Diversity of coenzyme Q biosynthetic pathways
Project/Area Number |
21H02117
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38030:Applied biochemistry-related
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
川向 誠 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 教授 (70186138)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 郁久 新潟大学, 日本酒学センター, 特任助教 (20784531)
中澤 昌美 大阪公立大学, 大学院農学研究科, 講師 (90343417)
戒能 智宏 島根大学, 学術研究院農生命科学系, 准教授 (90541706)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,370,000 (Direct Cost: ¥4,900,000、Indirect Cost: ¥1,470,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,280,000 (Direct Cost: ¥5,600,000、Indirect Cost: ¥1,680,000)
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Keywords | コエンザイムQ / ユビキノン / 酵母 / ミトコンドリア / 生合成 / 分裂酵母 / S. pombe / 抗酸化物質 / fission yeast / 電子伝達系 / 硫化水素 / ロドキノン / PHB |
Outline of Research at the Start |
コエンザイムQは生体内において電子伝達系の必須成分として重要な機能を果たしていると同時に抗酸化物質としての機能が注目されている。CoQが生体で重要な物質であることは、ヒトの遺伝病とCoQの関連性が蓄積していることからも明らかである。一方で、実際はCoQ生合成経路が未だ完全解明されていない。むしろ我々のこれまでの解析により、PABAを介した経路など複数の経路が合成系に関わるという多様性を示す知見を得ている。未知の反応の解明、とりわけキノン骨格の上流の反応とキノンの形成反応に焦点をあて、その知見をヒトのCoQ生合成経路への理解へと拡張することを目標としている。
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Outline of Annual Research Achievements |
コエンザイムQ(CoQ)はユビキノンとも称され、ほぼすべての生物において、電子伝達系の必須成分としてエネルギー産生に必須な機能を果たすと同時に、各種酵素の補酵素として働いている。しかしながら、その生合成経路が完全には解明されていないのが現状である。これまでにヒトと同じくイソプレノイド側鎖10単位を有するCoQ10を合成する分裂酵母のCoQ生合成の研究を推進してきたところ、その大筋はヒトの生合成においても保存されていた。分裂酵母のCoQ生合成に関わる遺伝子の11種類の欠損株にヒトの相当性遺伝子を発現させて、その機能性が相補されることで、保存性の高さを証明してきた。一方で、相補能が弱い遺伝子や、単独では機能しない遺伝子などが存在し、全てに共通性があるわけではなかった。これらの一連の研究から、当初考えていたよりも多くの因子が関わることがわかってきた。本研究では、CoQ生合成の多様性を理解し、そこで得られた知見をヒトのCoQ10合成の理解へ繋げ、さらにCoQ生合成に関連する病気の理解へと発展させることを大きな目的としている。CoQ生合成は3つの段階に分けて考えることができる。1つ目は、CoQのイソプレノイド側鎖を合成する経路、2つ目はキノン骨格の前駆体となるパラヒドロキシ安息香酸(PHB)の合成経路、3つ目はプレニル化された PHBが水酸化やメチル化、脱炭酸化などを経てキノン骨格が形成される反応である。1つ目のイソプレノイド側鎖を合成する経路はほぼ解明された段階にある。2つ目の経路は、部分的にしか解明されていない。3つ目は重要な脱炭酸反応がまだ解明されていない。これらの生合成を理解するために遺伝学的、生化学的実験手法を駆使して研究を進めている。酵母において発見した結果をヒトの病気の原因の理解へと繋げていくことは、人類の健康を維持するために SDGsの視点からも重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに分裂酵母を中心に CoQ生合成の解析を進めてきた中で、大きく3つの課題が残っている。1つ目は、キノン骨格の前駆体になるパラヒドロキシ安息香酸(PHB)を合成する反応経路の詳細で、これに関してはまだ全体像の把握には至っていないが、本研究での進展が見られた。