Sustainable development of farm producers in Japan and China
Project/Area Number |
21H02295
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41010:Agricultural and food economics-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊藤 順一 京都大学, 農学研究科, 教授 (80356302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北野 慎一 京都大学, 農学研究科, 准教授 (20434839)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥14,950,000 (Direct Cost: ¥11,500,000、Indirect Cost: ¥3,450,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,630,000 (Direct Cost: ¥5,100,000、Indirect Cost: ¥1,530,000)
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Keywords | 技術効率性 / 農地貸借 / 政策評価 / 取引費用 / 日本型直接支払制度 / 処理効果分析 / 農民専業合作社 / 配分効率性 / 産出距離関数 / 比較優位 / 家族経営 / 農家以外の農業経営体 / 因果推論 / 計量経済学 |
Outline of Research at the Start |
これまで農業経営体に対する専門家の関心は,おもに家族経営に向けられてきたため,企業の農業参入や垂直統合が,農業経済学のテーマとして取り上げられることは少なかった。しかし,少なくとも日本・中国に関していえば,新たな経営体の萌芽的な発展を無視できない。本研究課題では,マイクロ・データを独自に収集し,それに基づいて,企業の農業参入や組織経営体の出現に関する学術的な知見を深める。こうした試みは,農業の持続的な発展や食料の安定供給といった課題について,重要な政策的含意を提供するものと期待される。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,日中両国で多様な展開をみせる農業経営体の経営成果や持続的発展の可能性をマイクロ・データに基づいて,比較・評価することにある。これまで農業経営体に対する農業経済学者の関心は,おもに家族経営に向けられていたが,少なくとも日本・中国に関していえば,新たな経営体の存在を無視できない。両国における農業経営の現状を理解し,将来の担い手像を探ることが,本研究のライトモチーフである。 本年度は,甘粛省農業科学院の協力を得て,中国甘粛省白銀市端遠県北湾鎮富坪村で,調査票を用いての聞き取り調査を実施し,計量分析に資するデータを収集した。調査の目的は当村に展開する農民専業合作社が,事業に参加する農民の所得や環境保全型農業に対する取り組みに及ぼす影響を把握することにある。予備的な計量分析の結果,以下の事実が明らかとなった。(1) 合作事業に参加している農家の所得は,不参加農家よりも有意に高い。(2)合作事業に参加している農家は,収穫面積当たりの肥料投入量が少なく,環境保全的な農業を実践している。 これとは別に,中国の公表統計を使った計量分析の結果は,以下の事実を明らかにした。(1)合作社や龍頭企業による農業への参入は,農業の技術効率性を低下させることなく、生産性の向上に寄与している。また分析結果は,穀物から野菜・果物への作物転換により,生産者の農業所得が増加することを示唆している。(2)中国農業の生産性は1984~2000年に東部沿岸地域で顕著に上昇し、中・西部で後退した。しかし2001~2020年の期間では,西部で生産性の成長率が最も高く、東部沿岸部で最も低いことが判明した。甘粛省を含む後発西部地域の生産性向上は,穀物から園芸作物への作物転換によるものであり,中国農業における比較優位の構造とも整合的である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
甘粛省農業科学院の協力により,コロナ禍にもかかわらず,当初の計画通りに現地調査を実施し,計量分析に資するデータを入手することができた。予備的な計量分析の結果は,当初に設定した仮説の妥当性をほぼ肯定するものであった。ただし,円安の影響により,中国元換算の研究費が目減りしたため,現地調査で収集されたデータのサンプル・サイズが計画よりも小さくなり,統計分析に若干の問題が生じている。 公表統計を利用した計量分析の研究成果が,海外の一流学術雑誌(Food PolicyとJournal of Asian Economics)に掲載された。また,穀物の国際取引と中国の農業生産に関する論考が,専門誌(『中国経済経営研究』)に掲載された。これらの研究成果はいずれも,今年度に開催された学会の個別報告セッションやシンポジウムで報告された。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度が最終年度であるため,研究成果を取りまとめ,それを学会等で報告するとともに,国内外の学術雑誌に投稿する。本年度の直接経費とその他の外部資金を利用して,令和4年度の調査地(甘粛省白銀市端遠県北湾鎮富坪村)において,追加調査(調査票を用いての聞き取り調査)を行い,標本の拡充に努める。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)