トゲウオ科魚類における収斂進化のホットスポット遺伝子の決定要因
Project/Area Number |
21H02542
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 45020:Evolutionary biology-related
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Research Institution | National Institute of Genetics |
Principal Investigator |
山崎 曜 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 助教 (40816021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北野 潤 国立遺伝学研究所, ゲノム・進化研究系, 教授 (80346105)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,680,000 (Direct Cost: ¥13,600,000、Indirect Cost: ¥4,080,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2021: ¥9,750,000 (Direct Cost: ¥7,500,000、Indirect Cost: ¥2,250,000)
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Keywords | 収斂進化 / 集団構造 / 多面発現 / 鱗板 / トゲウオ科 |
Outline of Research at the Start |
適応進化には遺伝子の変異が伴うが,なぜその遺伝子や変異が利用されたのだろうか?収斂進化は類似した選択圧のもと類似した形質が独立に進化する現象だが,この収斂進化に使用される遺伝子は特定のものにバイアスする場合が多く見られる.このバイアスを引き起こす要因の解明が,適応における遺伝子利用機構の解明に繋がる.本研究では,トゲウオ科魚類で確認されている,鱗の枚数減少の収斂進化の遺伝的基盤を対象とする.この収斂進化に同一の原因変異や遺伝子が何度も使用されたことが既に分かっている.この鱗板進化のホットスポット遺伝子やホットスポット変異が生じる要因を,特に集団構造と多面発現効果に着目して解明する.
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Outline of Annual Research Achievements |
適応進化に使用される遺伝子や変異は予測可能だろうか?収斂進化は類似した選択圧のもと類似した形質が独立に進化する現象である.収斂進化に使用される遺伝子は特定のものにバイアスする場合が多く見られる.このバイアスを引き起こす要因こそが,適応進化の遺伝的基盤を決める要因と考えられる.本研究では,トゲウオ科魚類で確認されている,鱗の枚数減少の収斂進化の遺伝的基盤を対象とする.この適応進化においてホットスポット遺伝子やホットスポット変異が生じる要因を,特に集団構造と多面発現効果に着目して解明する. 本年度は以下の内容を実施した.まずトゲウオ科のイトヨについて,ゲノム編集により鱗板枚数減少の候補原因遺伝子であるEdarのノックアウトを作成した.ノックアウト第一世代は鱗板やその他の形質に明瞭な変異が見られ,Edarが実際の原因遺伝子であることが支持された.次に全ゲノム解析により,淡水型と回遊型の集団間の遺伝子流動の量を,日本と北米のそれぞれで推定した.北米では遺伝子流動量は高く推定された一方で,日本では低く推定された.また日本の回遊型集団内には低鱗板数タイプのアリルが見られなかった.以上から日本では遺伝子流動量が低いために集団間で低鱗板数タイプのアリルが共有されにくかったことが支持された. イトヨと同様に鱗板変異があるトミヨについても,ゲノム編集で候補原因遺伝子であるEdarのノックアウト個体を作成した.またEdarの鱗板完全型と不完全型アリル間に見られた構造変異が候補原因変異と考え,その領域についてゲノム編集を実施した.トミヨの鱗板変異を説明する二つのゲノム領域についてアリルの起源の年代をAncestral recombination graph解析で推定した.アリル間の分岐は近縁種との種分化よりも深く,種分化以前より維持されていると推定された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イトヨとトミヨの両方についてEdar遺伝子ゲノム編集実験を行い,変異体を得ることが出来た.また集団遺伝解析についても,一部を除いて概ね完了した.
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Strategy for Future Research Activity |
まずイトヨについて,鱗板変異の候補原因遺伝子であるEdarとEdaの候補原因領域を絞り込むためのF2家系の再作成と飼育を行う.次にゲノム編集でEdarに変異を導入した個体を掛け合わせ,導入変異をホモに持つ個体を作成し,育成する.得られた個体の形態を観察し,鱗板以外の形質への多面発現効果を確認する. 次にトミヨについて,ゲノム編集によるEdarへの導入変異をホモに持つ個体の作成を行う.得られたホモ個体についてイトヨ同様に多面発現効果を観察する.トミヨについてはEdarの候補原因変異がある程度絞り込めているため,ゲノム編集によりこの変異が実際の原因変異かどうかを確認する.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)