2つ目はプレニル化PHBがキノン骨格へと形成される脱炭酸反応の酵素で、これに関する研究を進めている。そして3つ目はPHB以外の前駆体としてのパラアミノ安息香酸(PABA)を介した生合成経路である。分裂酵母ではPABA前駆体として CoQ生合成に利用されることは証明したが、ヒトの場合はPABAがCoQ生合成に使用されているという証明はされていない。 一連の課題を解決するために、分裂酵母の3,400遺伝子が独立に破壊されている遺伝子破壊株ライブラリーの中から、その遺伝子産物がミトコンドリアへ局在する400株についてCoQ量を全て定量した。既知の遺伝子を除き、著しくCoQ合成が低下している株を複数株発見することができた。その中で、NADキナーゼとされるPos5や、出芽酵母で解析されているcoq11,これまでに報告がない新規遺伝子を coq12と命名し、解析を進めた。分裂酵母のpos5破壊株、coq11破壊株、coq12破壊株はいずれも野生株のCoQ合成量の5-10%程度であったことから、これらの遺伝子がCoQ10合成に重要な働きをもつことがわかった。coq11破壊株では前駆体のPHBを添加してもCoQ合成が回復しないのに対して、coq12破壊株では、PHBの添加によりCoQ合成が回復したことから、Coq12がPHBの前駆体合成に関わることが示唆された。精製したCoq12タンパク質は、分裂酵母の抽出物を添加した時、NAD還元活性を示した。まだ基質の特定には至っていないが、Coq12が酸化還元反応に関わることが証明できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後推進する研究として、分裂酵母の3,400遺伝子破壊株の中から探索したCoQ合成に関わる遺伝子の解析を進める。これまでの研究の中で見出したPos5、Coq11やCoq12の解析を進める。それらの破壊株において他のCoqタンパク質の安定性がどうなるかを調べ、それらのタンパク質と既知のCoQ合成タンパク質(Coq3-Coq9)との相互作用を調べる。特にpos5の機能解析を進める。pos5はNADキナーゼをコードすると考えられるが、実際にpos5欠損において、NADPの合成が変動するのか、あるいは他の前駆体が蓄積するのか、Pos5とCoQ合成に関わるい因子とはどのように関連するのか、ミトコンドリアにPos5が存在する意義は何か、これまでに知られている前駆体を添加した時に、CoQ合成量へ影響するのか、出芽酵母でのPOS5はCoQ生合成へ影響するのか、等の疑問に答える実験を進めていく。さらに、上記の遺伝子以外の遺伝子欠損株でCoQ合成に影響する分裂酵母株の解析を進め、蓄積してくる前駆体の解析を進め、CoQ合成経路の多様性について研究を推進する。一連の過程で浮かび上がってきたCoQ生合成に関わる遺伝子のホモログが高等生物、植物やとりわけヒトに存在しないかどうかを探索する。ヒトに存在する場合は、その機能の類似性を酵母内で調べ、CoQ合成に普遍的に機能するか知見を蓄積していく。酵母で見出された成果は酵母にとどまることなく、広く生物界のCoQ合成の理解に繋がることは、実際にこれまでの成果においても、酵母の知見が広く生物のCoQ生合成の研究に大きく貢献していることを示してきた。これらの一連の研究が、ヒトのCoQ合成の理解、そしてヒトの健康の維持の理解に繋がると考える。
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Report
(2 results)
Research Products
(17 results)
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[Journal Article] Genome-wide Screening of Genes Associated with Momilactone B Sensitivity in the Fission Yeast2021
Author(s)
Keisuke Tomita, Yoko Yashiroda, Yasuhiro Matsuo, Jeff S Piotrowski, Sheena C Li, Reika Okamoto, Mami Yoshimura, Hiromi Kimura, Yumi Kawamura, Makoto Kawamukai, Charles Boone, Minoru Yoshida, Hideaki Nojiri, Kazunori Okada
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Journal Title
G3 (Bethesda)
Volume: 11
Issue: 8
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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