超臨界圧燃焼流れ場の高度デジタル予測に資する詳細反応機構-燃焼LES技術の開発
Project/Area Number |
21H01522
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 24010:Aerospace engineering-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
寺島 洋史 (石原洋史) 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (20415235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 宗司 東北大学, 工学研究科, 教授 (40608816)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥16,770,000 (Direct Cost: ¥12,900,000、Indirect Cost: ¥3,870,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,200,000 (Direct Cost: ¥4,000,000、Indirect Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
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Keywords | 超臨界圧燃焼 / LES解析 / 詳細反応機構 / 火炎モデル / 詳細反応 / 非理想性 / 超臨界流体 / 燃焼 / 乱流燃焼モデル |
Outline of Research at the Start |
本研究は,航空宇宙推進器等で見られる超臨界圧環境下燃焼流れ場の高度予測を可能とする燃焼流体シミュレーション(燃焼CFD)技術の開発とその適用を目的とする.目指す開発技術の中心を,化学反応の理解に基づく燃焼制御及び予測技術と据え,それを可能とする詳細反応機構を適用した燃焼CFD技術を開発する.具体的には,本グループが持つ独自の視点に基づき,詳細反応機構を適用可能な化学反応項LESモデル及び燃焼LES壁モデルの開発に挑戦する.ロケット燃焼で課題として残される燃焼振動及び壁熱流束予測問題へ適用することで,開発した燃焼CFD技術の有効性を実証する.
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Outline of Annual Research Achievements |
研究開発を進めてきた熱,輸送物性,そして化学反応モデルに非理想性を考慮した超臨界圧燃焼流れシミュレーション技術の成果を国際会議および査読論文において発表した.本研究で取り上げたJoule-Thomson効果(エンタルピーの圧力依存性)を用いた非理想性効果の議論はほとんど行われておらず,超臨界圧燃焼流れシミュレーションにおける新しい知見を提供できたと考えている.化学反応項LESモデル開発については,火炎帯を人工的に厚くするモデル(localized thickened flame model: LTF)をベースとし,乱流火炎現象で重要と考えられる火炎伸張率効果を考慮した新しい火炎モデル(LTF-X)の研究開発を進めた.本モデルは,燃焼速度と火炎伸張率の関係をMarkstein長さで結びつける理論式に基づいたもので,参照解となる直接数値解析(DNS)の結果を粗い格子でも再現できるよう新しい余剰項を構築し支配方程式に加えるこれまでに無いモデルである.既存LTFモデルでは,火炎帯が人工的に厚くなり,火炎伸張が燃焼速度に与える効果が修正されるため正しい燃焼速度を再現できないが,LTF-Xモデルでは,火炎帯厚さと火炎伸張率の関係を数値的に評価・導出し,正しい燃焼速度(正しい火炎伸張率効果)を再現できるよう余剰項を構築している.水素空気予混合気の円筒伝播火炎および渦-平面火炎干渉問題を通して,例えばDNSに対して格子幅約10倍の粗い格子においても,LTF-XモデルがDNS解(火炎伝播速度や火炎形状)を再現できることを確認した.火炎帯を人工的に厚くする火炎モデルにおいて,燃焼速度に対する火炎伸張率効果を正しく再現できるモデル提案は世界に先駆けたものである.次年度の国際会議で成果発表を予定している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
熱,輸送物性,そして化学反応に関する非理想モデルを考慮した超臨界燃焼流れシミュレーション技術の開発に成功した.特に化学反応に関する非理想モデルは,これまでの関連研究では無視されてきたものであり,本シミュレーション技術によって,非理想モデルが一貫性を持って考慮され,高精度な解析が可能となった.本成果は,これまでに査読論文(Proceedings of the Combustion Institute)として発表されており,進捗は順調といえる.化学反応項LESモデル開発は,火炎帯を人工的に厚くする火炎モデルをベースに,乱流火炎現象で重要と考えられる燃焼速度に対する火炎伸張率効果を正しく再現可能なモデル開発を進めている.開発モデルは,燃焼速度と火炎伸張率の関係をMarkstein長さで結びつける理論式に基づいたもので,参照解となる直接数値解析(DNS)の結果を粗い格子でも再現できるよう新しい余剰項を構築しLES支配方程式に導入するものである.これまでの研究によって,人工的に厚くされた火炎においても火炎伸張率効果を正しく再現できる余剰項の導出に成功している.水素空気予混合気の円筒伝播火炎および渦-平面火炎干渉問題を通して,例えばDNSに対して格子幅約10倍の粗い格子においても,開発モデルがDNS解(火炎伝播速度や火炎形状)を再現することを確認できた.超臨界圧を含む高圧条件,異なる燃料,異なるトポロジーへの適用性の確認,そして火炎伸張率の数値的評価方法の検討は課題であるが,火炎帯を人工的に厚くする火炎モデルにおいて,燃焼速度に対する火炎伸張効果を正しく再現できるモデル提案は世界に先駆けたものであり,研究開発は順調である.
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Strategy for Future Research Activity |
これまで同様に,分担者と1ヶ月ごとの定期ミーティングを設け,研究開発を着実に行う.今後の実施課題は明確であり,開発モデルの超臨界圧を含む高圧条件,異なる燃料,異なるトポロジーへの適用性の確認,そして火炎伸張率の数値的評価方法の検討を進める.また,開発技術の実用問題への適用も進めていく.内燃機関ノッキング現象解析(末端ガス自着火と圧力波発達メカニズムの解明,ピストンキャビティー形状効果の影響解明)および高圧ロケット燃焼解析(低温噴射による燃焼振動現象の解明,噴射器リセス形状の燃焼場への影響解明)への適用を行う.また,実施中の国際共同研究強化Aを活用し,海外研究者との研究交流を含めることで,本研究課題を推進する.
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Report
(2 results)
Research Products
(16 results)