Project/Area Number |
21H01887
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 32010:Fundamental physical chemistry-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 雅由 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授
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Project Period (FY) |
2021
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Project Status |
Discontinued (Fiscal Year 2021)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
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Keywords | エキシトン / 開殻性 / 一重項分裂ダイナミクス / 分子集合系 / 一重項分裂 / 量子化学 / エキシトンダイナミクス / 有機太陽電池 |
Outline of Research at the Start |
近年、光照射により生成した一重項エキシトンが2つの三重項エキシトンに分裂する「一重項分裂(SF)」現象が、太陽電池への応用の観点から研究されている。SF研究は、(A)単分子レベル、(B)分子パッキング、(C)SFダイナミクス、に着目した3段階からなる。我々は、以前の研究で各段階での理論計算解析法の開発を行い、開殻性を持つSF系の独自の構造-特性相関を見出してきたが、各段階の設計指針の関係は未解明である。本研究では、これら各段階の関係を反映した現象の理解とそれに基づく包括的・統合的な物質設計指針の構築を通して、理論-実験の協力のもと、理論先導型の開殻性を持つ新規の高効率一重項分裂系の設計を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
実在系における高効率な一重項分裂(SF)過程の発現と制御において重要な外場・環境効果に着目し、ペンタセンの多量体モデルにおけるSFダイナミクスの外部静電場効果、および環状集合系構造による依存性をまず検討した。前者についてはSFを支配する因子である励起エネルギーや電子カップリングを外部静電場存在下で計算したところ、SFの仮想遷移状態である電荷移動(CT)状態の励起エネルギーが大きく増減することが判明し、SFダイナミクスが大きく変化する可能性が示唆された。実際に、量子ダイナミクスシミュレーションを行ったところ、二量体の面間方向に静電場を印加した場合に、SF速度が増大することが見出された。静電場効果は結晶場として与えられる場合もあり、結晶場の存在が電荷移動状態を安定化しSFダイナミクスに与える機構を明らかにした。また、弱いジラジカル性(小さなy_0)をもつ高効率SF分子系の探索については、ペンタセンの構造異性体に対応する種々の5、7員環含有縮環炭化水素系を検討し、開殻性(y_0-y_1map)の観点から新規分子系の探索を行った。その結果、単分子レベルでのエネルギー整合条件を満たす新規系が複数見いだされた。その中には、分子間CT状態制御の観点から有望な、分子内電荷移動(イオン)性構造の寄与を有する分子系が見いだされた。合成実験サイドでは、SFに適していると思われる一重項ジラジカル性を有する新規化合物の合成と物性評価に関し研究を行った。フェナレニルを基盤とする一重項ジラジカル種は、ジラジカル性が17%程度であることが分かった。また、異常に長い単結合を持つ化合物を合成し、ジラジカル性が12%であることを明らかにすることができた。ジラジカル性の大きさを考えると、これらの化合物は優れたSF特性を示すと予想される。光学物性測定実験サイドでは、π共役系への置換基の接続位置における電子分布が二光子吸収過程に及ぼす影響を実験的に解明するとともに、分子集合体における三重項間の強い相互作用や特異な光物性を見出した。加えて、実験的への活用に向いた一重項と三重項の間のスピン変換における反応速度論の体系化を進めた。
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Research Progress Status |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度が最終年度であるため、記入しない。
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