傾斜組織構造を有した生体活性ゾルゲルガラス繊維の創製と組織再生促進効果の評価
Project/Area Number |
21H01621
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26020:Inorganic materials and properties-related
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
小幡 亜希子 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40402656)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥12,090,000 (Direct Cost: ¥9,300,000、Indirect Cost: ¥2,790,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,760,000 (Direct Cost: ¥5,200,000、Indirect Cost: ¥1,560,000)
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Keywords | ゾルゲルガラス / 繊維 / 生体活性 / 生体組織再生 / 生体用ガラス材料 / イオン / 細胞 |
Outline of Research at the Start |
超高齢化社会に対応すべく、生体組織の再生を促進する機能に特化した高機能性生体材料が求められている。本研究では、ガラスから溶出されるイオンによる細胞の活性化効果に着目し、この効果を十全に活かすために組織設計した新規生体活性ゾルゲルガラス繊維の創製を試みる。研究代表者らが独自に考案した繊維化技術と、最近見出したゾルゲルガラスのイオン溶出制御に対するある酸化物の有用性に着目し活用する。さらに、その特異な供給プロセスと細胞による組織新生の関係性について細胞培養試験より検討することで、従来にない高機能性生体活性ガラスの達成へ導く。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、ゾルゲル法とエレクトロスピンング法を組み合わせた手法による新規高機能性生体活性ガラスの作製を目指す。細胞の活性化に有効な複数種のイオンを供給する機能を有するだけでなく、供給プロセスをも設計可能なガラス組織を構築する。その特異な供給プロセスと細胞による組織新生の関係性について細胞培養試験より検討することで、従来にない高機能性生体活性ガラスの達成へ導く。 これまでのところ、同軸スピナレットを用いたエレクトロスピニングによる多成分系・傾斜構造繊維の作製と、ケイ酸カルシウム系ゾルゲルガラスからのイオンの溶出挙動におけるある種の酸化物の添加効果について検討してきた。また、ガラスから溶出すると想定される種々の無機イオンについて、細胞培養実験により細胞機能に対する影響を調査してきた。 申請者らの過去の知見をもとに、ゾル溶液に加えるバインダーとして種々の有機ポリマーを用いて検討を進めてきた。用いる有機ポリマーの種類および溶媒によって、繊維内部のガラス組織が変化することを新たに見出した。組織の変化によってイオン溶出も変化することが予想される。 ケイ酸塩ガラスにある種の酸化物を添加することで、ガラスからのイオン溶出が変化することを見出してきた。イオン溶出挙動に影響を及ぼす因子の一つであるガラスの比表面積とは相関が認められなかったことから、ガラスのネットワーク構造の変化に着目して検討を進めた。その結果、ガラス内のカチオンの位置や状態が変化することによって、ガラスからの溶出挙動に変化を及ぼしたことが示唆された。 ガラスから溶出することが想定される種々の無機イオンについて、細胞培養試験により細胞の各種機能への影響を検討した。単一イオン種を供給した場合と複数種を供給した場合にて、細胞の応答性に変化が生じた。これらの成果をもとに、ガラスの組成をデザインしていきたいと考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、ゾルゲル法と同軸スピナレットを用いたエレクトロスピニング法を組み合わせたガラス繊維の作製に成功している。今年度の成果として、コアシェル構造を構築するにあたり、有機バインダーの種類や溶媒、そしてそれらの組み合わせ条件が重要であることを導いた。ガラスのみからなるコアシェル構造繊維材料という、新しい材料を設計するための指針を示しつつある。 一方でガラス組成の設計の観点から、ある種の酸化物の添加によるケイ酸カルシウム系ゾルゲルガラスの諸物性調査を進めてきた。今年度の成果として、酸化物の添加によってガラス内のカチオンの位置や状態に変化が生じることを導きつつある。これらの変化が、ガラス全体からのイオン溶出挙動に影響を及ぼしたと考えている。 ガラスから溶出することが想定される種々の無機イオンについて、細胞培養試験により細胞の各種機能への影響を検討したところ、単一イオン種を供給した場合と複数種を供給した場合にて、細胞の応答性に変化が生じた。これらの結果より、段階的に複数種のイオンを供給する場合と同時に供給する場合で、細胞への作用が異なることが示唆された。 以上のように、繊維の内部組織の設計からガラス組成の設計、さらには細胞培養試験をベースとしたガラス組成の立案まで、異なる観点から検討を進めることで、最終目標を達成する上で非常に有用な知見を得つつある。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでと同様に、今後も複数の実験テーマを並行して実施してゆく予定である。同軸スピナレットを用いたエレクトロスピニングにおいては、傾斜構造を調整するための条件について検討する。特に焼成温度条件によるガラス組織への影響ついて検討する。一方で、ある種の酸化物の添加によるケイ酸カルシウム系ゾルゲルガラスのイオン溶出挙動への影響調査においては、同族元素を比較対象として用いつつ、ガラスのネットワーク構造と物性の相関について検討を進める。さらに、イオン供給と細胞応答の相関を調査すべく細胞培養実験も進める予定である。具体的には、イオン形態の違いによる影響や免疫系細胞も含めた組織再生への影響の調査を進める。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)