Historical Research on the Settlement and Public Housing of Modern Japan referring to the Movement in the UK and USA
Project/Area Number |
21H01521
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 23040:Architectural history and design-related
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Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
須崎 文代 神奈川大学, 建築学部, 准教授 (20735071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 和幸 近畿大学工業高等専門学校, 総合システム工学科 都市環境コース, 准教授 (50805520)
印牧 岳彦 神奈川大学, 建築学部, 助教 (00962888)
泉水 英計 神奈川大学, 経営学部, 教授 (20409973)
姜 明采 神奈川大学, 建築学部, 助教 (30966693)
内田 青蔵 神奈川大学, 建築学部, 教授 (30277686)
水野 僚子 日本大学, 生産工学部, 研究員 (80736744)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥10,140,000 (Direct Cost: ¥7,800,000、Indirect Cost: ¥2,340,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
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Keywords | セツルメントハウス / 社会改良 / 共同住宅 / スラムクリアランス / 相互扶助 / トインビー・ホール Toynbee Hall / イライジャ・フール Elijah Hoole / C・R・アシュビー C R Ashbee / 産業セツルメント / 乳児院 / 仏教セツルメント / 同潤会善隣館 / 社会局 / 生活共同化 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、近代の英米日においてスラムクリアランスを含む社会改良の一環として実践されたセツルメントハウスの建設動向とその背景となった思想や住宅改良の考え方について明らかにすることを目的とする。それらは居住環境の改善や共同住宅形態の基礎形成に影響したと考えられ、住宅史に新たな知見を呈することを目指すものである。そのため本研究ではイギリス・アメリカにおけるセツルメントハウスの建築遺構および文献調査と、国内におけるセツルメントハウス(「隣保館」・「善隣館」を含む)および関連する公営住宅供給の展開について現存遺構の確認と文献調査から分析を行い、建築的特徴や生活共同化の動向について調査研究を実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近代における居住環境の改善や共同住宅形態の基礎形成に影響したと考えられるセツルメントハウスの建設動向とその背景となった思想や住宅改良の考え方について明らかにすることを目的とするものである。 本年度は、主に戦前期の国内外におけるセツルメントハウスの建設動向や建築遺構の残存状況など基礎データの収集を進めるとともに、主に次の3つについて具体的な調査研究を実施した。 1)国外事例の調査研究として、セツルメント運動の嚆矢となった「トインビー・ホール」およびイギリスに残存する主要なセツルメントハウスに関する現地調査を行った。この調査はセツルメントハウスの動向を検討する上で最も重要な核となるものである。具体的には、「トインビー・ホール」の保存状態および活用状況に関する現地視察と基本的な寸法把握のための実測調査、ロンドン・メトロポリタン・ミュージアムLMAでのアーカイブ資料調査、ロンドン内に現存するセツルメントハウスの現況確認を行った。 2)1)をふまえ、当時のセツルメントハウス建設および住宅改良に関わった建築家としてイライジャ・フール Elijah Hooleとチャールズ・ロバート・アシュビー C.R. Ashbeeに注目し、現存建築遺構の視察および文献調査を進めた。 3)国内事例としては、①新潟(小千谷)における仏教系セツルメントに関する調査(住職・麻田照道関連)、②千葉(野田・銚子)における産業系セツルメントに関する現地調査、③福井における乳児院等の開設に関する現地調査、④岡山におけるセツルメントおよび社会改良運動に関する調査、⑤神奈川(横浜)における社会施設の建設動向に関する調査、⑥トインビー・ホールをはじめとするセツルメント運動の国内受容に関する調査の計6点について資料収集および分析を進めている。 なお、以上の調査研究に関しては、日本建築学会および関連機関等で報告を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究が開始された2021年度のコロナ禍における活動自粛の影響から、2021年度に計画していた研究内容を2022年度に実施することとなった。それに伴い、当初2022年度の研究として予定していた内容も並行して進めてはいるものの、現実的には遅れている状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の通り、コロナ禍の感染拡大防止に関する活動自粛と関連する業務増大を理由として、本課題申請時の研究計画よりも進捗の遅れは明白である。 しかしながら一方では、2022年度に実施した現地調査によって新たな発見や知見といった予期せぬ良い成果も得られた。とりわけ、イギリスで住宅改良をけん引したオクタヴィア・ヒルやジョン・ラスキンらと、セツルメントハウスを設計した建築家イライジャ・フール、ロバート・アシュビーとの関係性については、さらに調査分析を進める意義があることが確認された。 国内事例の検証においても、横浜における社会施設の建設動向や岡山における社会改良事業の推進は極めて意義深いものであり、東京、大阪といった他の都市においても同様に調査を進める意義を有していることを確認した。 こうした状況をふまえ、次年度はいくつかの条件を整理し、研究計画を再調整して推進する必要がある。トインビー・ホールと同様に、世界のセツルメントハウスの先駆となったアメリカのハル・ハウス等の現地調査は必須であるが、他の多くの事例について次年度内に調査研究を実施するのは難しい状況だと判断される。 総じて、本研究は近代における住宅改良および住宅建設に大きな影響を及ぼしたセツルメントという社会運動とその建築に関する動向に関する研究の萌芽と考えられ、当該分野の基礎的研究として位置づけられるものである。そのため、今後の研究展開を見越して、総合的かつ具体的な基礎情報の整理・分析を行うことを主旨とし、再調整を行うこととする。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)