Tailor-made synthesis of well-defined poly(substituted methylene)s via C1 polymerization of diazoacetates
Project/Area Number |
21H01988
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 35010:Polymer chemistry-related
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
井原 栄治 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (90243592)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,940,000 (Direct Cost: ¥13,800,000、Indirect Cost: ¥4,140,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2021: ¥13,000,000 (Direct Cost: ¥10,000,000、Indirect Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | ジアゾ酢酸エステル / C1重合 / リビング重合 / 立体特異性重合 / パラジウム錯体 / 機能性高分子 |
Outline of Research at the Start |
申請者らが独自に開発してきたPd錯体開始剤系を用いた、ジアゾ酢酸エステルのC1重合による“構造の明確なポリ(置換メチレン)の自在合成手法の確立”を目的とする。 この重合により生成するポリマーの分子量、tacticity、末端構造等の精密制御の実現のため、Pd錯体系を用いて、リビング重合や立体特異性重合を可能とする開始剤系を開発する。 さらに、ポリマー末端への官能基の定量的な導入とその官能基を利用した高分子反応、主鎖炭素の4級化、ポリ(置換メチレン)特有の主鎖の分解反応等に関する多角的な検討を行い、ジアゾ酢酸エステルのC1重合の、新しいC-C主鎖ポリマー合成手法としての有用性を大きく高める。
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Outline of Annual Research Achievements |
【リビング重合の実現とポリマー末端構造の精密制御】 各種のマレイミドを配位子とする新しいPd錯体を用いたジアゾ酢酸エステルの重合により、開始末端への官能基の定量的な導入に成功した。さらにこの開始剤系から生じる成長末端の安定性が高いことを見出した。各種の官能基を有するボラートとPd錯体を組み合わせた開始剤系によるポリマーの開始末端へのボラート由来の官能基の導入にも成功した。ポリマーの開始末端に定量的にアジド基を導入することに成功し、そのアジド基のアルキン類とのクリック反応の進行を確認した。 【ポリ(置換メチレン)のtacticityをNMRにより解析する手法の開発】 フルオレンをエステル部の置換基とするモノマーのオリゴマー化と、重合度分別、ジアステレオ分別に成功し、それらオリゴマーの光物性を明らかにした。 【立体特異性重合の実現】 各種のジアミンを配位子とするPd錯体を用いた新たな開始剤系が、シンジオタクチックに富む立体構造を有するポリマーを比較的高収率で与えることを見出した。また、キラルなモノマーから得られるシンジオタクチックに制御されたポリマーにキラルならせん構造が誘起されることを確認した。 【高分子反応による繰り返し単位構造の変換】 エステル部にメトキシエチル基を有するジアゾ酢酸エステルの繰り返しユニットを、高度にケテンシリルアセタール骨格へと変換することに成功し、そのケテンシリルアセタール骨格の反応性を明らかにした。 【新たな官能基の導入による官能基集積型機能性高分子の合成】 新たな官能基として、各種の糖を始めとするキラルユニット、尿素結合、エステル型デンドロン等をエステル部に有するジアゾ酢酸エステルの合成とその重合に成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ジアゾ酢酸エステル重合のC1重合を制御して、構造の明確なポリ(置換メチレン)を合成することがこの研究の目的である。そのためには、得られるポリマーの分子量、分子量分布、立体構造、末端官能基等を制御する必要があるが、それらの精密な制御を目的とする研究成果をある程度達成することができている。
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Strategy for Future Research Activity |
【リビング重合の実現とポリマー末端構造の精密制御】昨年度までに開発してきた各種のマレイミドを配位子とするPd錯体を用いたジアゾ酢酸エステルの重合開始剤系によるリビング重合の実現を検討する。各種の官能基を有するボラートとPd錯体を組み合わせた開始剤系によるポリマーの分子量制御の実現を検討する。昨年度に、ポリマーの開始末端に導入したC-Br結合への後重合修飾反応により、開始末端に定量的にアジド基を導入する手法の開発に成功した。これにより得られるアジド末端とアルキン類とのクリック反応による、ブロック共重合体、星型ポリマー等の合成を検討する。 【ポリ(置換メチレン)のtacticityをNMRにより解析する手法の開発】この解析手法の開発に必要とされる構造の明確な4量体ジアスレテオマーの合成、単離には成功しているが、未だに結晶構造解析には成功していない。今年度は、さらに結晶性の向上が期待できるビフェニルやアダマンチルといった置換基のエステル部への導入を検討する。 【立体特異性重合の実現】昨年度までに、各種のジアミンを配位子とするPd錯体を用いた新たな開始剤系が、シンジオタクチックなポリマーを与えることを見出している。様々なジアミン等の配位子を用いた立体特異性重合の実現を検討する。 【キラルらせんポリマー合成の試み】昨年度までに、ジアゾ酢酸エステルの重合により得られた高度にシンジオタクチックなポリマーに、キラルならせん構造を誘起することにある程度成功している。この検討をさらに進めて、キラルらせん構造を有するポリ(置換メチレン)の合成手法の確立を検討する。 【新たな官能基の導入による官能基集積型機能性高分子の合成】新たな官能基として、各種の糖や尿素結合等をエステル部に有するジアゾ酢酸エステルを合成してその重合を行っている。その検討を継続して実施する。
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Report
(2 results)
Research Products
(14 results)