An innovative strategy for fertilization of oligotrophic seas with land-ocean linkages using a terrestrial anaerobic digestate pellet
Project/Area Number |
21H02331
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 41050:Environmental agriculture-related
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
浅岡 聡 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 准教授 (60548981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅原 亮 広島大学, 環境安全センター, 助教 (40825791)
井原 一高 神戸大学, 農学研究科, 教授 (50396256)
吉田 弦 神戸大学, 農学研究科, 助教 (60729789)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,940,000 (Direct Cost: ¥3,800,000、Indirect Cost: ¥1,140,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,320,000 (Direct Cost: ¥6,400,000、Indirect Cost: ¥1,920,000)
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Keywords | 貧栄養化 / 海洋肥沃化 / SDGs / 栄養塩 / 資源循環 / メタン発酵 / 肥沃化 / メタン発酵消化液 / 栄養塩循環 |
Outline of Research at the Start |
メタン発酵消化液とセメントを混合し「海洋肥沃化ペレット」を作製し,陸―海を繋ぐ新たな栄養塩フローを作ることで,新規な貧栄養海域の肥沃化方法を提案する。近年の瀬戸内海の漁獲量は1980年前半のピークに対して1/3に減少し貧栄養化が問題となっている。 陸域では大量に発生する畜産廃棄物の処理も喫緊の課題である。本研究ではメタン発酵によるバイオマス発電の安定的な普及のために,通年に亘って利活用先の開拓が必要なメタン発酵消化液から海洋肥沃化ペレットを作製する。海洋肥沃化ペレットによって,微細藻類,大型藻類を増殖させ食物連鎖による栄養塩の高次消費者への転送を強化し,新たな貧栄養海域の肥沃化方法を提案する。
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Outline of Annual Research Achievements |
現在,一部しか利活用先が開拓されていないメタン発酵で副生する消化液について消化液をバインダーで固め,貧栄養化海域に栄養塩を溶出させ肥沃化を達成するための海洋肥沃化ペレットを開発する。2022年度の実績は以下の通りである。 (1)海洋肥沃化ペレットの作製に好適な消化液の作製では,メタン発酵時のpHを6.5―8.0まで変化させて培養試験を実施した。累積メタン収率はpHが低くなると低下したが,発酵時のpH制御により、微細藻類の成長に影響する栄養塩の溶存量を増加できる可能性が示された。また,膜分離メタン発酵により高品質な消化液を生産できる可能性が示された。 (2)海洋肥沃化ペレットからの栄養塩の溶出挙動の把握では,海洋肥沃化ペレットからの窒素,リンの溶出速度は高炉セメント(バインダー)の添加量が少ないほど栄養塩溶出速度は速かった。また,海洋肥沃化ペレットから溶出する栄養塩の化学形態は,リンについては,ほぼ無機態リンであった。一方,海洋肥沃化ペレットからの窒素の溶出は,アンモニア態窒素,亜硝酸態窒素,有機態窒素であった。 (3)海洋肥沃化ペレットによる微細藻類の増殖を評価では,貧栄養海水を対照区として,貧栄養海水に海洋肥沃化ペレットを添加した海洋肥沃化ペレット区,それぞれの培地で現場の微細藻類を培養しクロロフィルa濃度の経時変化を測定した。培養開始から14日で対照区のクロロフィルa濃度は,ほとんど上昇しなかったが,海洋肥沃化ペレット区では対照区に比べてクロロフィルa濃度が116倍となった。 (4)海洋肥沃化ペレットによる大型藻類の生育評価では,水槽に砂ろ過海水を常時かけ流し,海洋肥沃化ペレットから栄養塩を溶出させ,ワカメを培養した。ワカメのクロロフィルa量は対照区に比べて海洋肥沃化ペレット区では2倍を示し,海洋肥沃化ペレット区ではワカメの色落ちが軽減されていた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度は以下の項目を計画し,いずれも成果が得られており,概ね順調と判断した。 (1)海洋肥沃化ペレットの作製に好適な消化液の作製 (2)海洋肥沃化ペレットからの栄養塩の溶出挙動を把握 (3)海洋肥沃化ペレットによる微細藻類の増殖を評価 (4)海洋肥沃化ペレットによる大型藻類の生育評価
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Strategy for Future Research Activity |
(1)海洋肥沃化ペレットの作製に好適な消化液の作製では,メタンガス収率が高く,かつ微細藻類あるいは大型藻類を選択的に増殖させるため,アンモニア態窒素あるいは硝酸態窒素の濃度が高い消化液が生成されるメタン発酵条件のパラメーターを決定する。MBRリアクターを試作し高負荷運転条件を検討し消化液に栄養塩が濃縮できる発酵条件を最適化する。 (2)海洋肥沃化ペレットからの栄養塩の溶出時持続性を把握では,2021年度および2022年度に最適化した海洋肥沃化ペレットからの栄養塩溶出について,栄養塩溶出の持続性を,溶出速度,海洋肥沃化ペレットに含まれる栄養塩濃度の経時変化などの測定によって定量化する。 (3)海洋肥沃化ペレットによる大型藻類の生育評価では,広島県内の沿岸域のワカメ養殖場あるいは水産試験場を借用し,敷地内にワカメの種糸をロープに巻き付け幹縄として設置し,ワカメの生育試験を行う。海洋肥沃化ペレットによるワカメの生育促進効果をより現場に近い環境で評価し,海洋肥沃化ペレットの有効性を裏付ける。
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Report
(2 results)
Research Products
(3 results)