Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥7,020,000 (Direct Cost: ¥5,400,000、Indirect Cost: ¥1,620,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
分子集合体の光化学は光エネルギー変換・エレクトロニクスから医療応用まで様々な分野を網羅する。しかしながら、その重大な問題点は単量体と比較して吸収した励起エネルギーが励起子-励起子消滅等により迅速に失活することである。その解決策として近接した二分子間での多励起子生成反応であり、生成した三重項励起子の量子収率が200%の一重項分裂(Singlet Fission: SF)が挙げられる。この励起子の倍増が可能なSFを種々の反応系で格段に汎用性を高めるために、本研究ではSF材料の探索へ展開した。 今年度の成果の一つとして、テトラセン(Tc)ヘテロオリゴマーにおけるSFと励起子拡散過程の観測が挙げられる。材料合成として末端にエネルギー受容型のフッ素置換テトラセンを連結したTc-hetero-オリゴマー[TcF3-(Tc)4-TcF3]を新たに合成した。オリゴマーにおけるTcの数の増加とともに相関した三重項対の解離を促進し、分子内一重項分裂による独立した三重項励起子の逐次的な励起子トラップ過程が観測され、捕捉三重項収率は176 %となった。さらに、温度依存時間分解分光測定よりTc-ホモオリゴマー[(Tc)n: n=2, 4, 6]を含めて比較することで、Tcユニット数に対するエントロピー利得効果も明らかにした。 もう一つの成果として、SFの外部刺激に夜効果に着目し、溶液中のペンタセンダイマーのSFに対する溶媒および静水圧の影響を検討した。その結果、極性溶媒中でのペンタセンダイマーにおいては、加圧によってSFが促進されることが見出された。
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