Spectral factorization using the spatial localization of constituents in foods and biomass
Project/Area Number |
21H02311
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41040:Agricultural environmental engineering and agricultural information engineering-related
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
粉川 美踏 筑波大学, 生命環境系, 助教 (10732539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横矢 直人 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (40710728)
蔦 瑞樹 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 食品研究部門, 上級研究員 (80425553)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,190,000 (Direct Cost: ¥6,300,000、Indirect Cost: ¥1,890,000)
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Keywords | ラマン分光 / 非破壊分析 / ハイパースペクトルイメージング / スペクトル分解 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、非破壊分析手法でありながら、クロマトグラフィーをベースとした化学分析にならい、目的成分とその他の成分を分離してから検出・定量する手法を開発する。試料を破壊せずとも、試料表面の同時多点計測(イメージング)を行うことで、元々空間的に別れて存在している成分のスペクトルを計測時に分離できる点に着目し、空間情報を用いてスペクトルを分解する本手法を「空間スペクトル分解法」とよぶ。本研究では、多数の成分が混ざり合った食品・バイオマスのエマルジョンを計測対象とし、それぞれ別の空間を占める水相・油相中の成分を分けて定量する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、非破壊分析手法でありながら、クロマトグラフィーをベースとした化学分析にならい、目的成分とその他の成分を分離してから検出・定量する手法を開発することを目指した。試料を破壊せずとも、試料表面の同時多点計測(イメージング)を行うことで、元々空間的に別れて存在している成分のスペクトルを計測時に分離できる点に着目し、空間情報を用いてスペクトルを分解する本手法を「空間スペクトル分解法」とよぶ。 本研究では、扱いが容易である乳濁液や粉体試料を用い、マイクロメートルスケールでのハイパースペクトル画像における空間情報をスペクトル分離に用いた。本年度は、粉体試料(異なる単糖の混合物)および乳濁液(大豆油O/Wエマルション+塩)を用い、空間スペクトル分解法の計測・解析方法を開発した。昨年度構築したハイパースペクトル画像を計測するための顕微ラマン分光システムを用いて計測を行った。 試料としては以下の2種類を用いた:1) 成分混合比が既知のO/Wエマルジョン、2) 成分比が既知の単糖混合試料(グルコース、フルクトース、ガラクトース)。スペクトル情報としてラマン分光法を用いた。空間情報とスペクトル情報を合わせ持ったハイパースペクトル画像を取得し、画像中の1画素の領域に存在する成分の中から、信号源(純粋な成分のスペクトル)を求めた。この信号源を使ってスペクトル分解を行うことで、目的とする成分とそれ以外の挙動を分離することができた。最後に各画素のスペクトルを各信号源とその濃度に分解し、目的とする成分の濃度を全ての画素について平均して、試料全体としての濃度を求めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の計画通り、以下の課題に取り組んだ:(1) O/Wエマルジョンの計測、(2)粉体試料の計測、(3)解析アルゴリズムの確立(スペクトル分解、定量)、(4)定量結果の評価 (1)および(2)では、試料の調製および計測条件の最適化を実施した。(3)および(4)に関しては、スペクトル分解アルゴリズムの選定や実装、定量までの流れはすべて具体的に進めることができた。 O/Wエマルションの計測では、大豆油を純水に分散させた乳濁液を調製し、これに食塩を加えた。食塩は水相にのみ存在することを前提に、油相と水相のスペクトルを分離した後、水相のスペクトルから食塩濃度を求めた。このように微量成分の定量では、同様に計測した試料のハイパースペクトル画像を取得し、スペクトル分解を行うことで、微量成分に関連するスペクトル強度を高め、定量精度の向上が狙えることを示した。 粉体試料の計測では、成分混合比が既知の粉体試料(グルコース、ガラクトース、フルクトース)を複数条件で調製し、この試料を用いて空間スペクトル分解法の計測・解析手法を確立した。スペクトル情報としてラマン分光を用いた。粉体試料から安定したスペクトルデータを取得するためには、試料表面の均一化が必要となる。そのために錠剤化等の手法を用いた。この試料に対して、空間情報とスペクトル情報を合わせ持ったハイパースペクトル画像を取得し、画像中の1画素の領域に存在する成分の中から、信号源(純粋な成分のスペクトル)を求めた。この信号源を使ってスペクトル分解を行うことで、目的とする成分とそれ以外の挙動を分離することができた。各画素のスペクトルを各信号源とその濃度に分解し、目的とする成分の量を求めた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は主に粉体試料を用い、マイクロメートルスケールでのハイパースペクトル画像における空間情報をスペクトル分離に用いることで、成分の定量精度が向上することを示す。以下の流れに沿って研究を進める。 成分混合比が既知の粉体試料を複数条件で調製し、錠剤化を行う。 スペクトル情報としてラマン分光を用い、ミクロスケールでの顕微多点測定と、比較として従来の一点測定を行う。 顕微多点計測データからは、信号源(純粋な成分のスペクトル)をスペクト分解アルゴリズムを用いて求める。スペクトル分解アルゴリズムにはNMF(非負値行列分解)等を用いる。各画素のスペクトルを各信号源とその濃度に分解し、目的とする成分の量を求める。一方、従来の一点測定データについては、PLS等のアルゴリズムを用いて目的成分の推定を行う。 一般的に、モデルを構築するための試料(キャリブレーションデータ)と、モデルを評価するための試料(バリデーションデータ)の組成が異なる場合、従来法ではバリデーションデータの推定精度が大幅に下がることが知られており、非破壊分析手法の大きな欠点とされている。本研究で開発する空間スペクトル分解は、目的成分と非目的成分を分離することでこの欠点を克服できることが期待できる。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)