積層化金属ナノ構造を利用した極薄光アイソレータの研究開発
Project/Area Number |
21H01851
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 30020:Optical engineering and photon science-related
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
穂苅 遼平 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (20759998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 健太 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (60709509)
栗原 一真 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 研究主幹 (90392612)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,710,000 (Direct Cost: ¥6,700,000、Indirect Cost: ¥2,010,000)
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Keywords | 光アイソレータ / 金属ナノ構造 / メタマテリアル / ナノ印刷 / 積層構造 / 積層化金属ナノ構造 / ナノ印刷プロセス |
Outline of Research at the Start |
本研究では、可視光域で非対称な透過現象が発現する特殊な金属ナノ構造を研究し、その光透過率の非対称性(アイソレーション性能)および有効波長域を定量的に明らかにする。申請者らが開発してきたナノインプリント技術と印刷技術を融合したナノ印刷プロセスによる金属ナノパターンの積層化技術を応用し3次元非対称構造を作製することでデザインの幅を広げ、その構造に応じたアイソレーション性能を明らかにする。これによりアイソレーション性能の向上と機能する波長帯の広帯域化の設計の指針を導く。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、可視光域で非対称な透過現象が発現する特殊な金属ナノ構造を研究し、その光透過率の非対称性(アイソレーション性能)および有効波長域を定量的に明らかにすることである。これに向けて本年度は、下記の研究項目を実施した。 【実施内容】・特殊な金属ナノ構造とアイソレーション性能の相関解明・広帯域化の検証 本研究の特色は、金属ナノ粒子インクを用いた印刷プロセスによる金属ナノパターンの3次元積層カイラル構造を作製し、そのアイソレーション性能および有効波長域との相関関係を明らかにすることである。2021年度に実施したRCWA法による3次元積層カイラル構造の設計と作製プロセスの検討について、2022年度は、モールドの作製とカイラル構造の試作を行った。ナノ印刷プロセスの繰り返し工程で積層化していくためのプロセス構築を進めた。ナノ印刷プロセスによるカイラル構造の1層分の光学特性を評価するため、斜め蒸着によるカイラル構造の作製も行い、その比較を行った。さらに、アイソレータ機能が得られる帯域を広げるための改良設計を行った。 【得られた知見と今後に向けて】 ナノ印刷プロセスにより、1層分のカイラル構造を積層化する工程において、1層目の上に2層目をナノインプリントで形成する際の離型がうまくいかず、プロセスの改良に時間を要した。結果として、転写したフィルムモールドの離型処理手法の改良により、積層化工程の離型性も向上し、必要な凹構造を転写形成することが可能になった。これにより、複数層の積層化カイラル構造を形成するプロセスは構築できたが、現状では光学特性が実験値と計算値での乖離が見られる。アライメント誤差や積層間のギャップなど3次元積層化構造として、どのように積層されているか観察を深めるとともに、シミュレーションとの相関を見つつ対策を打っていく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度計画していた特殊な金属ナノ構造とアイソレーション性能の相関解明と広帯域化の検証に着手することができ、その研究開発の要素となる設計、作製、評価を進めた。課題であった積層化工程も、離型処理方法の改良により、カイラル構造を積層化して形成するプロセスを構築することができた。しかし、その得られた光学特性において、実験値と計算値で乖離があるため、その原因を追及に時間を要している。積層化技術の開発とともに、3次元積層化構造による光学特性の影響パラメータを抽出し、その体系的なデータ構築を進めていく。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度は、極薄光アイソレータシートの試作に向けて、金属ナノ構造とアイソレーション性能の相関解明を進め、3次元積層構造と光学特性の関係性を明らかにする。これにより、カイラル構造で実現可能なアイソレーション性能の範囲および有効波長範囲を明確化において、得られた成果を論文・学会等で発表し、次の研究フェーズへの土台を整備する。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)