Elucidation and evolution of thermo-responsive polymers designing effector-solvent-polymer three-component systems
Project/Area Number |
21H01980
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 35010:Polymer chemistry-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐田 和己 北海道大学, 理学研究院, 教授 (80225911)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,670,000 (Direct Cost: ¥5,900,000、Indirect Cost: ¥1,770,000)
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Keywords | 温度応答性高分子 / コイル・グロビュール転移 / 液液相分離 / 有機溶媒 / アロステリック酵素モデル / 下限臨界共溶温度 / 上限臨界共溶温度 / 相分離 / 水 / フッ素系溶媒 / 刺激応答性高分子 / 機能性高分子 / LCST / UCST / ナイロン6 / 有機反応 |
Outline of Research at the Start |
高分子と溶媒分子の両方に相互作用できるエフェクターを高分子の溶液に添加することで、エフェクターと高分子の間の解離・会合により、高分子のコイル・グロビュール転移を操作システム(「エフェクター三成分系」と呼ぶ。)の深化として、多段階の温度応答およびエフェクターの化学反応によるコアロステリック酵素の構造変化モデルの構築を行う。またこの系と水系における両親媒性高分子の温度応答性との接続を試みる。つまり良溶媒・貧溶媒・高分子の三成分系を用いて、温度応答性の発現を数多くの高分子について、網羅的に調査し、高分子の温度応答性発現のための一般原理を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
溶媒分子などの低分子と高分子のユニット構造の官能基との解離・会合の制御により、溶液中で高分子主鎖のコイル・グロビュール転移を温度で操作するシステムの原理解明と一般化した。まず、ポリ(4-ビニルフェノール)など中心に水酸基を持つビニル高分子について、下限臨界共溶温度(LCST)型相転移を示す系の探索を行い、アルコールなどの水素結合性溶媒と無極性溶媒の混合溶液において、LCST型温度応答性の発現を確認し、その組成比を明らかにした。水酸基を持つほとんどの高分子が、これらの混合溶媒中で、LCST型の温度相転移を示し、この分子設計が一般性の高いものであることを立証した。添加剤の効果を検討し、上限臨界共溶温度(UCST)型とLCST型の両方の二段階の温度応答を示す系の開発に成功し、化学物質や光などに刺激応答性を実現した。 さらに、良溶媒として用いたHFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)を用い、フッ素系の混合溶媒において、市販の高分子の温度応答性を広範囲に調査した。リゾチームなどの水素結合により凝集しやすい高分子ではLCST型の温度応答性がみられ、凝集力の弱い高分子では、UCST型の温度応答性がみられ、高分子の官能基によってその温度応答性が区別されることが明らかになった。 これらの非水系での分子設計と両親媒性高分子における水中での分子設計を繋ぐことを企図し、水中で機能するLCST型温度応答性高分子として、N-メチル化ナイロンの開発に成功した。特に第3級アミド1つあたりのユニット構造がC6H11NOの時、LCST型温度応答性を示した。これは既知のLCST型温度応答性を示す同種の高分子と同じであった。つまり炭素5個分に相当するアルキル基が疎水性官能基として至適であり、水中でのLCST型温度応答性の分子設計を明確にすることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
以下の点が理由として挙げられる。 1)水酸基を持つほとんどのビニル高分子が、アルコールなどの水素結合性溶媒と無極性溶媒の混合溶液で、LCST型の温度相転移を示すことを実験的に示し、新しいLCST型の温度応答性高分子の分子設計の提示し、その一般性の高さを立証した。 2)フッ素系の混合溶媒を用いことで、汎用性高分子溶液における温度応答性高分子の網羅的な探索が可能になり、LCST型の温度応答性高分子の新たな分子設計が提示できた。 3)水中で機能する新しいLCST型温度応答性高分子として、N-メチル化ナイロンの開発に成功した。従来のLCST型温度応答性高分子は主に連鎖重合を用いた制御重合で合成され、側鎖に第2級あるいは第3級アミドを持つ高分子であった。N-メチル化ナイロンも第3級アミドを持つ高分子であり、その合成法の違いからこれまで検討されておらず、第3級アミドを主鎖に持つシンプルな構造で同じ機能が達成できた。さらにLCST型温度応答性を示す高分子はN-メチル化ナイロンでも既知のものでも、アミド1つあたりのユニット構造がC6H11NOであり、LCST型温度応答性のために必要な条件を提示できた。
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Strategy for Future Research Activity |
水及び非水系混合溶媒を用いた汎用性高分子を用いた高分子溶液では、溶媒の組み合わせはほぼ無限であるが、特に溶媒と高分子のユニット構造との相互作用の観点から考察を行い、網羅的な探索を行い、機械学習と組み合わせることで、LCSTあるいはUCST型の温度応答性の発現に対する要因を明らかにする。また水中でのN-メチル化ナイロンのLCST型の温度応答性の発現を起点として、様々なN-アルキル化体や他の官能基を導入したN-アルキル化ナイロンなどについて検討を行う。さらにはウレタンや尿素などのN-メチル化やポリエステルやナイロンとの共重合などを行い、温度応答性の拡大を行うこれらを用いて、多段階あるいは高次の温度応答性や刺激応答性への展開を行う。並行して、触媒基などの刺激応答性高分子の高機能化や化学反応などリンクによる化学反応応答系の拡張を目指す。
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Report
(2 results)
Research Products
(20 results)