Factor Analysis of Traditional Wooden Buildings that Survived Major Historical Earthquakes in Kyoto
Project/Area Number |
21H01475
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23010:Building structures and materials-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉野 未奈 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80758368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 康裕 舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (70324704)
鶴岡 典慶 京都女子大学, 家政学部, 教授 (80883628)
壇 一男 熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (90393561)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
Fiscal Year 2022: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2021: ¥9,360,000 (Direct Cost: ¥7,200,000、Indirect Cost: ¥2,160,000)
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Keywords | 伝統木造建物 / 歴史地震 / 固有振動数 / 地震動予測 / 応答解析 |
Outline of Research at the Start |
京都に多数現存する伝統木造建物の耐震性能をより正確に理解するために、京都の歴史地震で倒壊を免れた伝統木造建物の要因を解明する。本研究では調査・実験・解析より、地震環境・建物の耐震性能の双方を把握することで歴史地震の検証に挑戦する。 研究期間は3年間であり、1年目は、代表的な歴史地震を対象として、地震被害に関する情報をデータベース化する。2年目は、歴史地震の予測地震動を作成するとともに建物群の応答解析を実施することにより、歴史地震に対する建物群の被害を俯瞰的に把握する。3年目は、前年度に把握した建物群の被害から、倒壊・非倒壊と判定された建物に着目して実験・解析を実施して非倒壊要因を解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2年目は、以下の1)、2)に示すように、京都市内の地震動増幅特性の評価を行うとともに、歴史地震時に存在していた寺社仏閣や町家の振動特性について検討した。 1) 地震動増幅特性の評価:1年目は東福寺境内およびその周辺での地盤の常時微動計測を実施したが、2年目は1596年慶長伏見地震当時に下京・上京の町並みが存在していた地域においても広範囲の地盤の常時微動計測を実施し、パルス性地震動に対する増幅特性を評価した。また、上京・下京の中間に位置する二条城においても高密度の地盤の常時微動計測を実施した。更に、1年目に実施した地盤の常時微動計測結果や既往の第3次京都市地震被害想定で用いられている地盤のせん断波速度構造に基づいて、東寺・東福寺付近を通る東西断面の地盤を2 次元FEM でモデル化し解析を行った。その結果、東寺と比べて東福寺では、京都盆地東縁部の地下構造に起因してパルス性地震動の増幅特性に差が見られたことが、東福寺の建物が倒壊被害を被ってこなかった一因と考えられることを確認した。 2) 建物の振動特性評価:1年目は東福寺内の構造物を対象とした常時微動計測を実施したが、2年目は二条城の構造物を対象とした常時微動計測を実施した。また、室内に入ることができない建物や加速度計を設置できない構造物に対しても固有振動数を把握することができる、レーザードップラー振動計を用いた非接触振動計測法を構築した。一方、1年目の文献調査結果に基づいて、2年目は歴史地震時に存在していたであろう町家を固有振動数と地震時の剛性低下を表す動的変形特性を用いてモデル化した。応答スペクトル法によって、パルス性地震動に対するそれらの町家の最大応答変形角を評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度が研究の2年目であるが、1) 地震動増幅特性の評価、2) 建物の振動特性評価について検討を深めることができた。 特に、地盤の常時微動計測を京都市内の広範囲で実施することができ、その結果に基づいて地盤構造をモデル化し、パルス性地震動に対する地震動増幅特性を検討することができた。得られた結果は、京都市域においても地点によって地震動増幅特性が異なることで、建物に入力される地震動の特徴が異なっていた可能性を示唆するもので、本研究テーマである京都の歴史的大地震でも倒壊を免れた伝統木造建物の要因分析に関わる重要な進捗である。 また本年度は、1年目に購入したレーザードップラー振動計を用いた非接触振動計測法を構築することができた。今後、室内に入ることができない、加速度計を設置することができない構造物においても、レーザードップラー振動計を用いて容易に振動特性を評価することが可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
3年目は、前年度までに把握した建物の被害から、倒壊・非倒壊と判定された建物に着目して追加調査および静的加力実験と応答解析を実施することにより非倒壊要因を解明する。 1) 追加調査:1596年慶長伏見地震において、倒壊・非倒壊の建物が混在していたことが確認されている境内の建物について追加調査を行い、建物の構造要素の配置や変遷を把握するとともに、振動計測を実施して振動特性を把握する。 2) 静的加力実験:歴史地震が生じた時代より実存している伝統木造建物の門をモデルとした静的加力実験を実施する。修理報告書の図面・修理履歴をもとに、建物の構造要素を抽出して縮小試験体を設計し、製作を依頼する。実験では、試験体の復元力特性・損傷状態を把握するとともに、門の構造種別のなかでも歴史地震で倒壊・非倒壊が分かれた理由の検討を行う。 3) 解析的検証:2)で選定した建物の3次元骨組解析モデルを立体フレームの弾塑性解析ソフトウェアを用いて構築し、シミュレーション解析を実施する。まずは、実験結果を追跡できているか確認をして、必要に応じてモデルの修正を行う。次に、実験では追うことができない建物の応力状態を解析結果により明らかにし、非倒壊の理由に迫る。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)