Spectroscopic study on dynamical structures of electrode/electrolyte interfaces using surface-enhanced electronic and vibrational Raman scattering
Project/Area Number |
21H01882
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 32010:Fundamental physical chemistry-related
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
池田 勝佳 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50321899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本林 健太 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60609600)
浦長瀬 正幸 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 研究員 (00512766)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,420,000 (Direct Cost: ¥3,400,000、Indirect Cost: ¥1,020,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,320,000 (Direct Cost: ¥6,400,000、Indirect Cost: ¥1,920,000)
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Keywords | 界面分光 / 動的構造 / テラヘルツ振動 / 電気二重層 / 電気化学界面 |
Outline of Research at the Start |
電極/電解質の接する電気化学界面に形成される電気2重層は、電池等においてエネルギー変換の行われる「反応場」である。電気2重層の微視的構造は、界面電子移動に大きな影響を与えるが、イオン間あるいは電極表面との物理化学的相互作用により、その動的挙動は複雑である。本研究では、「電極側の界面電子情報」、「電解質側の界面化学種情報」、「帯電粒子間の相互作用を伴う二重層の動的構造」を全て同時にin-situ測定することで、界面の構造とダイナミクスを明らかにする。特に、イオン間の相互作用や電極との相互作用に伴う短距離秩序形成が電極反応に与える影響を調べ、次世代電池開発に資する界面現象の知見蓄積を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
エネルギー変換の行われる「反応場」である電気2重層の微視的構造は、界面電子移動に大きな影響を与えるが、イオン間あるいは電極表面との物理化学的相互作用により、複雑な動的挙動を示す。本研究では、「電極側の界面電子情報」「電解質側の界面化学種情報」「帯電粒子間の相互作用を伴う二重層の動的構造」を全て同時にin-situ測定し、界面の構造とダイナミクスを明らかにすることを目指している。特に、イオン間の相互作用や電極との相互作用に伴う短距離秩序形成が電極反応に与える影響を調べ、次世代電池開発に資する界面現象の知見蓄積を目指している。 水溶液系の溶媒和型希薄電解質とイオン液体電解質の比較を行う上で、本年度はイオン液体電解質の測定を重点的に進めた。信号検出に不可欠な電極表面のナノ構造を保持したまま表面吸着水を真空乾燥により除去し、そのまま大気に触れずに計測できるセルを開発したことで、微量水分混入の影響を排除した測定が可能になった。イミダゾール系のイオン液体で測定を行った結果、従来報告されていた界面スペクトルは、表面吸着水に妨げられてイオンが電極と相互作用していない状況を測定していたことが明らかになった。今回の結果では、化学種が電極表面に吸着している直接的な証拠となる、界面電荷移動共鳴の発現も確認された。さらに、テラヘルツ領域に現れるイオン間の水素結合ピークも、界面スペクトルでは消失しており、電極とカチオンの相互作用によって、イオン間の水素結合が壊れる様子を捕らえた。 また、先行して水溶液系で測定したテラヘルツ領域の振動スペクトルから水素結合ダイナミクスに関する微視的な解釈を得るため、古典MDによるシミュレーションを行った。その結果、電極電位に応答する低エネルギー成分は、電位によって印加された水分子の配向変化が引き金となって形成された水素結合ネットワークの欠陥と関係していることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、表面増強ラマン計測法における2つのブレークスルーを使って、電極-電解質界面の両側の情報を同時取得する新しい試みとテラヘルツ帯に相当する低エネルギー振動領域の界面選択測定を試みている。水溶液系の溶媒和型希薄電解質を測定対象とした実験では、電解質側の振動スペクトルを計測しながら、同時に電極側の表面帯電状態の測定に成功し、様々な電解質においてゼロ電荷電位を境に帯電状態が変化する様子や表面吸着種の影響を受ける様子を確認した。従来の可視反射測定(電解質側の振動情報は得られない)より100倍の高感度であることも実証した。また、低エネルギー振動領域に存在する水の集団運動に関わるモードが検出され、電位によって変化している様子を捉えることに成功した。界面選択的に水の集団運動を計測できる手法はこれまで存在しなかったこともあり、電極反応場で水がどのように振る舞っているのかを知る上で画期的な成果といえる。さらに、この低エネルギー振動領域の測定結果に対する微視的な解釈を得るため、古典MDによるシミュレーションを実施し、電極電位に応答する低エネルギー成分は、電位によって印加された水分子の配向変化が引き金となって形成された水素結合ネットワークの欠陥と関係していることが分かった。 また、希薄電解質との対比でイオン液体についても同様の測定を進め、イミダゾール系のイオン液体に存在するイオン間の水素結合が、陽イオンと電極表面との相互作用によって切断されることを見出した。電極表面に吸着水が存在しているときにはこのような相互作用は確認されなかった。なお、他のグループによってこれまで報告されていたイオン液体のSERSスペクトルは、吸着水を除去できていない状態で測定されたものであったことも判明した。 以上、予想外の実験結果が得られるなど計画を上回る部分もあり、投稿中の論文も複数あるため、概ね順調と言える。
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Strategy for Future Research Activity |
イオン液体の測定条件を確立できたので、濃厚電解液等の他の有機電解液へ実験を展開する準備も整った状況である。そこで、表面増強赤外分光等の他の手法で研究され、電極界面の微視的構造の影響が議論されている興味深い実験系をいくつか対象として選び、低エネルギー領域測定を中心に実験を行う予定である。様々な電解液の界面現象を比較することで、微視的理解を進める。また、CO2還元など、実際の反応が進行する条件においても、界面電子情報と界面化学種情報の同時計測を試みる予定である。 希薄電解質溶液については、引き続き水素発生反応にターゲットを絞り、シミュレーション計算を活用しながら、水素結合ネットワークの界面ダイナミクスについて理解を深めるため、電解質や電極材料の種類を変えた比較実験、温度依存性などの測定を行う予定である。また、更なる研究の進展を図るため、TiO2光触媒などの表面反応の観察に本手法を適用することも計画しており、TiO2シェルAuコアのナノ粒子を用いた実験も行う予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(27 results)