根系構造と根返り耐性特性に基づく海岸林の防災効果向上のための管理手法の提案
Project/Area Number |
21H01600
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 25030:Disaster prevention engineering-related
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Research Institution | Forest Research and Management Organization |
Principal Investigator |
野口 宏典 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (80353803)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 賢二 国立研究開発法人森林研究・整備機構, 森林総合研究所, 主任研究員 等 (30353634)
新田 響平 秋田県農林水産部(農業試験場、果樹試験場、畜産試験場、水産振興センター及び林業研究研修センター), 林業研究研修センター, 研究員 (50640637)
平野 恭弘 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (60353827)
谷川 東子 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (10353765)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥15,340,000 (Direct Cost: ¥11,800,000、Indirect Cost: ¥3,540,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | 海岸林 / クロマツ / 広葉樹 / 根系分布 / レーダ探査 / 根系 / 根返り耐性 / 盛土 / 津波 / 管理計画 |
Outline of Research at the Start |
東日本大震災からの海岸林の再生では防災効果の向上を念頭に、根を深く発達させるため、盛土を伴う生育基盤が整備された。しかし、従来の土壌とは異なる特性を持つ盛土での植栽木の根系の発達に関する知見は、未だ不十分である。 本研究では、海岸林のクロマツ及び広葉樹の、成長段階及び異なる生育基盤に応じた根系構造と根返り耐性を解明、さらに、防災効果向上に資する海岸林の管理計画の提案を目的とする。このため、海岸林再生が進む仙台平野の幼齢林、先駆的に広葉樹が導入された秋田県海岸の若齢林と壮齢林で、根系構造と根返り耐性に関する調査を実施し、それらを活用した津波氾濫流の数値実験により、海岸林の管理計画を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
秋田県の海岸砂丘地の海岸林の樹齢40年程度のイタヤカエデ3個体、および、仙台湾岸の海岸林再生地の生育基盤盛土に植栽されて5~6年が経過したクロマツ6個体を対象として、根系構造掘り出し調査、根返り耐性調査、土壌硬度鉛直分布調査等を実施した。仙台湾岸の海岸林再生地のクロマツ6個体は、表層の土壌が硬い箇所と相対的に硬くない箇所からそれぞれ3個体ずつとした。 海岸林再生地の生育基盤盛土に植栽されたクロマツの根の分布は、表層が硬い箇所と相対的に硬くない箇所の個体とでは違いが見られ、硬い箇所では深さ30cm程度までの浅い範囲に多くの根が分布したのに対し、相対的に硬くない箇所ではいずれの個体にも深さ90cmに達した根が見られた。仙台湾岸の海岸林砂丘地に比べて秋田県の海岸砂丘地の土壌は硬くなかったが、イタヤカエデの根は深さ30cm程度までの浅い範囲の分布がほとんどで、深さ50cmより深い範囲の分布はわずかであった。 樹体の地上部の重量に対する根の重量の割合は、クロマツでは土壌の硬さの違いによる顕著な差はなく20%程度、イタヤカエデでは30%程度であり、地上部の重量に対する根の重量はイタヤカエデの方がクロマツより大きい傾向であった。 根返り耐性調査から得られた根返り発生回転モーメントは、樹木のサイズに応じて大きくなる比例関係が見られた。特に、根の重量と根返り発生回転モーメントの間の関係はばらつきが少なく、樹種の違いや土壌の硬さによらず、原点を通る直線で概ね近似することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
秋田県の海岸砂丘地の海岸林と仙台湾岸の海岸林再生地での現地調査は概ね予定通りに完了することができた。対象木のサイズに偏りがあり、追加の調査が必要だと考えられるが、次年度以降で実施できると考えられるため、「おおむね順調に進展している」の区分とした。
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Strategy for Future Research Activity |
仙台湾岸の海岸林再生地の若齢クロマツの根のレーダ探査を実施して非破壊での根の調査手法を検討する。また、秋田県の海岸砂丘地の壮齢海岸林で、壮齢のクロマツやイタヤカエデ以外の広葉樹の根系分布と根系構造に関する調査を実施する。ほかに、2021年度の調査での対象木のサイズの偏りを埋めるデータの取得をする。 取得したデータを解析し、海岸林のクロマツ及び広葉樹の、生育基盤の特徴及び成長段階に応じた根系構造と根返り耐性の解明と、それに基づく、海岸林の防災効果向上のための管理計画の提案する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)