Project/Area Number |
21H02126
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38040:Bioorganic chemistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中嶋 正敏 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (50237278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 和馬 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹茶業研究部門, 上級研究員 (10547722)
岡田 憲典 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (20312241)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,980,000 (Direct Cost: ¥4,600,000、Indirect Cost: ¥1,380,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,330,000 (Direct Cost: ¥4,100,000、Indirect Cost: ¥1,230,000)
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Keywords | カラムナー樹形 / レトロポゾン / ジベレリン / 異所発現 / ジオキシゲナーゼ |
Outline of Research at the Start |
リンゴには枝が横に拡がらず、柱状(カラムナー性)を呈する突然変異種が知られる。申請者らはこの樹形発現をもたらす原因遺伝子(DOX-Co)を特定し、遺伝子産物が植物の草丈を制御するホルモン・ジベレリンの活性化妨害作用を持つことを見出した。一般的なジベレリン代謝酵素群とは系統樹上で隔たりがあることから、本来は別機能を持つと考えられる。その機能を解明したい。他方、カラムナー品種では原因遺伝子の異所発現がレトロポゾンの挿入に起因しており、その発現制御機構を解明したい。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、2つのアプローチ①・②を展開している。①:リンゴDOX-Coの本来機能の解明では、操作性・コスト面・ハイスループット効果等の観点を勘案して当初想定していた3法の中からGC-MSを用いるシステムでDOX-Co特異的阻害能を有する化合物選抜試験系を整備し効率化を図った。種々の確認を経てすでに本格的なスクリーニングを開始している。また、リンゴ以外の植物体からDOX-Coと同機能を持つ分子種が存在したならば本アプローチ推進の起爆剤になると考え、候補遺伝子産物を調製して酵素活性の検出を試みた。その結果、類似の酵素活性の検出に奏功した。②:リンゴDOX-Co遺伝子の発現制御機構の解明およびリンゴ由来ジベレリン生合成酵素の性状解析では、カラムナー品種におけるリンゴDOX-Co遺伝子発現に関与し得る転写因子の絞り込みと見極めのため、すでに実施済みであるRNAseqデータを参照して、得られていた既存DNAコンティグ配列を対象とするタンパク質コード領域の探索およびBLASTpによる比較を行った。遺伝子アノテーションを実施することにより、数種の転写因子を含むDEG遺伝子リストを作成した。加えて、転写活性に必要なシス配列としての機能が「レトロポゾンLTR」に存在する可能性を検証することを目的として、ルシフェラーゼをレポーターとするレポーターアッセイ用コンストラクトを完了した。同様に、RNAseqデータの参照から既知ジベレリン生合成酵素に相同性が高い配列情報を選抜した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①では、化合物スクリーニングの展開に要求されたリコンビナントのリンゴDOX-Coタンパク質に関する収量増加を発現用プラスミドおよびホスト大腸菌の組み合わせ、および培養条件等と検討して達成した。また、DOX-Co特異的阻害能を有する化合物選抜試験系について、広く応用が効くGC-MSを用いる手法の構築を完了した。さらに、リンゴ以外の植物を対象として、リンゴDOX-Co相同遺伝子を探索し、調製したそれらのリコンビナントタンパク質の中にリンゴDOX-Coと同機能の酵素活性を検出した。②では、リンゴRNAseq等の解析データから部位・時期的に当該遺伝子の発現に関与し得る転写因子を幾つか絞り込むことができた。また、同じくリンゴRNAseq等の解析データを利用してカラムナー化への寄与が想定されるリンゴのジベレリン生合成酵素候補を選抜した。
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Strategy for Future Research Activity |
①:DOX-Co本来機能の解明については、ようやく整備できた化合物選抜系を利用してリンゴDOX-Co特異的阻害化合物の探索を本格的に実施する。化合物ライブラリーの中から酵素反応阻害度を指標に選抜する。DOX-Co酵素活性に対する阻害効力を認めた化合物を対象として、ジベレリンを基質とする他の関連酵素(ジベレリンの生合成酵素や代謝酵素)を対象とした反応阻害度を調べ、DOX-Co特異性を認めたもののみを選抜する。リコンビナントタンパク質がDOX-Coに相同な酵素活性を持っていた植物については、当該遺伝子の発現部位・発現時期について調べる。 ②:リンゴ由来DOX-Co遺伝子の発現制御機構の解明およびジベレリン生合成酵素の性状解析については、得られたDEG遺伝子リストを対象として、このリスト中からカラムナー表現型の発現に寄与すると考えられる因子候補について、遺伝子発現変動に与える転写誘導活性を検討する。また、レポーターコンストラクト導入のためのリンゴプロトプラストなどを調製し、それらをホストとしてプロモーター活性の検討を行う。他方、カラムナー品種特異的に発現する注目遺伝子群に関してはひきつづき発現状況を調べ、カラムナーへの関与が高いものの絞り込みを行う。特に、ジベレリンの生合成酵素・代謝不活性化酵素についてはリコンビナントを調製し、酵素活性の確認を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)
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[Presentation] リンゴ円柱状樹形の原因遺伝子産物はジベレリンの12位水酸化反応を触媒する2021
Author(s)
中嶋 正敏, 渡辺 大智, 高橋 郁夫, Jaroensanti-Takana Naiyanate, 宮崎 翔, 姜 凱, 中安 大, 和田 雅人, 浅見 忠男, 水谷 正治, 岡田 和馬
Organizer
植物化学調節学会 第56回大会
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