Chemical regulation of intrinsically disordered proteins in animal and plant cells
Project/Area Number |
21H02077
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 37030:Chemical biology-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
大神田 淳子 信州大学, 学術研究院農学系, 教授 (50233052)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
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Keywords | フシコクシン / 14-3-3 / 天然変性たんぱく質 / リン酸化 / mRNA翻訳制御 / 共有結合阻害剤 / 概日時計転写因子 / 蛍光標識 / イソフォーム特異的 / 不可逆的阻害剤 / 概日時計たんぱく質 / 植物成長促進剤 |
Outline of Research at the Start |
多様な細胞応答に代表される過渡的な生命現象の理解は、天然変性たんぱく質(IDP)の自在な制御を可能とする分子基盤の確立なくしては成し得ない。本研究では、IDPの構造変換とたんぱく質間相互作用の化学的制御を指向した不可逆的IDP阻害剤の創出と、動植物細胞におけるIDPの可逆的亢進操作を機序とするIDP安定化剤の生物活性を検証する。具体的には① 神経発達障害に関連するIDPを対象とした共有結合阻害剤の創出、② 14-3-3たんぱく質sigma isoform選択的な蛍光標識薬の開発、③ IDP-PPIの安定化を機序とする線虫の寿命延伸活性および植物生長促進活性、を検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ストレス応答などの細胞の恒常性を維持する仕組みを理解するうえで、天然変性たんぱく質および領域(IDP, IDR)の自在な制御を可能とする分子基盤の確立が欠かせない。本研究では、IDPとIDRのたんぱく質間相互作用を標的とした阻害剤および安定化剤を有機合成化学的に創出し、動植物細胞を用いて化合物の機能を評価することを目的とする。 2021年度は、概日時計に関連するIDPを対象とした共有結合阻害剤の探索と14-3-3たんぱく質isoform選択的な蛍光標識薬の合理設計と合成を検討した。前者については、親電子反応性置換基を有する合成分子ライブラリを合成し、我々が開発したDNAとの複合体形成を蛍光偏光変化で検出するin vitro結合試験系を用いてスクリーニングした。その結果、概日時計転写因子のシステインに不可逆的に反応してヘテロ2量化を阻害する化合物を見出すことに成功した。後者については、ジテルペン配糖体天然物フシコクシンが14-3-3とリン酸化リガンドと安定な3者会合体を形成する性質に着目し、グルコース部位の選択的化学修飾によりアクリルアミド基と蛍光基を導入した化合物を設計し合成した。活性評価の結果、化合物が複合体形成依存的に、14-3-3sigma isoformに特徴的なCys38選択的に共有結合形成反応することを明らかにし、14-3-3sigma選択的な蛍光標識化を達成することに成功した。 以上、本研究で得た化合物は、細胞内で機能する概日周期変調剤の開発のリード化合物として、また14-3-3sigma生物機能の解明に資するツールとして応用が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
結合試験に用いるBMAL1とCLOCKはbHLH-PasA-PasB領域のN末端に精製用及び可溶性タグを導入し大腸菌から発現精製して用いた。我々はこれまでに縮環型キノン類縁体がBMAL1に共有結合しCLOCKとの相互作用を阻害することを見出している。そこで、種々の芳香族または脂肪族系アミンに親電子官能基を導入した反応性化合物ライブラリを合成し評価した。結果、クロロアセチル誘導体が明らかに二量体形成を阻害することが分かった。対応するアクリルアミド体の活性は低く、親電子官能基の種類が活性に影響することが分かった。また対応する無置換誘導体や脂肪族系化合物はいずれも不活性であった。さらにヨードアセトアミド処理により化合物の活性が減少した。以上の結果は、電子吸引基を持つ芳香族系化合物がシステインと反応し、BMAL1とCLOCK の二量体形成を阻害することを示唆している。今後、細胞活性概日周期変調剤のリード化合物になると期待される。 一方、14-3-3sigmaのCys38を標的とする蛍光標識剤は、天然物の半合成的構造改変にて合成した。化合物について遺伝子組換え14-3-3sigmaとリン酸化配列ペプチドPMA2を用いたin vitro評価を行ったところ、3者会合体形成依存的、かつ14-3-3zetaと比較して14-3-3sigma優先的に標識化することが分かった。続いて化合物のリン酸化配列i+1位の認識選択性をペプチドライブラリを用いて評価し結果、Valなど疎水性アミノ酸がi+1位に存在する場合に標識効率が向上した。この結果は、FC骨格がi+1位のアミノ酸残基の形状を厳密に認識することを示している。以上のように、天然物を基盤とした新規蛍光標識剤による14-3-3sigma選択的な蛍光標識化を達成した。本化合物は、14-3-3sigma生物機能の解明に資するツールとして期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
動物細胞中で発現させた全領域のBmalとClockを含む細胞ライセートを用い、磁気ビーズを用いたpull-downアッセイにより化合物のBmal/Clockのヘテロ2量体形成阻害活性を評価する。また、システインに対する親電子反応速度パラメーターを取得し、化学的反応性と2量体阻害活性の相関関係を調べる。またアクリルアミド含有FC誘導体については、生細胞または細胞ライセートを用いた評価実験により、細胞内の14-3-3sigmaに対する蛍光標識能を評価する。 また、各種FC誘導体を用い、植物孔辺細胞中の14-3-3と細胞膜H+-ATPaseのたんぱく質間相互作用の化学的安定化の程度と気孔開度および光合成活性の促進活性について構造活性相関を調べ、FCの植物成長促進活性のメカニズムの詳細を明らかにする。
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Report
(1 results)
Research Products
(13 results)