Characterization of mechanical properties based on interaction of plastic strain field in neighboring indentation test
Project/Area Number |
21H01220
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 18010:Mechanics of materials and materials-related
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
渡邊 育夢 国立研究開発法人物質・材料研究機構, マテリアル基盤研究センター, 主幹研究員 (20535992)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥10,270,000 (Direct Cost: ¥7,900,000、Indirect Cost: ¥2,370,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,600,000 (Direct Cost: ¥2,000,000、Indirect Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
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Keywords | 押し込み試験 / 金属塑性 / 非線形有限要素法 / 結晶塑性 / 数値シミュレーション / 逆解析 / 結晶塑性構成モデル / 非線形有限要素解析 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,近接領域への押し込み試験による塑性ひずみ場の干渉作用を数値シミュレーションと連携して抽出することで,試料の力学特性を評価する簡易手法を開発する。さらに,結晶塑性構成モデルを組み合わせることで,金属結晶体の異方力学特性の評価へ拡張する。また,開発手法の特性を利用して,結晶粒界の界面特性の評価に応用展開し,結晶粒界の強化機構を議論できる新しい評価手法を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
押し込み試験を用いた新しい力学特性の評価手法を開発している.特に,本研究では,これまで押し込み試験において避けられてきた近接して押し込み試験を行うことで生じる先行試験と後続試験の塑性ひずみ場の干渉作用を数値シミュレーションと数理最適化法を用いることで処理し,塑性特性を抽出する新しい手法を開発している.本年度は構成モデルの拡張と結晶学的な異方性を考慮した結晶塑性構成モデルへの拡張に取り組んだ. ①構成モデルの拡張 押し込み試験から塑性構成モデルの材料定数を逆推定する場合,押し込み荷重―変位関係からだけでは2つの材料定数を含む単純な構成モデルを設定したとしても唯一解を得ることができない.そこで,研究代表者は圧痕周囲の盛り上がりや本研究で開発した近接押し込み試験を用いた推定手法を開発してきた.しかし,この構成モデルでは鉄鋼などの加工硬化率の高い金属材料への適用性が低いため,本年度は新たな実験データの追加なしに,構成モデルの表現性能を改善する手法開発に取り組んだ.2つの材料定数からなる線形硬化則とべき乗硬化則の逆推定における上・下界性を利用して,中間的な応答を得ることができる新たな手法を開発した.この成果を論文出版したところ,Editor's Choiceに選定された. ②結晶構成モデルへの拡張 昨年度,先行して進めた結晶塑性構成モデルの動的有限要素解析ソフトウェアへの実装を基に,押し込み試験へ適用し,実験結果と比較を進めた.純アルミニウムおよび7000系アルミニウム合金を対象として押し込み試験を実施し,数値シミュレーションと比較した.数値シミュレーションにおいてある程度,異方的な変形挙動を再現できることを確認した.また,純アルミニウムについては近接押し込み試験を実施し,次年度本格実施に向けた実験条件の検討を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初計画では本年度において結晶塑性構成モデルを動的有限要素解析ソフトウェアへ実装する予定であったが,昨年度中に先行して実施できたため,本年度では構成モデルの表現性能を改善するための拡張に取り組むことができた.開発手法では,新たな実験データを追加することなく,既存の構成モデルに対して新たな項を追加できる.この拡張は本研究で開発を進めている近接押し込み試験を用いた評価手法を実用展開する上で極めて重要であり,鉄鋼材料やニッケル基超合金などへ適用可能となった. また,実験に関しては最終年度に実施予定であった結晶粒界を挟んだ近接押し込み試験および透過型電子顕微鏡による転位観察を純アルミニウムに対して先行して実施した.この試行実験は適切な実験条件を検討するために重要であり,本年度で得られた知見を基に最終年度である次年度において本格的に実験および数値シミュレーションとの連携を推進することができる.実験のための試料についてもいくつかのアルミニウム合金およびオーステナイト系ステンレス鋼を候補として調達し,参照のための引張試験の実施準備を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究は特に計算手法について先行して開発を進めることができている.最終年度は当初予定していたアルミニウム合金だけでなくオーステナイト系ステンレス鋼についても実験を実施し,数値シミュレーションと連携することで有用な微小力学特性を抽出できることを実証する.特に最終年度は,結晶粒界を挟んだ近接押し込み試験を実施し,その透過型電子顕微鏡による転位状態の観察を実施するため,実験について多大なエフォートを要する予定である.本研究費を用いて研究業務員を雇用して対応する. これまで対象としてきたマクロスケールと異なり,求められる実験難度が高まるとともに,先進的な評価設備が必要となる.これまで活用してきた押し込み試験装置に実装されている走査型プローブ顕微鏡だけでなく,より精緻に表面情報を評価できる原子間力顕微鏡や局所応力状態を評価できるラマン顕微鏡なども,数値シミュレーションとの連携に活用することを検討する. また,これまで得られている成果についても学術雑誌および学術講演会で発表する.次年度は国際会議における招待講演を3件予定している.
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)