Basic research for development of a new drug for the treatment of myasthenia gravis
Project/Area Number |
21H02614
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 47020:Pharmaceutical analytical chemistry and physicochemistry-related
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
清水 広介 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 准教授 (30423841)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間賀田 泰寛 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 教授 (20209399)
山岸 覚 浜松医科大学, 光尖端医学教育研究センター, 教授 (40372362)
福田 敦夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50254272)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2022: ¥4,290,000 (Direct Cost: ¥3,300,000、Indirect Cost: ¥990,000)
Fiscal Year 2021: ¥8,580,000 (Direct Cost: ¥6,600,000、Indirect Cost: ¥1,980,000)
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Keywords | 重症筋無力症 / ドラッグデリバリーシステム / リポソーム / 自己免疫疾患 / アセチルコリン / 自己抗原修飾リポソーム / アセチルコリン受容体αサブユニット / EAMG / 筋電図 / 自己免疫疾患治療 / アセチルコリン受容体 / Chrna1 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、自己免疫性神経免疫疾患の一つである重症筋無力症(Myasthenia gravis: MG)の発症や進行において最も重要な役割を果たすアセチルコリン受容体(AChR)認識免疫細胞に対して、独自に開発を進める薬物送達システム(自己抗原修飾リポソーム)を用いて細胞障害を引き起こし、AChRに対する自己免疫反応を特異的に抑制することでMGの治療を行う新たな方法を確立し、MGの根治を目指すものである。
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Outline of Annual Research Achievements |
重症筋無力症(MG)に対する新規治療薬開発に向け、まずその疾患モデルである実験的自己免疫性重症筋無力症(EAMG)マウスを作製し、その病態評価を行った。自己抗原として用いたアセチルコリン受容体αサブユニット部分ペプチド(Chrna1)をC57BL/6雌性マウスの足の裏および背中に皮下投与することで免疫してEAMGの誘導を行い、握力測定装置によりマウスの握力を測定したところ、正常マウスに比べEAMGマウスの握力の低下が確認された。また神経筋接合部における筋電図測定を行ったところ、EAMGマウスにおいて、電気刺激に対する複合筋活動電位の振幅(CMAP amplitude)の減少が観察された。これに対し治療薬として、自己抗原であるChrna1をリポソーム表面に付与し、細胞障害性薬物であるドキソルビシン(DOX)を内封したDOX内封Chrna1修飾リポソーム(AChR-LipDOX)を調製した。Chrna1の免疫によりEAMGの誘導を行ったマウスに対し、DOX投与量として0.1 mg/kg/dayとなるようにAChR-LipDOXを中2日で3回の尾静脈内投与を行い、その後Chrna1の皮下投与により追加免疫を行った後に握力測定(四肢および前肢)を行ったところ、未処置群に比べAChR-LipDOX投与群において握力の減少が有意に抑えられることが明らかとなった。この結果、新たに開発したAChR-LipDOXが、EAMGに対し治療効果を有することが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度の研究計画は、MGモデルであるEAMGマウスを作製し、その病態評価を行うとともに、MGに対する新たな治療薬として開発した薬物内封自己抗原修飾リポソーム(AChR-LipDOX)の治療効果を明らかとすることを目的としており、結果としてEAMG誘導によるマウスの握力低下や筋電図変化(CMAP amplitudeの減少)を確認できたとともに、AChR-LipDOX投与による握力低下の改善効果を明らかにした。 また、本研究内容を含む自己抗原修飾リポソームを用いた自己免疫疾患治療についての研究成果が評価され、2022年度日本薬剤学会旭化成創剤研究奨励賞を受賞した。 このように本治療戦略のMG治療への応用が十分期待できる成果、評価を増やしており、目標達成に向けて研究は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究の最終年度である令和5年度の研究計画は、EAMGに対する治療効果を有していることが明らかとなったAChR-LipDOXについて、その機構解析の検討を行う。まず、治療効果について、DOX単体やDOX内封Chrna1未修飾リポソーム(LipDOX)、DOX未封入Chrna1修飾リポソーム(AChR-Lip)と比較検討を行い、治療効果におけるDOX内封ならびにChrna1修飾の重要性を明らかとする。治療評価としては、これまで行ってきた握力測定や筋電図測定の他に、重症筋無力症の発症の鍵となる抗アセチルコリン受容体抗体の産生への影響を調べ、さらに神経筋接合部におけるアセチルコリン受容体発現への影響や病理解析も行う。次にAChR-LipDOXの標的細胞の同定に向け、重症筋無力症発症に関与する免疫細胞への影響を調べる。特にCD4陽性T細胞やTh1、Th2、Th17細胞などのエフェクターT細胞、制御性T細胞であるTreg細胞、抗アセチルコリン受容体抗体(自己抗体)産生B細胞、さらにはAChR認識T細胞に注目してFACSを用いて網羅的に解析し、免疫細胞への標的性ならびに障害性の全容を解明する。またこれら検討で得られた成果について、学術集会ならびに学術論文にて発表を行う。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)