Project/Area Number |
21H01404
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 22010:Civil engineering material, execution and construction management-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
酒井 雄也 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (40624531)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2021: ¥11,570,000 (Direct Cost: ¥8,900,000、Indirect Cost: ¥2,670,000)
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Keywords | コンクリート / 空隙構造 / 耐久性 / 劣化 / 検査 / 水銀圧入法 / 逆解析 / 物質移動 |
Outline of Research at the Start |
コンクリートは多孔質材料であり、空隙を経路として水や塩分などが内部に侵入することで鉄筋腐食などの劣化が生じるため、これら劣化因子の侵入挙動の予測、評価は重要である。 本研究ではまず、コンクリート中の正確な空隙情報を取得する方法の開発と、その結果に基づく劣化因子の移動解析システムの開発を目的とする。方法としては、MIPで得られた結果を逆解析することで、測定原理上得られなかった情報を取得し、移動解析システムと連成することで実現する。以上のシステムを活用して、劣化因子の侵入が停滞する機構の解明と、実構造物の品質評価手法の開発に応用する。
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Outline of Annual Research Achievements |
MIP(水銀圧入法)を用いてコンクリートの正確な空隙情報を取得する方法として,逆解析によりインクボトル効果の影響を排除する手法(IA-MIP)を開発した. IA-MIPの圧入シミュレーションには3次元の空隙格子を使用した.総空隙率に応じた空隙の連結確率の変化を再現するために,格子中の空隙要素率がMIPで測定された総空隙率に等しくなるように設定して空隙格子を作成した. IA-MIPの中で,粗大な圧力換算直径から解析していく各圧力換算直径のステップでは,空隙格子上にランダムにBottle neck空隙を配置しながら,圧入曲線を再現するようなBottle neck空隙の配置を決定する.圧入面上でBottle neck空隙の配置を決定した後,Ink bottle空隙モデルにより計算される量のInk bottle空隙を水銀未到達の空隙要素に配置する.Ink bottle空隙量を推定するモデルとして,ある空隙径のBottle neck空隙量とInk bottle空隙量の比が,該当する圧力換算直径において圧入面上にあった空隙量と水銀が未到達の空隙量の比に等しくなるというモデルを採用した. IA-MIPでは,空隙要素数が少ないほど,推定されるAPSDのばらつきが大きくなる傾向がある.空隙要素数10725としてIA-MIPを10回実施して算出したAPSD-IAMIPの平均値を真値とした時,空隙要素数が726以上の時,APSD-IAMIPの2σ範囲が,真値±10%×総空隙量の範囲に収まることを確認した. APSD-IAMIPとの一致要件を満たすと判断したWMIP-SEM, FIB-SEMによるAPSD-RefとAPSD-IAMIPを比較したところ,両者は共通する空隙範囲においてよく一致した.この結果は,IA-MIPにおけるインクボトル空隙量のモデルや解析プロセスの妥当性を支持するものと考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に目標としていた、空隙構造の逆解析手法の開発を達成したため。
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Strategy for Future Research Activity |
今回開発された逆推定で得られた正確な空隙構造を用いて、コンクリート中の物質移動をシミュレーション可能な解析プラットフォームを開発する。 申請者がこれまで開発してきた、気体や液体、イオン浸透に関する解析プラットフォームにおいて、MIPの結果の代わりに、前項目で得られた正確な空隙情報を組み込んだ3次元シミュレーションを実施する。これにより、インプットしたMIPの結果を逆解析処理して、複雑な空隙構造を考慮しつつ、気体や液体、イオン浸透の評価が可能なシステムを実現する。イオンの移動については濃度拡散と移流を考慮するが、数十nm以下の空隙においては空隙壁面の表面電位の影響が無視できなくなるため、その影響をあらかじめ考慮して解析する。本解析システムを用いて理論に基づいた水分や塩分浸透の計算を行い、実験値と比較することで妥当性を検証する。
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