多色リアルタイム発光測定法によるストレス応答経路間のクロストークの解明
Project/Area Number |
21H02083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 37030:Chemical biology-related
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
中島 芳浩 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究グループ長 (10291080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横田 一道 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (50633179)
宮田 椋 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (20981426)
于 躍 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (90881631)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | ルシフェラーゼ / ストレス応答 / クロストーク / 細胞内ネットワーク / リアルタイム発光測定 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、1年目にストレス応答経路解析用の発光細胞の樹立と作動性検証、2年目にストレス惹起時の経路間クロストークの測定・解析、3年目にクロストークの検証および新規活性成分の同定を実施する。なお、細胞作製、発光測定等の実験は代表者の中島が、クロストーク解析およびネットワーク構造推定等の計算は分担者の横田が担当する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、独自に創出した多色リアルタイム発光測定法により、ストレス惹起時に起こる細胞内の主要なストレス応答経路の動的変動を正確に捉え、ストレスから回避する際、そして回避できず恒常性維持が破綻する際のストレス応答経路間のクロストークを明らかにするとともに、直感的に理解し易いシンプルなネットワーク構造として「見える化」することを目的とする。今年度は、ストレス応答経路解析用の発光細胞の樹立と作動性検証を行った。 最初に、毒性モニターの実績がある緑色発光レポーターベクター(恒常的プロモーターと緑色発光ルシフェラーゼを連結したベクター)を、予め人工染色体ベクターが導入されたヒト骨肉腫由来U2OS細胞、ヒト子宮癌由来HeLa細胞、マウス線維芽細胞A9細胞の標的部位に相同組換えにより挿入し、緑色発光細胞を作製した。続いて、これらの細胞に解析対象であるストレス応答経路(酸化ストレス応答、炎症応答、小胞体ストレス応答、熱ショック応答、浸透圧ストレス応答)の鍵転写因子の応答配列を搭載した赤色発光レポーターベクターを人工染色体ベクター内の標的部位に相同組換えにより挿入することで、各種ストレス応答経路解析用の発光細胞を樹立した。続いて、樹立した細胞の作動性を検証するため、既に樹立済みのHepG2細胞とともに、各ストレス応答経路を特異的に活性化する薬剤を処理し、リアルタイム発光測定により鍵転写因子の活性化を確認したところ、いずれの細胞も既に作動性を検証済みのヒト肝癌由来HepG2細胞と類似した活性化キネティクスを示すが確認された。以上の結果より、今年度樹立した発光細胞群は当該研究で目的とするストレス応答経路間のクロストーク解析に使用できることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね当初予定したストレス応答評価用発光細胞を樹立した。試薬および資材の入手の遅延により作動性検証の実施が一時遅れたが、次年度での実施により検証を完了させた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度樹立した評価用細胞に細胞毒性が緩やかに生じるが回復しない濃度の陽性対象物質を処理し発光測定および解析を実施することで、適応応答が破綻し細胞死に向かう際のクロストークの有無についてカタログ化する。さらに発光測定で得られたストレス応答経路の活性化を確認するため、鍵転写因子の核内移行および標的遺伝子の発現を解析する。続いて、これらの解析から得られたネットワーク構造を解析し、細胞種間でのクロストークの共通性について確認する。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)