords | ジオスペース / 酸素イオントーラス / 電離層イオン流出 / サブストーム / 磁場双極子化 / 電離圏イオン流出 |
Outline of Research at the Start |
地球周辺の宇宙空間(ジオスペース)は真空ではなく、プラズマ(正の電荷を帯びた粒子であるイオンと負の電荷を帯びた粒子である電子の混合物)に満ちている。ジオスペースにおけるプラズマは、時として、酸素イオンの密度が急激に増加し、イオン組成が大きく変わることがある。プラズマのイオン組成は、その場所で生起する数多くの電磁気現象の性質を支配するパラメターであるため、その変化原因や変化領域を明らかにすることが極めて重要である。そこで、この研究では、「低エネルギー酸素イオンが、どのように電離層からジオスペースへ輸送され、どのように分布しているのか」について明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに、(1)あらせ衛星が夜間を飛翔している14か月分のデータを統計解析し、低エネルギーのO+イオンは、磁場双極子化の数分後に現れること、数keVから数10 eV程度までのエネルギー分散性を持つこと、磁気嵐時・非磁気嵐時のどちらにも現れること、磁力線に沿って地球から磁気赤道に向かって流れ出していること、などを明らかにした上、(2)あらせ衛星、Van Allen Probe A, B衛星の合計3機の粒子データを解析し、電離層からジオスペースへ流れ出してくるO+イオンの同時観測例について詳細な解析、および計算機シミュレーションを行った。これらの成果を、国際学術雑誌に2編の論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
人工衛星データの解析、およびその結果を解釈するための計算機シミュレーションを行い、現在までに、国際学術誌であるJournal of Geophysical Researchに2編の主著論文を発表した。また、関連した研究内容について、1編の主著論文と13編の共著論文を発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでに得られた成果に基づき、今後は、特に、内部磁気圏内での低エネルギーO+イオンの空間分布やその時間発展について調査する。具体的には、次のような解析を行う予定である。 *** データ解析 *** あらせ衛星の低エネルギーイオン計測器(LEPi)が計測したデータを解析し、数10~数100 eV程度のO+イオンが現れているイベントを選び出してくる。イベントが観測されたL値、地方時、継続時間、磁気嵐に対する依存性、プラズマ圏界面との相対距離などを統計的に調査することで、イベントの性質の全体像を明らかにする。昨年度までの計算機シミュレーションから、低エネルギーイオンは東向きにドリフトしていく傾向が見られたので、こうしたことが実際に衛星データからも確認できるのかを検証する。 *** 計算機シミュレーション *** Tsyganenkoモデルを用いて、計算機上にジオスペースの磁場構造を再現する。対流電場については、衛星データに基づいて構築されたジオスペース対流電場モデル[Matsui et al., 2013]などを用いる。これらの磁場・電場モデルの中で、低エネルギーO+イオンの軌道計算を行い、電離層から流出してきたO+イオンがジオスペース中でどのあたりに長時間滞留するかを調べ、衛星観測結果と比較する。
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