リンパ節におけるリンパ洞フィルターの分子・細胞基盤と免疫応答制御
Project/Area Number |
21H02653
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 48010:Anatomy-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
片貝 智哉 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00324682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥田 修二郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00512310)
平島 正則 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40383757)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,460,000 (Direct Cost: ¥4,200,000、Indirect Cost: ¥1,260,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,720,000 (Direct Cost: ¥4,400,000、Indirect Cost: ¥1,320,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,240,000 (Direct Cost: ¥4,800,000、Indirect Cost: ¥1,440,000)
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Keywords | リンパ節 / リンパ洞 / リンパ管内皮細胞 / 間質ストローマ細胞 / 組織マクロファージ / マクロファージ / ストローマ細胞 / リンパ液フィルター / 免疫応答 / 細胞間相互作用 / リンパ洞フィルター |
Outline of Research at the Start |
抗原に対するリンパ節の素早い応答は、リンパ洞フィルターに依存し免疫学的に重要な過程である。しかし、その構造や機能については未だ不明な点が多い。本研究は、特定領域に局在する特殊なリンパ管内皮細胞、間質ストローマ細胞、組織マクロファージから構成されるリンパ洞フィルターの分子基盤と構築原理、免疫学的意義の究明をする。先端イメージングと遺伝子改変マウスを用いて組織微細構造と機能動態を解明し、特に関連が深いと予想される弾性線維に注目する。また、複数の1細胞発現データの統合的解析により多細胞間相互作用に関わる分子実態を探る。そして、免疫応答におけるリンパ洞フィルターシステムの重要性を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
リンパ節において、リンパ管を介して到達した抗原や液性因子に対する素早い応答は、リンパ洞の独特な組織構造と濾過機能に依存し、免疫・生理学的にも極めて重要な過程であると考えられる。しかし、このリンパ洞フィルターの構造や機能の詳細については未だ不明な点が多い。本研究は、リンパ節の特定領域に局在する特殊なリンパ管内皮細胞、間質ストローマ細胞、組織マクロファージにより構成されるリンパ洞フィルターの組織・細胞構造の分子基盤と構築原理、および免疫・生理学的意義の究明を目的とする。 初年度は、野生型マウスや各種遺伝子発現レポーターマウスを用いて、リンパ節の洞内皮細胞、ストローマ細胞、マクロファージを含む免疫細胞の各種マーカーについて、共焦点および多光子励起レーザー顕微鏡による高解像度顕微観察を行い、リンパ洞フィルターの分子細胞構成・微細構造の詳細を明らかにした。また、蛍光標識デキストラン(分子量可変)、ポリスチレンビーズ(粒径可変)、黄色ブドウ球菌、酵母菌、LPS、卵白アルブミン(OVA)をマウス皮下に投与し、浸出リンパ節のリンパ洞フィルターによる捕捉・移送の経時的観察を行うとともに、フローサイトメトリーによりマクロファージサブセットへの取り込みを定量的に評価した。さらに、クロドロン酸内包リポソーム投与によるマクロファージ除去の影響を検討した。これらの解析により、髄洞の一部が網目状のリンパ管内皮細胞ネットワークと髄質マクロファージにより特殊な物理フィルター構造を形成し、リンパ節におけるリンパ液フィルターの本体であることを明確にした。我々は、この領域を辺縁髄洞接続帯(SMB)領域と名付けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
リンパ節のリンパ洞フィルターに関する基本的な性状解析が順調に進行し、本研究の基盤となる知見が得られているため、概ね計画どおりに進捗しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、自然・獲得免疫応答におけるリンパ洞フィルターの役割を探るために、遺伝子改変/機能阻害マウスに抗原・因子を皮下投与後、リンパ節で誘導される応答の詳細を検討する。また、組織由来の樹状細胞がリンパ節へ移動する前の初期応答を検出するために、マウス耳介に抗原・因子を投与30分後に耳介を切除し、頸部リンパ節における免疫細胞の変動、活性化・分裂、各種サイトカイン産生をフローサイトメトリーにより評価する。蛍光標識したOT-I、OT-II由来T細胞(OVA特異的)をマウスに移入し、OVAタンパク質/抗原ペプチドを皮下投与後、初期応答を検討する。各抗原・因子により誘導される応答の差異、捕捉・移送ルート、免疫細胞の活動を対応させ、リンパ洞フィルターとの関連を評価する。 癌免疫応答やリンパ節転移におけるリンパ洞フィルターの役割を調べるために、リンパ節転移性マウス乳癌細胞株E0771を第5乳腺皮下に移植・成長させ、鼠径、腋下リンパ節の応答や転移を誘導し、リンパ洞の構造、各種免疫細胞・洞内皮・ストローマ細胞分布、分子発現などに関して経時的な解析を行う。OVA/EGFPを安定発現させた癌細胞株を移植し、OT-I, OT-II細胞を同時移植した場合の免疫・組織学的解析、生体イメージングによる観察を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Lymph node stromal cells: diverse meshwork structures weave functionally subdivided niches2021
Author(s)
Takeuchi, A., Ozawa, M., Cui, G., Ikuta, K., and Katakai, T.
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Journal Title
Curr. Top. Microbiol. Immunol.
Volume: 434
Pages: 103-121
DOI
ISBN
9783030860158, 9783030860165
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Peer Reviewed
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