超不活性空間での不安定化学種のボトムアップ構築による構造・物性の定常化と応用
Project/Area Number |
21H01737
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 28010:Nanometer-scale chemistry-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上野 裕 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (00775752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 靖次郎 京都大学, 化学研究所, 教授 (40314273)
青柳 忍 名古屋市立大学, 大学院理学研究科, 教授 (40360838)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,940,000 (Direct Cost: ¥13,800,000、Indirect Cost: ¥4,140,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2022: ¥3,380,000 (Direct Cost: ¥2,600,000、Indirect Cost: ¥780,000)
Fiscal Year 2021: ¥11,180,000 (Direct Cost: ¥8,600,000、Indirect Cost: ¥2,580,000)
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Keywords | 内包フラーレン / 分子手術 / プラズマ / 不安定化学種 / リチウムイオン / クラスター |
Outline of Research at the Start |
隔離された不活性空間として知られるフラーレン内部へ段階的に原子・分子を挿入することで,不安定な分子や原子集合体をボトムアップ的に構築・単離する手法を確立する.具体的には,プラズマを用いた原子・イオン挿入法,および有機合成による小分子配置手法を駆使することで,『単離が極めて困難な不安定化学種』を内包したフラーレンの合成を実現する.フラーレン内部に配置されることで定常的に存在可能となった不安定化学種の構造,構成原子間相互作用の詳細にアプローチし,これらに起因する物性を探索する.本研究により,未踏構造の積極利用へと導く『不安定化学種の新科学』の開拓・拡大へ向けた研究基盤を構築する.
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Outline of Annual Research Achievements |
前年度までの成果として,当初の合成標的分子①(Li+-H2O@C60:『一分子のH2Oで水和されたLi+』を内包したC60)の合成を達成し,各種スペクトルおよびX線構造解析により構造を同定した。標的分子①に対し,最終年度は,前年度中に測定条件を決定した極低温下での赤外スペクトルについて,温度依存および時間依存に着目した詳細測定を実施した。精密な分光実験が可能100 K以下の低温域で観測される内包化学種に由来するスペクトルは,温度・時間に依存した特徴的な変化が観測され,低温条件下での時間経過ともに内包化学種由来の各シグナルの強度比に変化が見られた。これは,内包されたLi+-H2Oの運動やH2Oのオルト-パラ(水素)変換に由来すると考えられるが,理論計算結果との不一致など,スペクトルの理解のためにはさらに詳細な検討が必要である。一方,合成標的分子②については,有機合成プロセスにおける実験上の問題のため,合成を断念し,最終年度は,プロセス上合成可能と考えられる分子:Li+-HF@C60を新たな標的分子としてLi+-HFクラスターのC60内部におけるその場構築について検討した。NMRスペクトルでは,Li+,H,Fがそれぞれカップリングした特徴的な分裂を示すスペクトルが観測され,C60内部において標的構造が構築されていることを確認した。構造決定を含めたこのような測定は,気相中での実験が必須とされてきた不安定化学種をC60内部に内包させることで単離,構造を定常化し,これにより固体や溶液試料に対する測定が可能となったことで実現された本研究の大きな成果の一つである。今後,段階的挿入に続く選択的脱離プロセスの検討により,さらに不安定化学種の新科学を展開する。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(21 results)