Project/Area Number |
21H02314
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41040:Agricultural environmental engineering and agricultural information engineering-related
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Research Institution | Nagoya City University (2023) Tokyo University of Agriculture and Technology (2021-2022) |
Principal Investigator |
辰己 賢一 名古屋市立大学, データサイエンス学部, 教授 (40505781)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本林 隆 東京農工大学, 農学部, 教授 (20262230)
桂 圭佑 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20432338)
斎藤 広隆 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70447514)
山下 恵 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70523596)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥18,070,000 (Direct Cost: ¥13,900,000、Indirect Cost: ¥4,170,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2021: ¥12,350,000 (Direct Cost: ¥9,500,000、Indirect Cost: ¥2,850,000)
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Keywords | データ同化技術 / 作物生長モデル / マルチスケール / 収量予測 |
Outline of Research at the Start |
作物の生長およびバイオマス・収量の精緻な予測は,最適な営農ポリシーの導出,単収の増加,農作業の省力化を実現する上で必要不可欠である.しかし,農業に関与する実世界の現象は複合的かつ連鎖的で非常に複雑である.また,センシング技術の進展により取り扱えるデータ量は増えたが,特性が多様でありデータ分析の難しさが増している.本研究課題では,データ同化技術により作物モデルと数理統計手法を融合させ,直接観測できない情報を推定し,農業従事者の意思決定に資する予測情報の提供が可能な空間スケールに非依存な高精度シミュレーション技術の確立を目的とする.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,最適な営農ポリシーの導出,単収の増加,農作業の省力化を実現する上で必要不可欠である作物の生長およびバイオマス・収量の精密な予測技術の確立のため,データ同化技術を用いたトマトの収量予測技術の改善と精度向上を目指すことを目的としている.目的達成のための具体的な研究実施項目は,1) 野外圃場における栽培実験・生育調査,2)統合型作物モデルの開発,3) 1)と2)の組み合わせたデータ同化システムの構築,4) モデルパラメータ・変数の不確実性低減と作物バイオマスの再現・予測精度に立脚したデータ同化の効果検証である. 2022年度は,昨年度に続き,野外実験圃場においてトマトの生育調査および統合型作物モデルの開発を実施した.栽培実験・生育調査では,トマトの地上部バイオマス,器官別の乾物重,LAI,葉窒素濃度,土中水分量を1週間に1回の頻度で時系列測定を実施した.また,収穫時には収量調査を実施した.さらに,UAVを用いたRGBやマルチスペクトル画像を取得した.次に土中水分・溶質・熱移動解析プログラムHYDRUSに研究代表者が開発を続けてきた群落光合成モデルを統合した統合型作物生長モデルの開発を終え,統合型作物モデルに融合粒子フィルタを組み合わせることで,モデル内変数・パラメータの不確実性低減が低減でき,かつ収量等の予測精度の高度化ができることが明らかになった.本モデルの開発により,観測困難なデータやモデル内パラメータおよび状態変数をモデルとの整合性から統計的に推定でき,トップレベル農家のアクションに資する予測情報を行うことができる可能性がある.得られた成果は国内学会で報告し,またデータ同化型作物生長モデルに関する研究については,現在英文誌への投稿準備中である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は,昨年度に引き続き野外実験圃場においてトマトの生育調査,UAV計測による状態変数の推定を実施した.また,開発した統合型作物生長モデルに融合粒子フィルタ手法を組み合わせることでデータ同化機能を実装し,農家の意思決定に資する予測情報の提供が可能なモデルシミュレーション技術の確立と検証を進めてきた.以上のことから,モデルの作成・精度検証に必要な実測データの蓄積,モデルの開発作業を順調に進めることができているため,全体としておおむね順調に進展したと判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
統合型作物モデルの開発,データ同化型作物生長モデルに関する成果をまとめて英文誌に投稿する.さらに,これまで実施してきた複数年度の生育に関する実測データを用いて, 1)統合型作物生長モデルと融合粒子フィルタの融合,2)野外圃場での実測およびUAV計測で得られた結果に基づくデータ同化効果の検証・評価をより詳細に実施する.特に,データ同化モデルの開発・検証・評価に時間を十分に割いて,直接観測できない値の推論を可能にする汎用性の高いモデル確立を目指したい.
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