Study on environmental control for the conservation and exhibitions of wall paintings in cultural properties
Project/Area Number |
21H01491
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23020:Architectural environment and building equipment-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小椋 大輔 京都大学, 工学研究科, 教授 (60283868)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊庭 千恵美 京都大学, 工学研究科, 准教授 (10462342)
貴田 啓子 東京藝術大学, 大学院美術研究科, 准教授 (20634918)
高林 弘実 京都市立芸術大学, 美術学部/美術研究科, 准教授 (70443900)
高取 伸光 京都大学, 工学研究科, 助教 (70880459)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥16,510,000 (Direct Cost: ¥12,700,000、Indirect Cost: ¥3,810,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
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Keywords | 障壁画 / 文化財保存 / 変形解析 / 紙の劣化 / 変褪色 / 曝露試験 / 温湿度 / シミュレーション / 実測調査 / 顔料 / 暴露試験 / 実験室実験 |
Outline of Research at the Start |
文化財建造物の内部環境は、博物館の収蔵庫環境の様に一定環境ではなく、温湿度や日照等の変動は大きく、例えば襖として使用されている障壁画は、隣り合う空間の環境の影響をそれぞれ受ける。本研究は、文化財建造物内部で保存・公開されている障壁画の物理的劣化、化学的劣化の環境条件を明らかにすることと、建造物内部の障壁画の温湿度や照度などの環境予測に基づき、適切な保存公開のための環境調整を評価するための手法を開発することを目的とする。 ここでは、今後公開が予定されている元離宮二条城本丸御殿を対象に、上記の課題について調査研究を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究対象は、今後公開が予定されている元離宮二条城本丸御殿であり、以下の研究成果を得た。 1. 障壁画の設置環境と劣化度合いの関係から劣化要因の解明することを目的として、破壊分析が可能な資料である二条城本丸御常御殿から修理の際に取り外された唐紙を対象として劣化の評価を定量的に行った。御茶所室内は廊下と比較してカビが発育していることを明らかにした。廊下では、襖の方が板戸よりカビが発育していることを明らかにした。2.二条城御常御殿・二の間の障壁画の解体修理時に除去された旧下貼紙の一部を分析し、紙のpH、明度、セルロース分子量測定の結果、障壁画本紙のヤケと下貼紙の劣化は相関があるとし、本紙の劣化を間接的に評価できる可能性を示した。また、多重の下貼紙は、下地骨に近い層で劣化が進行していた。一方、二条城本丸御殿御書院に設置の旧唐紙の変色評価から、設置時の廊下側では室内側より変色が大きいこと、面内でも端が変色しやすい傾向を明らかにした。3. 襖の反りおよび紙の亀裂メカニズムを解明することを目的とし、二室型環境試験室を用いた実験を行なった。襖や紙の変形は襖の構造に起因するものであること、新品の襖では乾湿の繰り返しによる紙の残留ひずみはほとんど見られないことを明らかにした。4. 二条城本丸御殿内の温湿度環境の形成メカニズム把握のため、御殿内における温湿度環境の計測を行った。御殿内では居室間でやや温度や絶対湿度の差が存在すること、居室や天井裏は換気量に比べ建物からの吸放湿量が十分に多く、温湿度の変動が外気とは異なることを示した。5. 二条城本丸御殿御書院春の間に貼り付けられる障壁画の本紙の亀裂発生リスクを評価することを目的とし、春の間の界壁を対象とした3 次元の熱水分同時移動解析を行った。結果として、界壁の廊下側表面に断熱材を付加することで、本紙の亀裂発生リスクを低減出来うることを示した。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(25 results)