Elucidation of the Mechanism of Surprisingly Improved Film Formation Property of Solid-State Polymer Coatings by Applying Chemical Reactions of Active Metals
Project/Area Number |
21H01664
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26050:Material processing and microstructure control-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小川 和洋 東北大学, 工学研究科, 教授 (50312616)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 宏輝 東北大学, 工学研究科, 助教 (20869648)
三浦 隆治 東北大学, 未来科学技術共同研究センター, 特任助教 (00570897)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
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Keywords | コールドスプレー法 / 活性金属 / 樹脂 / 化学反応 / ボンドコート / コールドスプレー / チタン / 成膜効率 / フッ素系樹脂 / 芳香族ポリエーテル / 樹脂皮膜 / 成膜性 / 中間層中間層 |
Outline of Research at the Start |
これまでの研究で,基材と樹脂皮膜の界面にTiが存在することで飛躍的に,成膜効率ならびに界面強度が向上することを突き止めた.しかし,このTi中間層がどのように成膜に関与するか,コールドスプレー成膜条件との相関はあるのか,他の金属材料は同様の効果を有するのか,等が全くわかっていない.本研究においては,実験的および数値解析的アプローチにより,金属中間層による成膜性改善のメカニズムを解明し,異種材料成膜に関する学術基盤を構築するとともに,安全性・信頼性に富む汎用性の高い異種材料成膜技術の開発に着手する.
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Outline of Annual Research Achievements |
これまで研究代表者らは,科学研究費[基盤研究(A) :17H01235(2017~2019 年度)]において,コールドスプレー法と呼ばれる成膜技術を用いた樹脂材料の固相成膜に成功してきた.この際,樹脂材料の成膜には,活性なナノアルミナを数%添加することが重要であり,このナノアルミナが正に帯電していること,および粒子表面に水酸基を有することにより水素接合を促し,数mm の厚い皮膜形成に寄与したことを明らかにしてきた.しかし,ナノアルミナ添加により粒子間強度は十分であるものの,金属基材と皮膜間の界面強度が不十分であり,成膜効率の低下を引き起こすことが問題となっていた.しかし,上記科研費が終了する間際に偶然見つけだした成果として,基材と樹脂皮膜の界面にチタンが存在することで飛躍的に,成膜効率ならびに界面強度が向上することを突き止めた.しかしチタンチタン中間層がどのように成膜に関与するか,コールドスプレー成膜条件との相関はあるのか,他の金属材料は同様の効果を有するのか,等が全くわかっていない.本申請においては,実験的および数値解析的アプローチにより,金属中間層(以下,ボンドコートという)による成膜性(ここで成膜性は,主に成膜効率および界面強度を示す.)改善のメカニズムを解明し,異種材料成膜に関する学術基盤を構築するとともに,安全性・信頼性に富む汎用性の高い異種材料成膜技術の開発を進めている.これまでに,チタンボンドコートによるフッ素系樹脂皮膜の成膜性改善効果のメカニズム解明に取り組み,その結果,チタンボンドは,成膜時の表面粗さが他の金属よりも粗く,これによる機械的な締結と活性なチタンによる化学的な締結の双方の効果により成膜性が向上することを明らかにしてきた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの研究によって,フッ素系ポリマーにナノアルミナ粒子を数%混合させることによって,粒子間強度が向上し,成膜性が向上することを明らかにしてきた.また,活性金属チタンチタンをボンドコートして用いることで,基材とポリマー皮膜の成膜特性を顕著の向上させることも明らかにしてきた.ただし,ナノアルミナの形状,粒径,配合量の最適値は未検討のままである.2022年度は,より高い温度での使用も考慮し,フッ素系ポリマーよりも融点の高い芳香族ポリエーテルを対象とし,成膜性改善のための最適粒子径,最適スプレー条件の選定を実施した. 粒径の異なる芳香族ポリエーテル粉末のコーティング形成,芳香族ポリエーテルコーティング形成に対する温度の影響,芳香族ポリエーテルコーティング形成に対するナノアルミナチタンチタンボンドコートの影響について検討した.その結果,①粒径の小さい平均2.5ミクロンの芳香族ポリエーテルよりも,粒径が60ミクロンの芳香族ポリエーテル粒子の方が成膜しやすいことを明らかにした.これは,運動エネルギーの違いによるものと考えられる.②ガス温度による成膜性の違いを評価し,温度が高いほど粉末の成膜効率は向上することが明らかとなった.ただし,450℃を超えると,この向上は軽微となる.また,温度が高すぎるとコールドスプレー時に粉末がノズルに詰まる原因となるため,芳香族ポリエーテルの成膜においては,490℃のガス温度が最適であると考える.③チタンボンドコートとナノアル粉末粉末は,芳香族ポリエーテル粒子のコーティング形成に大きな影響を与えることが明らかとなった.中でもチタンボンドコートは芳香族ポリエーテルが第1層を形成することを可能にし,ナノアルミナは芳香族ポリエーテル粒子間の結合を促進することを明らかにした.
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Strategy for Future Research Activity |
現在,チタンボンドコートの効果として,粗さによる機械的な締結と活性なチタンによる化学的な締結の2つの可能性を考えている.機械的な締結であれば,チタンではなく、他の金属成膜で同様の粗さが得られる材料を選び,機械的な締結の可能性を明らかにする.また,化学的な締結の場合,表面粗さを変化させた場合の成膜性に関し評価を行うことと,他の活性な材料,比較的不活性で安定な材料を用い,化学的低かつの可能性を確認する.また,得られた皮膜の界面近傍を透過型電子顕微鏡で確認し,界面近傍での元素のやりとり(化学反応)の有無を詳細に確認する. さらには,解明したメカニズムに従い,チタン以外の金属ボンドコート上へフッ素系樹脂以外 の皮膜を試作することにより汎用性の高い成膜技術へと展開を図る.特に,SDGs の「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」,「9.産業と技術革新の基盤を作ろう」の2 点に寄与する軽量化によるエネルギー機器の高効率化,高信頼性パワーデバイスの絶縁膜等への応用,さらにコロナ禍における感染拡大抑制のために抗菌性の高い樹脂成膜を念頭において材料選定を行う.
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)