Project/Area Number |
21H01550
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 24020:Marine engineering-related
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古川 芳孝 九州大学, 工学研究院, 教授 (90253492)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石橋 篤 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (00242321)
茨木 洋 九州大学, 工学研究院, 助教 (20274508)
木村 元 九州大学, 工学研究院, 教授 (40302963)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
Fiscal Year 2021: ¥10,790,000 (Direct Cost: ¥8,300,000、Indirect Cost: ¥2,490,000)
|
Keywords | 自律航行船 / 操縦運動推定モデル / 再帰型ニューラルネットワーク / 低速航行 / 航行安全性 |
Outline of Research at the Start |
自律航行船舶の開発のためには,船舶の操縦運動を正確に再現可能な操縦運動モデルを用いたシミュレーション計算の実施が不可欠であるが,全ての船舶について操縦運動方程式中に含まれる各種流体力に関する係数が求められているとは限らない。そこで,各種流体力係数を含む運動方程式を解いて船舶の操縦運動を推定する従来の方法に代えて,運航計測データに含まれる操縦運動の情報に対して深層学習技術の一種である再帰型ニューラルネットワークを適用することにより,船体に作用する流体力の数学モデルが不要で,操縦運動方程式を解くことなく船舶の操縦運動を推定可能な操縦運動推定モデルの構築手法の開発を行う。
|
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き,計測データに含まれる誤差やノイズの影響の評価や除去方法に関する知見の深化を目的として,舵角の大きさや継続時間等をランダムに設定した操縦運動のシミュレーション計算結果に仮想のノイズを付加することにより,実船で計測された操縦運動データを模擬して作成した教師データを対象として,再帰型ニューラルネットワークに基づく操縦運動推定モデルの構築手法を適用することにより,実船計測データを利用する上で注意を要する事項や問題点,ハイパーパラメータの選定に及ぼす影響について検討を行った。 低速航行時の操縦運動推定モデル構築のための教師データの収集を目的として,九州大学船舶運動性能試験水槽(長さ38.8m×幅24.4m)において,模型船を用いて舵角やプロペラ回転数等を変化させた自由航走模型試験を実施した。教師データとして利用するためには,様々な船速や操舵に対する運動状態を含み,かつ長時間にわたる計測が必要となることから,水槽内における模型船の位置や進行方向,船速,回頭角速度等を計測し,進行方向前方の水槽内の航行可能範囲に応じて自動操舵する運動制御プログラムの開発を併せて実施し,効率的かつ自動的に長時間にわたる操縦運動データの計測を実現した。 続いて,自由航走模型試験より得られた教師データに対して再帰型ニューラルネットワークを適用することにより,低速航行時の操縦運動推定モデルの構築について検討を行った。このとき,自由航走模型試験によって得られたデータには計測誤差やノイズが含まれるため,計測誤差やノイズが操縦運動の推定精度に及ぼす影響ならびにその影響を除去する方法について検討を行うとともに,操縦運動状態の違いが時系列データの長さやサンプリング間隔,各種ハイパーパラメータの設定に及ぼす影響について評価した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り,研究はおおむね順調に進展している。
|
Strategy for Future Research Activity |
外乱として風と潮流の影響を組み込んだ操縦運動のシミュレーション計算を実施し,定常旋回運動やZigzag運動のような舵角を規則的に変化させた操縦運動と,舵角や操舵の継続時間等をランダムに設定した操縦運動の教師データを生成することにより,外乱の影響を受けた操縦運動に対する再帰型ニューラルネットワークの適用性について検討を行う。外乱の条件としては,まずはじめに風速・風向が一定の定常風と流速・流向が一定の潮流を検討対象とし,続いて不規則に変動する非定常な外乱条件へと拡張する。 また,前年度までに検討対象とした模型船とは異なる船型の模型船を対象として,通常航行状態の操縦運動を対象として,前年度までに検討した操縦運動モデルの構築手法を適用し,その汎用性について検証を行う。船型によって操縦運動の推定精度に大きな差が生じた場合には,その原因を究明するとともに,前年度までに実施した検討に立ち返り,操縦運動モデルの構築手法について再検討を行う。 さらに,前述の異なる船型の模型船を対象とした通常航行時の操縦運動推定モデルの構築手法の検証に先立ち,低速航行時の自由航走模型試験を実施して教師データを生成しておく。さらに,通常航行時の操縦運動推定モデルに対する再帰型ニューラルネットワークの有効性を確認した後,生成した教師データに基づいて低速航行時の操縦運動推定モデルを構築し,低速航行時における任意の操舵に対する操縦運動の推定精度の検証を行う。 以上より,各種流体力係数を含む運動方程式を解いて船舶の操縦運動を推定する従来の方法に代えて再帰型ニューラルネットワークを適用することにより,船体に作用する流体力の数学モデルが不要で,操縦運動方程式を解くことなく船舶の操縦運動を推定可能な操縦運動推定モデルの構築手法を開発する。
|