First-Principles Statistical Thermodynamics and Materials Informatics Considering Weak Interactions: Exploring Gas Separability of Deep Eutectic Solvents
Project/Area Number |
21H01894
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 32010:Fundamental physical chemistry-related
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
森 寛敏 中央大学, 理工学部, 教授 (90501825)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2021: ¥9,230,000 (Direct Cost: ¥7,100,000、Indirect Cost: ¥2,130,000)
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Keywords | 深共融溶媒 / ガス分離能力 / マテリアルズ・インフォマティクス / 弱い相互作用 / 第一原理分子シミュレーション / 第一原理統計熱力学計算 / COSMO-RS法 / 弱い分子間相互作用 / 塩化コリン / イオン性化合物 / CO2分離回収液 |
Outline of Research at the Start |
CO2ネガティブエミッション技術を開発するには、その大規模排出源から、CO2を分離回収する安全で安価な吸収液が必要となる。本研究では、安価な水素結合性有機固体を混合するだけで安全に得ることができる深共融溶媒を中心に、そのガス分離特性の向上可能性を検証する。そのためには、ファンデルワールス相互作用などの弱い分子間相互作用も精密記述可能な、定量的第一原理統計熱力学理論を構築せねばならない。本研究では、精密なab initio分子軌道法をベースとした第一原理統計熱力学理論を開発し、機械学習と連携することで、深共融溶媒が未来の有望なCO2吸収液候補であるかどうか、その可能性を予測・検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、高精度量子化学計算に基づく分子間相互作用解析と統計熱力学計算(拡張COSMO-RS)の応用計算により、深共融溶媒の CO2、炭化水素、硫化水素等のガス吸収量評価指針となる、ヘンリー定数の予測を実施した。具体的には、1,533,528 種類の候補から、イオン性をもつ化合物(塩化コリン等)を僅かに溶解させた深共融溶媒(96 種類)が、CO2 を上述の混在し得るガスからの分離吸収能力に優れていることを見出した。計算の結果は、既報の実験データを矛盾なく説明した。また、当該計算結果について、MACCSフィンガープリントに基づく化学情報学的解析から、塩化コリンを始めとしたイオン性化合物が水素結合ドナーとなる場合、ガス吸収液の機能が一般に低下する湿潤条件下でも優れた吸収能を発揮できることも予測された。従来の報告では、塩化コリン等は、もっぱら水素結合アクセプターとして用いられてきた。拡張COSMO-RS法により、水素結合ドナー/アクセプター性を量子化学計算に基づき定量評価した結果は、実験的な新たなトライをする可能性を暴き出したと言える。これらは球温暖化解決のための、安価な CO2 物理吸収液開発につながる成果として期待される。得られた成果は、ACS Omega誌でオープンアクセスの論文として発表の上、化学工学会およびアメリカ化学会で発表を行った。また、発表成果のイメージ図は、同論文誌のカバーアートとして採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの2年間の研究により、拡張COSMO-RS法の開発とその応用例の提示までを予定通り完了した。当該成果に基づく論文も、複数のカバーアート採択・プレスリリース・新聞掲載を含み、環境化学工学分野に寄与するものとして第三者からの評価を受けることができた。当初は、未知化合物からなる深共融溶媒のガス分離吸収能力の探索まで含めた研究計画を立てていたが、イオン性の既存物質(塩化コリン)を含む深共融溶媒が、一般的にガス分離という目的に叶うことが定量化され他ため、探索範囲はあえて拡張する必要がなく、理論の精度検証実験も既報の実験値との比較で完了できたことが、コロナ禍で実験連携が必ずしもスムーズにいかない中、それでも当初計画通りに成果を得ることができたことに繋がっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度までに、拡張COSMO-RS法の開発とその深共融溶媒への応用可能性探索は完了した。今後は、さらなる深共融溶媒のガス分離/吸収能を迅速に評価するための電子状態インフォマティクスを実施する。電子状態インフォマティクスでは、液体構成分子の表面電荷分布と電子的な特徴量として、ガスの分離吸収性をコンパクトな機械学習モデルから予測する。この考え方はこれまでガス分離吸収性イオン液体で上手く働くことが分かっており、過去数十年に亘り破られることがなかったCO2吸収能力に優れたイオン液体のレコードを更新した。これを、イオン液体に比べ安価な深共融溶媒について、水平展開することを狙う。
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Report
(2 results)
Research Products
(18 results)