オルガノイドを基盤とした臓器工学的肝臓構築技術の開発
Project/Area Number |
21H01732
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 27040:Biofunction and bioprocess engineering-related
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井嶋 博之 九州大学, 工学研究院, 教授 (10274515)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,000,000、Indirect Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,970,000 (Direct Cost: ¥6,900,000、Indirect Cost: ¥2,070,000)
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Keywords | オルガノイド / 臓器工学 / 肝臓 / ハイブリッドオルガノイド / つなぐ仕組み / 臓器工学肝臓 |
Outline of Research at the Start |
機能性ゲル粒子と細胞群からなるハイブリッドオルガノイドという新規細胞組織体を介在させることにより、細胞の組織化(組織構造)、機能的優位性が明らかなミクロ構造体(オルガノイド)、およびマクロ構造体(臓器構造)を「つなぐ仕組み」を実現することを目的とする。これにより、新たな再生医療技術としての可能性を評価するとともに、精緻な類洞を有する肝小葉構造で満たされた臓器工学的肝臓構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、機能性ゲル粒子と細胞群からなるハイブリッドオルガノイドという新規細胞組織体を介在させることにより、細胞の組織化(組織構造)と、機能的優位性が明らかなミクロ構造体(オルガノイド)およびマクロ構造体(臓器構造)を「つなぐ仕組み」を実現し、精緻な類洞を有する肝小葉構造で満たされた臓器工学的肝臓構築を目指している。主な研究実績は以下のとおりである。 【① 適切な生分解特性を有する機能性ヒドロゲル粒子の開発】 初代肝細胞のスフェロイド形成には適切な培養基材(環境)だけでなく、適切な播種細胞密度も重要である。本研究において、適切な大きさの機能性ゲル粒子と単離した初代肝細胞を混合懸濁播種することにより、通常スフェロイド形成が阻害される程の高細胞密度播種条件においても良好なスフェロイド形成ならびに生細胞数および肝特異的機能発現の向上を明らかにした。この機能性ゲル粒子は各種増殖因子の固定化およびその徐放性に優れていた。さらに、生体内における血管新生促進効果も有していた。 【② ハイブリッドオルガノイドにおける初期ドメイン構造の最適化】 本年度は初代肝細胞と内皮細胞との共培養スフェロイド形成に焦点を当て、両細胞がランダム配置されたスフェロイド形成を行った。さらに、肝細胞スフェロイドを内皮細胞シートで被覆した階層型共培養スフェロイド形成デバイスの試作に成功した。一方、脱細胞化肝臓鋳型に対する細胞播種において、通常の培養基材への播種と比較して生存率の顕著な低下が明らかとなった。これに対して、インテグリン刺激基材を開発し導入することにより、当該問題の克服が可能であることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
オルガノイドを基盤とした臓器工学的肝臓の構築のためには、高密度な共培養オルガノイド形成、適切な配置の共培養オルガノイドの構築および臓器鋳型への細胞播種技術の確立が不可欠である。現在までの研究において、機能性ゲル粒子の活用による極端な高細胞密度播種におけるスフェロイド形成の実現、ランダムおよび階層型共培養スフェロイド形成デバイスの試作および臓器への播種経路路ならびに播種方法の最適化に成功した。つまり、本課題遂行における基盤技術の構築に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究により、機能性ヒドロゲルを用いたオルガノイド形成促進、共培養オルガノイド形成デバイスの試作および脱細胞化肝臓鋳型への細胞播種技術の基盤構築に成功した。これらを踏まえ、下記の研究を重点的に推進し、課題の実現を目指す。 【① 適切な生分解特性を有する機能性ヒドロゲル粒子の開発】 1週間から1か月の範囲で生分解速度を制御できる各種機能性ゲル粒子を開発する。さらに、これら機能性ゲル粒子を含む構造体移植によるゲル粒子の生分解挙動と血管新生を伴う機能性組織形成挙動との相関を明らかにする。 【② ハイブリッドオルガノイドにおける初期ドメイン構造の最適化】 本研究では以下の細胞構成からなる各種ハイブリッドオルガノイドを作製する。(1)初代肝細胞、(2)胎仔肝臓細胞、(3)胎仔由来肝芽細胞+類洞内皮細胞+MSC、(4)iPS由来内胚葉細胞+類洞内皮細胞+MSC、(5)iPS由来肝芽様細胞+類洞内皮細胞+MSC。初期細胞配列として階層化オルガノイドおよびランダム配置オルガノイドを作製する。さらに、これら各種初期配列オルガノイドを用いて、血管網を有する機能性ハイブリッドオルガノイド形成を指標とした最適化条件の探索を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)