サイトカインデコイを介した自然リンパ球による炎症反応収束機構の解明
Project/Area Number |
21H02750
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 49070:Immunology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
本村 泰隆 大阪大学, 大学院医学系研究科, 准教授 (10587794)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,550,000 (Direct Cost: ¥13,500,000、Indirect Cost: ¥4,050,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2021: ¥7,410,000 (Direct Cost: ¥5,700,000、Indirect Cost: ¥1,710,000)
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Keywords | 自然免疫 / サイトカインデコイ / 自然リンパ球 / 収束機構 |
Outline of Research at the Start |
自然免疫の司令塔となる自然リンパ球(ILC)は、獲得免疫が駆動するまでの感染初期に重要な役割を担う。ILCは、非免疫細胞の細胞死の際に放出される危機シグナルによって活性化し、一度炎症が誘導されると細胞死が加速するため、さらなる危機シグナルが放出され過剰なILCの活性化を引き起こしてしまう。つまり、ILC誘導性炎症に適切な炎症収束機構が存在しなければ、致死的な炎症につながることが考えられるが、その機構はいまだ明らかとなっていない。本研究では、サイトカインデコイ受容体に着目し、デコイ受容体を介したILCの炎症反応収束機構およびその破綻がもたらす疾患発症機序を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
抗原により活性化し、抗原の消失と共に炎症が収束するT細胞とは異なり、内在性因子によって活性化する自然リンパ球 (ILC) の炎症収束機構はいまだ明らかとなっていない。これまでに、分泌型のサイトカイン受容体であるサイトカインデコイ受容体がその役を担っている可能性を見出した。そこで、サイトカインデコイ受容体を介した自然リンパ球による炎症収束機構を解き明かす。これまでにIL-33のサイトカインデコイである可溶性ST2が2型炎症によって誘導され、ILC2の反応を収束させる可能性を見出した。さらに、主に、間葉系細胞に可溶性ST2の発現が見られたことから間葉系細胞による収束機構の存在が見えてきた。IL-33欠損マウスでは、肺におけるIL-17A産生細胞の増加がみられたことから、ILC2の抑制が、ILC3反応の亢進に寄与する結果が得られ、ILCサブセット間の排他的関係性が示唆された。次に、サイトカインデコイによるILC1およびILC3による反応の収束機構について解析を行った。興味深いことにLPS投与により、IL-1bおよびIL-18を介してILC3、ILC1の活性化を誘導した。同時に、IL-1b受容体のデコイとして働くIL-1rnの発現亢進も観察され、肺におけるIL-1bおよびIL-1rnの発現は、主にマクロファージで見られた。一方で、IL-18の発現は、マクロファージと中皮細胞にみられ、IL-18受容体のデコイとして働くIL-18bpは、中皮細胞において発現がみられた。これらの結果は、マクロファージがILC3の反応、中皮細胞がILC1の反応のアクセルとともにブレーキを制御している可能性が示唆され、サイトカインデコイがILC1とILC3による反応の収束にも寄与することが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
IL-33受容体のデコイである可溶性ST2によるILC2による炎症反応の収束機序を、可溶性ST2の経時的な発現解析に加え、産生細胞の同定により明らかにした。さらに、LPSによる好中球性炎症モデルマウスを用いて、ILC1およびILC3による炎症反応の収束機序においても解析を試みた。その結果、ILC1を活性化するIL-18およびそのデコイとして知られるIL-18bpの発現、またILC3を活性化するIL-1bおよびそのデコイであるIL-1rnの発現が、それぞれマクロファージ、中皮細胞に見られた。これらの結果は、ILCサブセットに共通して、活性化するサイトカインとその反応の収束するサイトカインデコイが同じ細胞によって産生されていることが明らかとなり、ILCサブセットにおいて、共通したサイトカインデコイを介した収束機構の存在を見出した。以上より、おおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでにサイトカインデコイによるILCの炎症反応収束機構の存在が明らかとなってきた。次は、各ILCサブセット間の関係におけるサイトカインデコイの役割に注目し解析を行う。1、2、3型免疫応答は互いに拮抗関係にあり、互いに抑制し合う可能性が見えてきた。そこで、本計画では、サイトカインデコイがILCサブセット間での拮抗作用を担う可能性を検討する。肥満による2型糖尿病や炎症性腸疾患(IBD)患者において、血清中のsST2が顕著に増加することから、1型、3型炎症時に、sST2を介したILC2による2型炎症の抑制がみられるかを確認すると同時にsST2産生細胞を同定する。また、sST2阻害剤により、sST2の抑制作用が消失したときに、ILC1、ILC3の機能、さらには1型、3型炎症病態に与える影響を解析する。1型、3型炎症病態としては、これまで使用してきた肥満および大腸炎モデルマウスを用いる。一方で、sST2を過剰発現させることにより、ILC2の抑制、さらには、ILC1およびILC3の過剰な活性化や1型、3型炎症による病態の増悪がみられるかを検証することにより、サイトカインデコイを介したILCサブセット間での排他的制御機構の存在を明らかにする。
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Report
(2 results)
Research Products
(7 results)
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[Journal Article] ILCs and Allergy2022
Author(s)
Kabata Hiroki、Motomura Yasutaka、Kiniwa Tsuyoshi、Kobayashi Tetsuro、Moro Kazuyo
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Journal Title
Advances in Experimental Medicine and Biology
Volume: 6
Pages: 75-95
DOI
ISBN
9789811683862, 9789811683879
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