病原菌ヘムトランスポーターの構造変化の追跡と基質輸送機構の解明
Project/Area Number |
21H02421
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 43020:Structural biochemistry-related
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
杉本 宏 国立研究開発法人理化学研究所, 放射光科学研究センター, 専任研究員 (90344043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 哲就 神戸大学, 理学研究科, 准教授 (70506906)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,160,000 (Direct Cost: ¥13,200,000、Indirect Cost: ¥3,960,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2022: ¥8,320,000 (Direct Cost: ¥6,400,000、Indirect Cost: ¥1,920,000)
Fiscal Year 2021: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
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Keywords | ヘム / 構造解析 / X線結晶構造解析 / クライオ電子顕微鏡 / トランスポーター / 膜輸送 |
Outline of Research at the Start |
私たちヒトが食べ物から体内に吸収した鉄分は、各細胞へ運ばれて様々なタンパク質と結合して生理反応を触媒する。一方で病原菌は、宿主のヘモグロビンからヘムを奪い取り、病原菌の細胞膜で機能する「ヘムトランスポーター」によってヘムを細胞内へ取り込んでいる。そして細胞質でヘム分解酵素が鉄イオンをヘムから取り出すことで、菌の増殖に必要な機能に利用している。本研究では、生体エネルギーであるATPの加水分解の駆動力を利用して膜輸送を行うヘムトランスポーターの分子構造の変化を構造生物学や分光学の手法によって追跡し、ATP依存的なヘム輸送の仕組みの全容を原子レベルで解明する。
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Outline of Annual Research Achievements |
生物にとって必須な金属イオンはATP加水分解のエネルギーを駆動力にして細胞内へ取り込まれている例が多い。その役目を担っているATP-binding cassette (ABC)トランスポーターは膜貫通領域(TMD)とATP加水分解ドメイン(NBD)を持ち、構造を変化させながら基質を膜輸送する。病原菌のヘムトランスポーターもABCファミリーに属するタンパク質で、宿主の赤血球中から奪ってきたヘムを菌体内へ膜輸送する役割を担っている。本課題では、ヘムトランスポーターによるヘムの輸送メカニズムを原子レベルで解明することを目的としており、クライオ電子顕微鏡を用いた単粒子解析法によって複数の状態のトランスポーターの構造解析を実施した。ATPフリー状態のアポ型において新たに発見した構造上の特徴は、2つのTMDサブユニットが非対称なダイマーを形成して閉塞構造をとることであった。また、ATPアナログ結合型では2つのTMDが2回対称性の高いダイマーとなることに加えて、アポ型とは違う形式で細胞質側のゲートを閉じた閉塞状態になっていた。アポ型の構造は輸送前の状態であり、ATPアナログ結合型はヘムを受け取る前の中間的な構造であると解釈している。これらの結果は、NBDへのATP結合がTMDヘリックスの動きを制御する仕組みを初めて明らかにした成果である。さらに、ヘムをTMDに受け渡す役目を担っているペリプラズムヘム結合タンパク質(PBP)結合型の構造解析にも成功しており、ヘム輸送における構造変化メカニズムの構造生物学研究を大きく進展させた。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Report
(3 results)
Research Products
(30 results)
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[Journal Article] A redox switch allows binding of Fe(II) and Fe(III) ions in the cyanobacterial iron-binding protein FutA from <i>Prochlorococcus</i>2024
Author(s)
Bolton,Machelett.Stubbs,Axford,Caramello,Catapano,Mal,Rodrigues,Cordery,Tizzard,MacMillan,Engilberge,von Stetten,Tosha,Sugimoto,Worrall,Webb,Zubkov,Coles,Mathieu,Steiner,Murshudov,Schrader,Orville,Royant,Evans,Hough,Owen,Tews
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Journal Title
Proceedings of the National Academy of Sciences
Volume: 121
Issue: 12
Pages: 1-6
DOI
Related Report
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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