Residual stress control of boroncarbon nitride coatings by bipolar-HiPIMS
Project/Area Number |
21H01674
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26050:Material processing and microstructure control-related
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
清水 徹英 東京都立大学, システムデザイン研究科, 准教授 (70614543)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳田 祐樹 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 研究開発本部機能化学材料技術部プロセス技術グループ, 主任研究員 (30633515)
BRITUN Nikolay 名古屋大学, 低温プラズマ科学研究センター, 特任准教授 (70899971)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Fiscal Year 2022: ¥9,100,000 (Direct Cost: ¥7,000,000、Indirect Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
|
Keywords | イオン化PVD / HiPIMS / 自己イオン衝撃 / 炭窒化ホウ素膜 / 残留応力 / HIPIMS / バイポーラパルス / プラズマ発光分光分析 / イオン / バースト信号 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、近年注目を集めるバイポーラ型HiPIMS技術によって形成されるプラズマ現象の理解とそれに基づいたプロセス開発を進めるものである。HiPIMS放電特有のイオン粒子の過渡的な輸送特性に着眼し、バイポーラ型HiPIMSにおける正のパルス電圧の印加時間の精査により、加速イオンの選択性と自己イオン衝撃による効果を明らかにする。これにより、立方晶相の核形成に関わる影響因子の系統的な分離を図り、成膜基板に入射するイオン種・イオン流束とその運動エネルギーの役割に関する学術的な議論を前進させる。これに基づき、立方晶BN相の形成と残留応力低減を両立するプロセス設計指針の構築を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、申請者らが推進してきたHiPIMS技術による炭窒化ホウ素膜形成における知見を礎に、バイポーラ型HiPIMSプラズマ特性の解明に基づいて、膜構成粒子の選択的なイオン加速を実現し、c-BN相核形成に及ぼす影響と自己イオン衝撃による残留応力抑制に対する効果を明らかにしていくものである。初年度は、重点課題1「極短HIPIMSパルス条件下におけるターゲット直上のプラズマ特性の過渡現象」の検証を主目的として、①バイポーラ型HiPIMSシステムの構築と各種パルスパターンにおけるI-V特性の検証および②プラズマ発光分光(OES)分析を応用したプラズマ可視化システムの構築とそれを用いたプラズマ診断の2点について研究を遂行した。 ①では,既存のHiPIMS電源に新たに正のパルスバイアス電圧を印加するシステムを導入し、バイポーラ型のHiPIMS放電を形成可能な電源システムを構築した。新たにデジタル遅延パルス発生器を用いてバースト型のパルス信号を始めとした各種異なるパルスパターンを外部信号として入力可能なシステムを構築した。また同システムを用いて、各種パルスパターンにおける正のバイアス電圧印加の検証実験を行い、そのI-V特性と検証可能な放電条件を明らかにした。 ②では、ターゲット近傍におけるプラズマ粒子の動的特性の検証を目的として、OES分析を応用したプラズマ可視化システムを構築した。UVレンズを設置した高分解能ICCDカメラによるターゲット直上のプラズマ発光の撮像、各イオン種の励起による発光スペクトルの波長フィルタによる抽出およびその発光強度の2Dイメージ化が可能なシステムを構築した。またその有効性検証のための放電実験を実施した。 以上より、次年度に向けてバイポーラ型HiPIMS放電におけるターゲット直上のプラズマ特性の過渡現象解明に向けた実験環境が整備された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
全体の研究目標に対し、初年度は① バイポーラ型HiPIMSシステムの構築と各種パルスパターンにおけるI-V特性の検証および②プラズマ発光分光(OES)分析を応用したプラズマ可視化システムの構築とそれを用いたバイポーラ型HiPIMSプラズマ診断の2点を当初の研究計画とした。 これに対し、①のバイポーラ型HiPIMSシステムの構築と各種パルスパターンにおけるI-V特性の検証に関しては当初の計画通りに研究を遂行した。一方②に関しては、構築したシステムの有効性を検証するため、その事前検証としてプラズマ発光ラインスペクトルのデータベースが豊富なチタンターゲットを用いたHiPIMS放電を対象にプラズマ分析を実施した。本検証では、上記の通りバースト型のパルス信号を始めとした幅広いパルスパターン条件による検証を行ったため、本年度内にB4Cターゲットを用いた放電に対する検証には至らなかった。しかし、本検証により2Dイメージングシステムの有効性が示されただけでなく、バーストパルス信号におけるパルスパターンの影響の議論が進めることができた。これらは次年度計画の足掛かりとなる有益な知見となった。以上のように、当初計画よりもやや遅れている現状ではあるが次年度の検証項目に取り掛かるための実験環境が整備された。
|
Strategy for Future Research Activity |
第2年度は、重点課題2「正のパルスバイアス電圧の印加条件とイオン輸送特性の関連性」の検証を主目的として、①初年度実施に至らなかったB4C放電におけるプラズマ分光分析による可視化実験および②バイポーラパルスにより加速されたイオン種の同定とそのイオンエネルギー分布関数(Ion Energy Distribution Function: IEDF)の分析の2点について主に研究を遂行していく。 ①では、初年度実施に至らなかったB4C放電におけるプラズマ分光分析による可視化実験を実施した上で、特にホウ素イオンの発光強度の動的特性を取得し、それに基づいてバーストパルスおよびバイポーラパルス電圧の印加条件を検証していく。 ②では、①で得られたバイポーラパルス電圧の印加条件におけるイオン輸送特性の解明を目的として、加速されたイオン種の同定とそのイオンエネルギー分布関数(Ion Energy Distribution Function: IEDF)の分析を行う。同分析の遂行においては、新たに成膜基板を設置するステージと同等の距離にエネルギーアナライザ付き質量分析計を導入する必要がある。 さらに上記①および②の遂行が順調に進んだ場合は、年度後半において各種イオン流束と運動エネルギーがBCN膜成長に及ぼす影響を検証する際の重要な膜成長パラメータとして、単一蒸着粒子当たりの運動量と熱エネルギー流束に着目し、水晶型振動子による蒸着量の同定と熱流束プローブによる成膜時の熱エネルギーの同定をインプロセスで評価する予定である。 ここで得られた成果に関して、国内旅費、外国旅費を用いて、国内外の学会に参加し成果報告を行う。さらに初年度の残額を用いて論文投稿も行う。謝金等により本論文投稿に当たる英文校閲も依頼する。
|
Report
(1 results)
Research Products
(14 results)