独立した経済主体間の協同事業に対する数理およびシミュレーションモデルの構築と応用
Project/Area Number |
21H01565
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25010:Social systems engineering-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
西崎 一郎 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 教授 (80231504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林田 智弘 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 准教授 (20432685)
関崎 真也 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (70724897)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥9,360,000 (Direct Cost: ¥7,200,000、Indirect Cost: ¥2,160,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2021: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
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Keywords | 協調的生産モデル / ゲーム理論 / エージェントベース・シミュレーション / 生産流通システム / 電力システム / サプライチェーン管理 / DEA生産問題 / フラクタイルモデル / 不確実性 / 多目的多期間生産ゲーム / 進化型多目的計画法 / 多期間生産ゲーム |
Outline of Research at the Start |
本研究課題では,様々なリスクのもとで企業などの経済主体が事業を継続していくために,経済主体間の協同事業の可能性と妥当性を検証する.複数の経済主体が互いに競合しながらも,協同事業を行うことで,リスク回避という側面のみならず,個々の経済主体の利益が単独事業よりも増加する仕組みを考察する.競合的および協力的側面を考慮したモデルを対象として,共同事業の妥当性,リスク回避,システム運営の効率化,企業連合全体の利益の増加あるいはコストの削減等の効果を数理的およびシミュレーション分析を通じて数量的に分析する.方法論を開発したのちに,その適用に関して,電力システムと生産流通システムに焦点を当てる.
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Outline of Annual Research Achievements |
先導者を配送業者,追従者を製造業者としたサプライチェーン管理に関する2レベル生産輸送計画問題を取り上げ,配送業者は製造業者の費用最小化生産計画のパラメータに関する情報を十分には把握できないが,製造業者の生産に関する入出力データは観測できると仮定したうえで,不確実性を考慮し,多期間の製造業者の生産計画問題をDEA生産問題として定式化し,その妥当性を検証する.多期間モデルを取扱うため,需要の不確実性を考慮し,単純リコースをもつ2段階モデルを採用している. サプライチェーンにおける利益の最大化と混乱に対する対応力の強化を考慮して,サプライチェーンの設計と配送計画に関する意思決定手法を開発している.需要と供給の不確実性を仮定して,サプライチェーン構成を第1段階で決定し,第2段階では最適配送計画を立案する単純リコースをもつ2段階モデルとして定式化している. 複数の企業が資源を共有する多期間線形生産問題において,複数企業の利益を最大化するだけでなく,温室効果ガスの排出量を最小化する2目的協力ゲームを考え,プレイヤーのリスクに対する態度を考慮したフラクタイルモデルを導入している. 進化型多目的計画法において,実行可能個体と実行不可能個体の両方の情報を用いることで,パレートフロントへの収束を改善することを目指し,さらに僅かな制約違反によって目的値が大きく改善する場合,実行可能領域に近い実行不可能解の情報を利用する.この手法を電力システムへ適用する. 再生可能エネルギーの不確実性の下で需要家の協力によって獲得される利得を最大化するとともに利得や費用を需要家へ適切に分担させることで,災害時における電力供給継続に寄与する電源への投資に対するインセンティブを設計している.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
関連する3つの研究課題に対する論文が,Central European Journal of Operations Research,Annals of Operations Research,International Journal of Operational Researchに採録された.サプライチェーン管理に関する2レベル生産輸送計画問題に関しては,単一期間を対象とした問題を定式化し,論文としてまとめ,European Journal of Operational Researchに採録されたので,この問題を多期間モデルに展開した.サプライチェーンの混乱に関する研究では,システム制御情報学会誌に受理された論文を基礎に混乱に対する対応力を考慮した2目的問題として定式化し,この問題を解くための手法を考案し,論文としてまとめ,国際雑誌に投稿する予定である.不確実性下の多期間線形生産ゲームに関する研究は,利益の最大化とともに温室効果ガスの削減を考慮した2目的協力ゲームを考察している. 進化型多目的最適化アルゴリズム (multiobjective evolutionary algorithm: MOEA)の改良において,集団内の個体の多様性を向上させる機構をMOEAへ組み込むことで,制約逸脱量と目的値間のトレードオフの情報を持つ多様な代替案を提示可能な仕組みを考案した. 再生可能エネルギーの不確実性の下で需要家の協力によって獲得される利得を最大化するとともに利得や費用を需要家へ適切に分担させることで,災害時における電力供給継続に寄与する電源への投資に対するインセンティブを設計した.
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Strategy for Future Research Activity |
サプライチェーン管理に関する2レベル生産輸送計画問題に関しては,問題を多期間モデルに展開したので,国際会議で発表し,論文誌に投稿する予定である.サプライチェーンの混乱に関する研究では,施設の事故や災害に起因する混乱に対処すると同時に,利益の最大化を図るために,これらの2目的間のトレードオフ分析を試みた研究を取りまとめ,論文誌に投稿する予定である. 不確実性下の多期間線形生産ゲームに関する研究は,現在論文誌に投稿中である.さらに,温室効果ガスの削減を考慮した2目的協力ゲームに展開中である. 進化型多目的最適化アルゴリズム (multiobjective evolutionary algorithm: MOEA)の改良において,厳しい制約を有する配電系統再構成問題へ提案MOEAを適用し,その有効性を確認したため,大規模配電系統への適用を検討中である.配電系統における電力供給継続に関する課題に関しては,配電系統内の物理的制約を考慮した上で災害時における電力供給継続が可能であることを検証済みであり,国内の学会での口頭発表を予定している.
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)