Project/Area Number |
21H02379
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 42030:Animal life science-related
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
高島 誠司 信州大学, 学術研究院繊維学系, 准教授 (40396891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩森 督子 九州大学, 農学研究院, 特別研究員(RPD) (10711509)
藤原 祥高 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (70578848)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,290,000 (Direct Cost: ¥13,300,000、Indirect Cost: ¥3,990,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
Fiscal Year 2022: ¥6,110,000 (Direct Cost: ¥4,700,000、Indirect Cost: ¥1,410,000)
Fiscal Year 2021: ¥5,590,000 (Direct Cost: ¥4,300,000、Indirect Cost: ¥1,290,000)
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Keywords | 精子幹細胞ニッシェ / 血液精巣関門 / 細胞間架橋 / セミノリピド / 精子形成不全 / 細胞極性 / 減数分裂 / 合胞体 / 密着結合 / 精子形成 / 男性不妊 / セミノリピッド |
Outline of Research at the Start |
セミノリピッド欠損が『合胞体形成メカニズム』『血液精巣関門制御メカニズム』のどの過程にどのような異常をもたらすかを明らかにし、さらに、これらの知見を活かした精子形成抑制法・精子幹細胞の移植効率改善法の開発に挑戦する。 セミノリピッドが合胞体形成において果たす役割の解明とその応用については、セミノリピッドと機能的因果関係にある合胞体形成関連分子を同定し、その操作により精子形成の抑制が可能かを検証する。セミノリピッドが血液精巣関門を制御する仕組みの解明とその応用については、セミノリピッド欠損による血液精巣関門機能低下に関与する分子を同定し、その操作により精子幹細胞移植効率の改善を試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度は2つの課題に対し以下に記すアプローチを行った。 ①雄性生殖細胞合胞体形成におけるセミノリピドの役割解明 セミノリピド欠損精巣で出現する多核巨細胞は生殖細胞合胞体の形成異常によるものと推察される。初年度においてこの現象が生殖細胞分化のどの段階で起こるかを検証した結果、精母細胞のZygotene-mid Pachytene期にこれが出現することを突き止めた。本年度は細胞間架橋がどのステージで変容をきたすかを解析した。細胞間架橋の局在を蛍光免疫染色により解析したところ、セミノリピド欠損マウスでは初期精母細胞ですでに多核化を始めておりこの時細胞間架橋構成分子TEX14の局在が変容し架橋とは異なる位置の細胞表面に局在していることを見出した。このことはセミノリピドが細胞間架橋構成分子の局在制御に加担する可能性を示唆している。
②血液精巣関門制御におけるセミノリピドの役割解明 本年度は、電子顕微鏡観察による血液精巣関門の観察を行なった。結果、セミノリピド欠損精巣でも機能的な密着結合の存在を示す『発達したアクチン繊維に裏打ちされた細胞膜のキッシング構造』が確認された。このことは、セミノリピド非存在下でも密着結合を構築することができることを示している。そこで次に、密着結合の連続性の有無をホールマウント免疫染色で観察したところ、セミノリピド欠損精巣でも連続した密着結合帯の形成が確認された。しかしこの時、結合装置を裏打ちするアクチン繊維の束にほつれのようなものが見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度遂行予定の計画をおおむねこなすことができた。しかし、予定していたセルトリ細胞RNAseq実験について、使用する動物を当初予定ものよりも使いやすいものに変更する作業を行なったため、遺伝子組み換え動物の交配にとどまっており、実際の実験実施・解析は来年度に持ち越しとなった。このことから評価区分を上記の通りとした。
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Strategy for Future Research Activity |
①雄性生殖細胞合胞体形成におけるセミノリピドの役割解明:本年度導入し繁殖体制を構築した複数の遺伝子改変マウスとセミノリピド欠損マウスを比較解析し、多核巨細胞形成における各遺伝子の役割とその主従関係を明らかにする。 ②血液精巣関門制御におけるセミノリピドの役割解明:野生型マウス・セミノリピド欠損マウスの双方よりセルトリ細胞を純化し網羅的遺伝子発現解析を行う。ここから血液精巣関門の機能発現に関わる遺伝子群を抽出し、ミュータントマウスの作出によりその機能を解析する。また、セミノリピド欠損がセルトリ細胞の極性を変容させることから、細胞極性関連遺伝子のセルトリ細胞特異的欠損マウスを作出し、血液精巣関門の構造・機能変容の有無を解析する。
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