Project/Area Number |
21H02841
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 52020:Neurology-related
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長野 清一 大阪大学, 大学院医学系研究科, 寄附講座教授 (40362727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永井 義隆 近畿大学, 医学部, 教授 (60335354)
池中 建介 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (70774058)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥17,420,000 (Direct Cost: ¥13,400,000、Indirect Cost: ¥4,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥5,070,000 (Direct Cost: ¥3,900,000、Indirect Cost: ¥1,170,000)
Fiscal Year 2022: ¥5,850,000 (Direct Cost: ¥4,500,000、Indirect Cost: ¥1,350,000)
Fiscal Year 2021: ¥6,500,000 (Direct Cost: ¥5,000,000、Indirect Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 筋萎縮性側索硬化症 / 前頭側頭葉変性症 / 神経軸索 / 局所翻訳 |
Outline of Research at the Start |
ALS、FTLDではRNA結合蛋白質TDP-43の細胞内沈着を認める。我々はTDP-43による神経軸索へのmRNA輸送標的としてリボソーム蛋白質(RP)mRNAを同定し、ALS/FTLDではRP mRNA軸索輸送の障害による軸索局所でのリボソームの翻訳機能の低下が病態に関与することを示した。本研究ではTDP-43以外のALS/FTLD原因遺伝子C9orf72、FUSの変異も同様に局所翻訳機能の低下により発症に関わると考え、神経細胞・ハエ・線虫モデルを用いて局所翻訳機能障害とそれにより神経変性に関与するmRNAの検証を行う。さらに同モデルにより翻訳促進遺伝子や薬剤の神経変性抑制効果を解析する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では筋萎縮性側索硬化症(ALS)および前頭側頭葉変性症(FTLD)における神経変性現象の共通誘因として神経細胞内、特に軸索での蛋白質翻訳機能の破綻が関与しているか、この局所翻訳機能の異常により軸索で翻訳が障害されて神経変性を誘発するmRNAは何かにつき、各ALS/FTLD原因遺伝子変異を導入した培養神経・動物モデルを用いて検証する。本年度は以下の研究を行った。 ①ALS/FTLD原因遺伝子変異による局所翻訳機能障害、神経変性の解析 微小流体チャンバー、多孔性挿入式チャンバーを用いたマウス胎児神経細胞の区画培養系で、バクテリオファージ蛋白質MS2を用いたRNA可視化システムにより、リボソーム蛋白質mRNAがTDP-43あるいはFUSと共局在しそれにより軸索へ輸送されること、神経細胞で軸索局所翻訳促進作用を持つbrain-derived neurotrophic factor(BDNF)により軸索内のリボソーム蛋白質mRNAの蛋白質への翻訳がみられることを明らかにした。 ②局所翻訳機能障害により神経変性を生じる生存必須mRNAの同定 ALS患者剖検組織軸索分画を用いた解析により、同分画内で発現低下している遺伝子としてRNA修飾に関連する遺伝子Xを同定した。また昨年度同様、多孔性挿入式チャンバーを用いたマウス胎児神経細胞の区画培養系でTDP-43、FUSそれぞれの発現を低下させ、各条件の軸索分画を用いて翻訳活性の高いmRNAの抽出、同定を試みているが、未だ解析に十分な量の試料が得られておらず、今後さらに条件検討が必要である。 ③ALS/FTLD原因遺伝子による神経変性の翻訳機能是正による抑制効果の解析 遺伝子Xを発現するレンチウイルスベクター系を構築した。TDP-43、FUSそれぞれの発現を低下させたマウス胎児神経細胞を用い、遺伝子Xの発現上昇による神経変性抑制効果を検討中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
局所翻訳機能障害により神経変性を生じる生存必須mRNAを同定するため、多孔性挿入式チャンバーを用いてshRNA発現レンチウイルスベクターによりTDP-43、FUSそれぞれの発現を低下させたマウス胎児神経細胞の区画培養を行い、各条件の軸索分画を用いて翻訳活性の高いmRNAの抽出、同定を試みているが、依然回収できる軸索分画の量が少ないために解析に十分な量の試料が得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
局所翻訳機能障害により神経変性を生じる生存必須mRNAの同定については、さらに培養細胞数を増やす、使用する検体数を増やすなどにより試料量の確保を行った上で、目標とするmRNAの同定ができるよう対策を講じていく。さらにこの手法による解析で結果が得られない可能性を考え、患者剖検神経組織を用いた解析など、他の手法での標的mRNAの同定を進めている。
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